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厨房用品・調理道具の選び方

日本酒がもっと美味しくなる! 他店と差がつく「酒器の選び方」

2017年11月2日(2023年6月7日更新)

酒器イメージ

-Photo by iStock.com/GI15702993


蔵、銘柄ごとに様々な味や香りを持つ個性豊かな日本酒。それぞれの味わいを楽しんでもらい、ベストな状態で飲んでもらうために、どのような酒器を選べばよいのでしょう。基本となる酒器の種類、より美味しくお酒を楽しめるような酒器の選び方を紹介します。

サービスに応じて使い分ける酒器の種類

■オールマイティーの徳利
まずはお燗をつける徳利。サイズは1合(180ml)、または2合(360ml)が一般的で、グループ客の多い店で重宝します。燗酒のイメージが強いですが、常温でも冷酒でもOK。冷酒用では、お洒落なガラス製徳利もあります。

■お洒落な片口
お椀に片方だけ注ぎ口がついた片口は、徳利よりもお洒落なイメージ。開口部が広いのでふんわりとお酒の香りが楽しめます。一般的に1合または2合、もしくはそれに準じたサイズですが、冷酒で供する場合は1合もしくは小サイズが望ましいです。

■高級感がある冷酒用の「ちろり」
大吟醸や吟醸酒を冷酒で供するには、ガラス製のちろりがおすすめ。氷を入れるケースが入った急須の形をしています。多くは2合で、冷たさが長持ちします。

■「もっきり」用のグラス+升
グラスに冷酒をこぼれるほど注ぐ方法を「もっきり」といいます。1合売りの場合、多くは升の中に7勺(126ml)のグラスを置き、併せて1合になるように注ぎます。また8勺(140ml)売りをする店も。この場合、グラスの下に受け皿を置くか、グラスを升の中に置きます。

■様々なデザインが楽しめるぐい呑み&お猪口
注ぐ器が決まったら、次は飲む器です。お猪口は一口で飲めるサイズ。ぐい呑みの容量は様々ですが、およそ40ml前後です。また、冷酒には日本酒用のグラスもあります。デザインや素材も豊富で、最近では客に飲む器を選んでもらうお店も増えています。

様々なデザインが楽しめるぐい呑み&お猪口

-Photo by iStock.com/paylessimages


酒の香味にあった酒器の選び方

大吟醸や吟醸酒のことを特定名称酒といい、全部で8種類あります。米麹の割合が15%以上のお酒で、使用材料(米・米麹だけを使っているものが純米酒)と、精米歩合(米を磨いた割合)で区別されます。

本醸造酒…原料=米、米麹、醸造アルコール/精米歩合=70%以下
吟醸酒…原料=米、米麹、醸造アルコール/精米歩合=60%以下
大吟醸酒…原料=米、米麹、醸造アルコール/精米歩合=50%以下
純米酒…原料=米、米麹/精米歩合=規定なし
純米吟醸酒…原料=米、米麹/精米歩合=60%以下
純米大吟醸酒…原料=米、米麹/精米歩合=50%以下
特別本醸造酒…原料=米、米麹、醸造アルコール/精米歩合=60%以下または特別な製造方法
特別純米酒…原料=米、米麹/精米歩合=60%以下又は特別な製造方法

精米歩合が高い程「米をより多く磨く」ことになり、磨くほどに繊細な味わいに仕上がります。また純米だとふくよかな香りで濃厚、醸造用アルコールを使うとすっきりとした味わいに仕上がります。日本酒にはそれぞれ個性があり千差万別ではありますが、大きく味や香りで4つに分類され、タイプごとに合う酒器があります。

■香りが高い「薫酒」にはラッパ型
大吟醸や吟醸系のように香りが高く、味が淡いお酒を「薫酒」といいます。香りが楽しめるよう、飲み口が広いラッパ型の酒器がぴったりです。

■淡麗辛口の「爽酒」には小さな酒器
普通酒や本醸造酒のように、香りが抑えめで淡麗辛口なお酒を「爽酒」といいます。すっとひと息で飲めるような小さな酒器がおすすめです。

■香り高く味が濃い「熟酒」には高級感ある酒器
古酒、長期熟成酒のように、香り高く味が濃いお酒を「熟酒」といいます。漆塗りなど高級感のある重厚な酒器がぴったり。濃密な香りを包み込めるよう、口が大きくすぼまった形が良いでしょう。

■日本酒らしい味わいの「醇酒」には陶器製の酒器
ふくよかでしっかりした味わいのお酒を「醇酒」といいます。「日本酒らしい味」といわれ、米の味をダイレクトに伝える純米酒の多くがこのタイプ。胴が少しふくらみ、ころっとした陶器製など和風の酒器と相性が良いです。

陶器製の酒器

-Photo by iStock.com/GI15702993


さまざまな酒器の素材

■ガラス
すっきりとした冷酒にぴったりです。他の素材に比べ飲み口が薄いため、味わいをシャープに感じることができます。

■陶器
温かみがある素材感に加え飲み口が比較的厚いため、常温や燗酒によく合います。また口当たりが良いので冷酒もOK。お酒と陶器の産地を合わせると、より味わいがしっくりきます。

■磁器
陶器よりも飲み口が薄手で硬質なため、すっきりした味わいの冷酒や常温のお酒にぴったりです。お酒がより上品に楽しめます。

■木製
杉やヒノキは香りが高く、酒とともに木の香りも楽しめます。また、木の肌に触れることで味わいを和らげる効果があるといわれています。漆器は口当たりが滑らかで高級感があり、ワンランク上の酒宴におすすめです。

■錫(すず)
熱の伝導性に優れているので、冷たいものがより冷たく感じられます。また早く均一に温まるので、お燗をつける「ちろり」などによく使われます。味の角がとれ、まろやかになると好評。見た目にも高級感があります。

酒器の手入れの方法

日本酒の味わいや香りはとても繊細です。そのため手入れの基本は、他の食器と一緒に洗わないこと。洗ったらよく乾かして保管します。

徳利は形状が複雑なのできれいに洗い上げることが難しく、とくに陶器製のものは吸水性が高いのでさっと洗っただけではお酒が抜けません。そこで、まずはぬるま湯につけてお酒を抜きましょう。徳利専用の細いブラシを使うと、底やくびれの部分がしっかり洗えます。

また錫器の手入れには、注意が必要です。錫はやわらかい金属なので、落とすとすぐへこんでしまいます。食器洗い機を使うと錫が変質する可能性があるので、食器用洗剤を使って優しく手洗いしましょう。傷付きやすいので、スポンジのやわらかい面で洗ってください。また曇りやすいのも錫の特徴です。酒器を艶やかにするために、次のように手入れをしましょう。錫の純度が高いほど効果があります。

・濡らした柔らかい布で磨き、絞った布に歯みがき粉をつけて磨きます。
・ぬるま湯などでよく洗います。
・乾燥したタオルで水滴などをしっかりと拭きとり、乾かします。

日本酒は蔵ごとに製法や使用する水、酒米、麹などが異なるため、味や香りも多彩。同じ蔵でも異なる銘柄があり、銘柄の中でも大吟醸や吟醸など違いがあるなど奥が深いものです。ぜひ酒器にもこだわり、提供されるお酒とのベストマッチを見つけてください。

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