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「まずはイメージを固めることから!」 (第1回)

不動産業者に行く準備


「自分の店を持ちたい」と思う人は決して少なくない。でも多くの人は、それはただの夢で終わってしまう。これを現実のものにするためには、さまざまな準備をしなければいけない。その中でも重要なことのひとつに物件選びがあげられる。どんなにイメージを膨らましても、物件がなければ、その夢を実現することはできないのだ。
では、物件探しをするためには、まず何から始めればいいのだろうか。
物件を探すには、不動産業者を訪ねるのだが、いきなり飛び込んだところで、イメージ通りの物件にであえることはまずない。いや、そんな状態では紹介された物件がよいものなのかどうかの判断さえできないのだ。失敗しない物件探しのためには、不動産業者に行くための準備が必要となる。
まず重要なのは「具体的なイメージを固めること」だ。自分の店をもちたいと思っても、多くの場合、店舗の雰囲気やそこで提供する料理、接客のイメージがあるだけで、数字のイメージが伴っていないことが多い。ところが、実際に店舗を持つには、この数字の部分が最も重要になる。

他の店舗を見に行く


単に「居酒屋をやりたい」といっても、回転型か滞在型かで求める条件は大きく変わってくる。また、住宅地で一ヵ月30日で売り上げを見込むのか、ビジネス街で20日で勝負するのかも重要となる。1日10万円の売り上げがあっても、1000円を100人と5000円を20組では、まったく違う要素が必要だ。同じように、10万円の売り上げでも月30日なら300万円。ところが20日なら200万円の売り上げしかないことになる。
では、どのようにしてイメージを具体化していけばよいのだろうか。
多くの場合、自分の思い描く店舗が、前例のない新しい店ということはなく、目標とする店やイメージに似た店があるはずだ。まずはそこに足を運び、メニュー構成や価格帯、客層や滞在時間、営業時間などのヒントをもらってくる。その上で、それを自分のイメージに落とし込んでいく。また、自分が勤務していた店舗と同業態の店舗を持つ場合も、感覚で身につけた情報を再度整理する必要がある。「改めて書き出してみると、それまで思っていた印象と違った」ということも決して少なくないだろう。

2つの開業資金を算出する


そしてさらに、もっと重要な数字を考えなくてはならない。それは開業資金だ。
開業するためには大きなコストがかかる。無借金ではじめることが理想だが、多くの人は自己資金に融資をプラスして開業資金にあてる。その金額はそれぞれだろうが、共通しているのは、その金額以上の店舗は作れないということだ。そのために、物件探しの前にどれだけの資金が準備できるのかを知ることが重要になる。
すでに店舗を持っている人が、2軒目、3軒目を作るのであれば別だが、はじめての開業となると、なかなかシミュレーションしづらいが、この雑誌や書籍を参考にすれば、実態に沿った数値をある程度知ることが可能だ。
ここで算出する開業資金は2つ。自分が準備できる金額と自分のイメージする店舗を作るのに必要な金額だ。その2つを比較し、バランスをとることが重要となる。もちろん、準備した資金のすべてを使って店舗を作ってしまったのでは、運転資金がなくなってしまう。店が軌道に乗るまでの費用を残しておくことも忘れてはならない。
ここで注意したいのは、自分に都合のいい計算をしないことだ。夢見てきた店舗を持つのだと考えると、現実より理想を優先してしまう。「自己資金はないけど、どこかで借りられるだろう」「知り合いの工務店に頼めば、格安で作ってくれるに違いない」と安易に考えたために、後で苦労するケースも決して珍しくない。気分が高揚するときだからこそ、冷静でシビアな思考が必要となるのだ。

物件探しには時間が必要


またもうひとつ注意したいことがある。物件探しは短期間でできるものではない。自分の夢を実現するためには、焦らずじっくりと物件を探すことが重要なのだ。ところが、この準備期間に収入を得る手段を持たないと、せっかく準備した資金を日々の生活に使ってしまうことになりかねない。「独立するから」と仕事を辞め、いざ契約となったとき資金がなくなっていたとか、焦って無用な妥協をしたために、後々苦労するのはなんとしても避けたい。そのためにも、開業準備の段階でその資金をあてにしなくても生活していけるだけの収入の手段を持っていたい。もちろん社員として働きながら準備をしなければならないというわけではない。時間の自由がきくアルバイトとして働くのもひとつの手段だろう。また、どうせなら、これからの自分が参考にできそうな店で経験を積むのも面白い。きっとこれまでと違った見方ができ、新しいヒントが発見できるかもしれない。

コラム
「素人だから」は許されない

料理人暦20年のベテラン職人が、長年貯めた自己資金をもとに、念願の独立をすることになった。彼は不動産業者を訪ね、「1000万円で店をやりたい」と言った。担当者は条件を聞いたが、「物件については素人だから、あんたに任せる」としか言わない。困った担当者は、資金シミュレーションをし、物件を紹介して回ったが、「何か違うんだよな」というばかりで、具体的な要望を聞くことができなかった。
そのうち、「まぁ、ここでいいか」という物件が出てきたが、決して条件のよい物件ではない。改めて確認してみると、開業後のプランがまったくなく、「とにかく安いところで始めれば苦労しないでも何とかなるはず」と言ったという。結局彼はその物件を契約したが、1年たたないうちに店をたたんでしまった。
彼に足りなかったのは、物件の知識ではなく、経営者としての自覚だった。

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