「2021年の飲食店」を振り返って。 65.4%の店舗で、年間総売上が昨年より減少

2月7日

画像素材:PIXTA
2021年は、感染拡大に伴う酒類提供自粛の要請や東京オリンピック・パラリンピックの開催、食材の価格高騰など、様々な出来事があった。長引くコロナ禍での営業に苦労した飲食店も多いだろう。そこで今回の「飲食店リサーチ」では、2021年の飲食店事情を振り返るため、アンケートを実施。コロナ禍で経営を行う飲食店関係者のリアルな声をお届けする。

<本調査について>

■調査概要

調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:448名
調査期間:2021年12月24日~2022年1月5日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:「飲食店における2021年」に関するアンケート調査

■回答者について

本調査にご協力いただいた回答者のうち68.5%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は53.6%(首都圏の飲食店の割合は70.1%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

<調査結果について>

年間総売上、昨年比増の飲食店は26.4%にとどまる


まず、2021年11月の売上をコロナ禍前の同月(2019年11月)と比較してもらったところ、「2019年11月より30%減った(17.2%)」との回答が最も多かった。これに、「20%減った(14.7%)」、「変わらない(12.3%)」との回答が続く。

全体の65.4%が「2019年11月より売上が減った」と回答しており、依然として6割を超える飲食店がコロナ禍前の売上水準に回復していない。一方で、回復の兆しも見えてきた。2020年に弊社が実施した調査では、2020年11月の売上について、8割が「2019年11月より減った」と回答しており、それと比べると状況が改善しつつあると言える。
次に、2021年における年間総売上の昨年対比(※)について回答してもらったところ、最多は「2020年の総売上と変わらない(12.3%)」との回答。以降、「30%減った(11.4%)」、「70%以上減った(9.8%)」との回答が続く。全体では、「昨年よりも総売上が増えた」との回答は26.4%にとどまった。これに対し、「昨年よりも総売上が減った」との回答は61.3%あり、多くの飲食店がコロナ禍での営業に苦しんでいる様子が明らかとなった。

※本調査は、2021年12月24日~2022年1月5日に実施したため、12月後半分の売上については一部予想も含まれる。

コロナ禍での飲食店経営、自治体の要請などに苦慮


2021年で特に印象的だったトピックスを尋ねたところ、7割が「自治体による酒類提供の停止や休業要請(71.9%)」を選び、最多に。次いで、「自治体による時短営業要請(60.0%)」、「相次ぐ食材の価格高騰(31.3%)」、「協力金の終了(28.1%)」、「新型コロナ変異株の流行(27.5%)」と続き、新型コロナ関連の話題が目立つ結果となった。
さらに、2021年の飲食店経営で最も苦労した点について尋ねたところ、最多となったのは「自治体要請(時短や酒類提供停止など)に応じながらの営業」との回答で、63.6%。長期間、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用されていた地域もあり、要請下での営業に多くの店舗が苦労していたようだ。以降は、「店舗家賃、光熱費など固定費の支払い(29.2%)」、「感染防止対策の継続(28.8%)」、「従業員の雇用維持やシフト調整(28.6%)」、「客足の回復に向けた販促活動(28.3%)」との回答が続く。
今年に入り、新しく始めたサービスや工夫については、「特にない(31.7%)」との回答を除くと、「テイクアウト」が28.6%で最も多かった。次いで、「デリバリー(22.1%)」、「SNSを使った集客・販促(19.2%)」が続いており、コロナ禍で需要が拡大したテイクアウト・デリバリーサービスを始める店舗が目立つ結果となった。

苦労・不安の声多数も、2022年に向けて動き出す店舗も


最後に、2021年を振り返っての感想や2022年への思いを尋ねた。「コロナ禍での営業に対する苦労や今後に対する不安」の声が上がったほか、「コロナ禍の経験を今後に生かしたい」、「新しい事柄に挑戦する」など2022年に向けた前向きな思いも聞かれた。以下にいくつかの回答をピックアップして紹介する。

■コロナに振り回された
・メディアと行政に振り回された一年。酒類提供停止がなければまだ良かったが、これによって営業の気力がなくなってしまった(東京都/バー/1店舗)
・あっという間の一年だった。感染症対策と政府方針に振り回された年だった(神奈川県/専門料理/2店舗)

■酒類提供の自粛要請に苦労した
・酒提供できない営業、規制緩和した後の客数回復、元の状態に戻す大変さを痛感した年だった(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・居酒屋にとって酒抜きの営業は大変致命的でした。お食事のみでも原価率を抑えられるよう、今年は工夫していきたいと思いました(東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

■生活様式が変化し、客足が回復しない
・想像以上に客足の回復が鈍い。呑みに出歩く習慣がなくなっている人も少なくないように感じるので、来年はもっと工夫をしていきたい(長野県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・時短が終わっても客足が回復せず、この先戻るかがかなり心配。オフィス街のため影響を受けやすい(東京都/専門料理/1店舗)

■協力金に助けられた
・時短協力金のおかげで非常に助かりましたが、来年以降は期待できないので、業態の変化が大事になってくると思います(大阪府/カフェ/2店舗)
・給付金に助けられましたが、再現性がない売上なので、2022年は店をパワーアップ出来るように頑張りたいです(大阪府/鉄板焼き・お好み焼1店舗)

■材料の高騰などに伴い、値上げを検討
・売上が落ち込むなか、人件費や食料品の価格上昇に伴い、これ以上は現状維持ができないため、来年から全体的にメニューの値上げを行う(福岡県/洋食/1店舗)
・今年後半から、食材の高騰により原価率が悪化。来年は値上げを考えている(京都府/和食/1店舗)

■今後に生かせる経験・学びがあった
・異例の年でしたが、良い経験として今後に生かしていきたいと思います(千葉県/専門料理/1店舗)
・飲食店のDXや将来を見据えたスタッフ教育に時間を費やせた学びのある一年だった(東京都/洋食/1店舗)

■新しい事柄にチャンレンジ
・来年も変異株拡大の恐れなどで、先行きは不透明ですが、しっかりガードを固めつつ新しいことにチャレンジしていければと考えております(東京都/アジア料理/1店舗)
・コロナ禍でお客様の足が遠のき売上げが激減したが、来年からデリバリー業に挑戦することにしたので、新たな気持ちで頑張りたいと思う(東京都/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

アンケートでは、オミクロン株の流行を心配する声も寄せられていたが、残念ながら、2月上旬現在、日本各地でオミクロン株が流行しており、30以上の都道府県にまん延防止等重点措置が適用される事態となっている。時短営業が要請されている地域では、再び協力金の支援が行われているが、飲食店はまたも厳しい状況に置かれることになりそうだ。

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