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ビルオーナーが語る、飲食店に貸す本音 (第43回)

【本当に貸したくない?】

ビルオーナーたちの集まりに参加する機会があった。とても興味深い話を聞くことができたので紹介したい。なかなか聞く機会のない”ビルオーナーの本音“を知っておくことも、いい物件を契約するためのコツの一つだ。
 彼らの多くは、小さなビルのオーナーだったが、残念なことに飲食店に対して、あまりいい印象を持っていない人が多かった。「物件が汚れる」「臭いやゴキブリなど、住民とのトラブルの元になる」「経営が安定していない」などという理由が大きいようだ。
 ところが、こう考えている人の多くは「飲食店に物件を貸したことがない」ビルオーナーだった。反対に、飲食店にも積極的に貸しているオーナーは、意外にも好意的な見方をしている人が多いのが印象的だった。
 特に飲食店に対して好意的だったAさんは、中野区に雑居ビルを1棟をマンションを2つ所有している。雑居ビルの1階をラーメン店、2階をカフェに貸し、好感触だったため、2つのマンションのうちの1つを改装し、1階の3部屋を1つの物件にしてレストランに貸すようになった。
 彼は「条件さえ合えば、飲食店に貸す方がいい」とまで言い切った。



【意外にリスクは少ない】

最近は、賃貸住宅で敷金や礼金がゼロというケースも少なくない。敷金は、借主が家主に対して預けるお金で、家賃の未納や退去時の原状復帰に充当されてきた。以前は、退去時のリフォームに、敷金の一部を使うのが当然だったが、最近はそうもいかない。明らかなる借主の落ち度がない限りは「そのまま返金してくれ」と主張する借主も多いが、次の人に貸すためには、リフォームが必須。オーナーの負担は増えるばかりだというのだ。
 ところが飲食店は、保証金という名目で、家賃の数ヵ月〜1年分の金額を納める。仮に、多少家賃の滞納が発生してもそれを充当することができる。退出時は原状復帰が基本で、スケルトン状態に戻るため、リフォームにかかる費用はほとんどない。住宅に比べると(条件さえ悪くなければ)、次の借主を見つけるのは難しくないのだそうだ。
 害虫対策は、専門業者による定期管理を約束することで解決する。低層階の飲食店が、しっかり管理することで、かえってビル全体の害虫被害は減る。
 飲食店と住民とのトラブルはよく聞く話だが、その多くは臭いと騒音。臭いはゼロにはならないが、設備をしっかり造ることで大きな問題にはならず、騒音に関しても「都心部では、24時近くまで営業しても、よほど大騒ぎする人が多くない限り、クレームになることはほとんどない」らしく「学生や若い世代が多く集まる業種を避ければ問題ない」と認識しているようだ。



【他の業態にはできないこと】

Aさんが最も強調していたのは「飲食店をこれから始めようとする人は志も高く、元気で誠実だ」ということ。つまり、契約などでクリアできる現象面はあまり重要でなく、何より人柄重視で選べば、リスクはなくなるというのだ。
 「事務所として貸しても、だらしない格好で、ろくに挨拶もできない従業員が出入りするばかり。ゴミ出しなどのルールを守ろうともしないモラルの低い人が増えて、イメージが悪くなるが、飲食店はアルバイトまでキッチリと挨拶ができ、周りの掃除までやる人も多い。そこに元気な飲食店があることで、ビル全体に活気が出るように感じる」そうだ。
 飲食店だからといって、全員の愛想が良いわけではないし、不誠実な印象の人もいるだろう。ただ、ビル全体のイメージアップという、他の業態にはできない部分に期待するビルオーナーがいることを理解し、行動することで、有利な契約につながることもあるだろう。
 小さなビルオーナーと個人経営の飲食店は、ビジネスライクな関係ではなく、人柄と信頼関係でつながるのがベストだろう。





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