ノンアルコール市場は拡大中! 消費者の意見と飲食店の対策をアンケートから分析
2019年6月13日

ノンアルコール飲料市場は拡大中!
サントリーホールディングス株式会社が、一都三県(東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県)に在住する20~69歳の成人男女30,000人にインターネット調査をし、「ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 ノンアルコール飲料レポート2018」を発表した。
ノンアルコール飲料市場はそれまでの商品開発が実を結び、「格段に味が良くなった」といわれる2012年に一気に拡大した。それ以降は微増ながらも、堅調に推移している。2017年は前年比105%の4,536万ケース、2018年は前年比102%の約4,621万ケースと推定されており、今後も市場規模は拡大していくことが見込まれている。
ノンアルコール飲料は、必ずしもアルコールの代替品ではない
消費者はなぜ、“ノン”アルコールを飲むのだろうか?「運転をするため」などアルコールを飲めない、やむを得ない事情があるのかと思いきや、調査では意外な結果が出た。
ノンアルコール飲料ユーザーに「普段飲むシーン」について質問したところ、一番多かったのは「夕食時」(15.6%)だった。以下「運転がある時」(6.3%)「夕食後」(5.6%)と続いた。「最近1年以内に、初めて飲んだ」という新規ユーザーに限ると「夕食中」(15.1%)、夕食後(6.8%)に続き、「昼食時」(6.5%)、「友人知人の集まりや飲み会の席」(5.4%)が入った。「運転がある時」(4.6%)は6位だった。
さらに、ノンアルコールビールテイスト飲料の飲用理由について質問した。1位「ビールの味が楽しめるから」、2位「お酒の気分が楽しめるから」、3位「アルコール0.00%だから」となった。これらの結果から、ノンアルコール飲料の、時間や場所や飲用後のことを気にせずに済むという特性に消費者は魅力を感じ、カジュアルに楽しんでいることがわかった。また、飲用理由の4位5位からは、健康面を考慮しノンアルコール飲料を選んでいる消費者がいることがわかった。
ビールに関するさまざまな統計では、団塊の世代あたりが他の年齢層に比べてビールを好むという結果が出ているが、この年齢層の中には健康や生活習慣病の予防などに意識を向けている人が多いことが関連しているのではないかと考えられる。

飲食店の80%以上がノンアルコール飲料を提供
では飲食店は、ノンアルコール飲料に対してどんな対応をしているだろうか。「飲食店リサーチ」が飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)261名(うち67%が1店舗のみを運営)に調査をしたアンケートの結果からご紹介する。
ノンアルコール飲料を提供しているかどうかを質問したところ、「提供している」が83.5%で、「提供していない」を大きく上回った。回答した飲食店のうち67%が1店舗のみを運営していることから考えると、個人店でもノンアルコール飲料を提供するのは当たり前のことになっているといえる。
ノンアルコール飲料を「提供している」と回答した店舗に対し、取り扱っている種類について聞いたところ(複数回答可)、最も多かったのは「ノンアルコールビール」で93.6%だった。ビールには、業態を選ばず提供しやすい特徴がある。ノンアルコールビールも同様に提供しやすいと捉えられているのだろう。

調査からは、ノンアルコール飲料をうまく活用する飲食店も増えてきていることもわかった。
・飲み放題メニューとして提供する
→効果:「宴会の空気が乱れない」と飲む派からも飲めない・飲まない派からも好評。
・ノンアルコールカクテルもシェーカーでつくったり、フルーツやミントを飾ったりする
→効果:実際は普通のジュースだが、カクテルのような印象を与えるので、お客さまの満足度が上がり、単価を高くできる
今後さらに、ノンアルコール飲料は広く受け入れられていくだろう。飲食店では、「いつでも飲める」「健康に飲める」「味・雰囲気ともにアルコールの代替品にもなる」といった切り口で魅力を引き出していくことで、差別化ができるのではないだろうか。
<調査結果引用元>
ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2018
「飲食店におけるノンアルコール飲料の提供」に関するアンケート調査
飲食店経営者が集う「飲食店リサーチ」
アンケート調査結果が見れる!店舗経営に役立つ!


最近のアンケート調査結果
- 「食品の消費・賞味期限」に関するアンケートのお願い (2025/04/21)
- 税理士への依頼状況に関するアンケート (2025/04/11)
- カテゴリ
- 飲食店経営に関する調査レポート
- その他
- 新着記事
新着記事一覧へ
飲食店リサーチマガジンについて
『飲食店リサーチ』で実施した調査によって得られたデータなど、『飲食店ドットコム』が保有するデータに対し様々な考察を加えて記事を作成。飲食店の経営に役立つ情報を毎月定期配信しています。