飲食店の感染防止「ガイドライン」遵守状況を調査。接客時や店舗・従業員の衛生対策はどこまで実施できている?

2月3日

画像素材:PIXTA
政府は緊急事態宣言の再発令に伴い、11都府県の飲食店に営業時間の短縮を要請している。依然として飲食店にとって厳しい状況が続くなか、多くの店舗が感染防止対策の指針として取り入れているのが、日本フードサービス協会が掲げる「外食業の事業継続のためのガイドライン」 だ。そこで今回の「飲食店リサーチ」では、飲食店のガイドライン遵守状況についてアンケートを実施。今回はその結果をまとめていく。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:537名
調査期間:2021年1月18日~2021年1月20日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「外食業の事業継続のためのガイドライン」の遵守状況に関するアンケート

■回答者について
回答者のうち67.6%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は54.4%(首都圏の飲食店の割合は71.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

飲食店の96%以上が営業時間短縮要請に「応じる」

まず、2020年12月の経営状況について尋ねた。12月の売上を2019年の同時期と比べてもらったところ、最多となったのが「前年同月より50%以上減った(38.5%)」という回答。次いで、「30%減った(16.2%)」、「40%減った(15.1%)」という回答が続く。

11月の売上について同様の調査を行った際には、「前年同月より50%以上減った(21.2%)」、「30%減った(18.5%)」、「20%減った(16.2%)」という結果が得られており、12月に入り経営状況がさらに落ち込んでいることがうかがえる。こうした背景には、第3波により全国的に感染者数が増加し、客足が遠のいていることが影響していると思われる。

続いて緊急事態宣言、または自治体ごとの営業時間短縮要請の対象地域にある飲食店に対し、要請に応じる意向があるかどうかを聞いた。最も多かったのが「時短営業を行う(73.7%)」という回答。続いて「臨時休業を行う(22.8%)」という回答が続き、96.5%の飲食店が「要請に応じる」意向であることが明らかとなった。

さらに、営業時間短縮要請に「応じる」または「応じない」理由についても尋ねた。それぞれの回答を抜粋して紹介する。

■応じる

・協力金と営業した場合を比較し、休業が妥当と考えたため(東京都/和食/6~10店舗)
・お客様と従業員の安全を確保するため、少しでも収束に協力したい(東京都/イタリア料理/1店舗)
・まずは、みんなで早くコロナを終わらせることが大事だと思い、応じるようにしました。また補助金も頂けることを踏まえると、うちみたいな小さい店は十分に助かるので、協力をしようと思いました(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・入居先の商業施設が時短営業となるから、お客様の目や従業員のモチベーション低下があるため(東京都/その他/11~30店舗)

■応じない

・もともと20時閉店(神奈川県/カフェ/1店舗)
・補償されても補償のお金が入るのが遅すぎてやっていけない(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

飲食店の9割が、ガイドラインに沿った感染症対策が「できている」と回答

続いては、コロナ禍で飲食店の多くが取り入れている、日本フードサービス協会の「外食業の事業継続のためのガイドライン」について実情を調査。

まず、ガイドラインに沿った感染症対策ができているかを尋ねたところ、最も多かったのが「ある程度は対策できている(59.2%)」という回答。次いで「十分に対策できている(36.5%)」という回答が続き、約9割もの飲食店が「対策できている」と感じていることが明らかとなった。一方で、「まったく対策できていない」という店舗は0%となっており、どの店舗も少なからず何らかの対策を行っているようだ。

また、ガイドラインの項目ごとに実施している感染症対策についても聞いた。お客様が入店する際に実施していることについて尋ねたところ、最も多かったのが「店舗入口に消毒用アルコールを用意する(96.5%)」という回答。続く、「店内が込み合う場合は入店を制限する(73.2%)」、「発熱や咳などがある場合は店内飲食を断る(71.3%)」、「食事中以外はマスクの着用をお願いする(50.1%)」という項目についても、5割以上の店舗が実施している。

客席への配慮や接客時の対応について尋ねたところ、「従業員のマスクまたはフェイスガード着用を徹底する(89.9%)」、「退店のたびにテーブルやカウンターを消毒する(88.3%)」という対策を9割近くの飲食店が行っていることがわかった。なお、テーブル間の間隔の確保やパーティションの導入については、店舗によってはスペース上対応が難しいと予想されるものの、4~5割の飲食店で実施されていることが明らかとなった。

続いて、従業員の衛生管理状況についてみてみると、「こまめな手洗いを徹底する」という回答が92.7%で最多となっている。次いで、「発熱や風邪症状がみられる場合は出勤停止とする(88.5%)」、「感染または濃厚接触が確認された場合、就業を禁止する(86.2%)」という回答が続き、他の項目についても6割以上の飲食店が実施している。

店舗の衛生管理状況については、「トイレは毎日清掃する(89.4%)」という回答が最多となっている。次いで「厨房での作業前後は手洗いを徹底する(86.2%)」、「多くの人が触れる物・箇所は定期的に消毒・清拭する(85.5%)」という回答が続いている。このほか、換気の徹底や、洗剤による調理設備や器具の清拭、消毒剤・不織布マスクの備蓄など、多くの項目で8割前後の実施率となっている。

2.8%の飲食店で「利用者」が、4.8%の飲食店で「従業員」が新型コロナに感染

さらに、新型コロナウイルス感染症(疑いを含む)の発生状況についても尋ねた。利用客のなかで新型コロナウイルス感染症が発生したことが「ある」と回答した店舗は、2.8%だった。

一方、従業員のなかでこれまで新型コロナウイルス感染症(疑いを含む)が発生したことが「ある」という店舗は、4.8%ということが明らかになった。

協力金の支給は「助かる」ものの、「不満」の声も多数

最後に、営業時間短縮要請に応じた店舗に支給される「協力金」について、飲食店はどのような考えを持っているのか尋ねた。「助かる」という声が上がる一方で、「店舗規模に合わせた補償」や「補償対象の拡充」を求める声も上がっている。以下に今回寄せられた意見を抜粋していく。

■店舗規模に合わせた補償が必要

・各店舗により経費や売上が異なるのに一律でというのは、大規模飲食店にとってはスズメの涙である。各店の規模に応じた補償が必要である(東京都/バー/1店舗)

・一律は良くない。それで儲かる店もあるし、足りない店もある。こればかりは個々に対応すべき事案であると強く思う(神奈川県/カフェ/1店舗)

・一律6万円は、疑問。もともとディナーの売上が悪いところは、協力金で大幅な黒字になる。本当に必要な店舗に十分に資金が回らないと感じる(東京都/イタリア料理/1店舗)

■補償対象を広げてほしい

・昼のみ営業の店舗にも協力金はいるのではないか(宮崎県/和食/1店舗)

・解除後にすぐに客足が戻るわけではないので、解除後にもなんらかの支援が必要(福岡県/洋食/1店舗)

コロナ禍では、感染防止対策の実施が飲食店を選ぶ新たな指標となっているほか、自治体によっては協力金支給の条件となっているところもある。日本フードサービス協会の「外食業の事業継続のためのガイドライン」は、2020年11月30日に改正されているため、今一度しっかりと見直してみてはどうだろうか。

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