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「まずは物件を見極める力をつける」 (第2回)

情報が早い地元の業者


 開業を決意し、自分の作りたい店のイメージを固め、資金のシミュレーションができれば、いよいよ不動産業者に足を運ぶことになる。多くの人は、店舗物件を探したことがない。そのため、「そもそも、どの不動産屋に行けばいいのか分からない」という不安を抱くだろう。
 街中にはたくさんの不動産業者があるが、物件探しの観点から、大きく分けて2種類に分けられる。
 まずひとつ目は、地域密着の不動産屋。店舗物件も住宅物件も扱う、いわゆる地元の業者だ。商店街や駅前にあり、賃貸住宅を借りるために利用したことがあるという人も多いだろう。
 マンションやビルのオーナーは、空き部屋が出た際に、すみやかに次の借り手を探してもらうために、特定の不動産業者との付き合いが深い。1階が店舗、2階以上が住居という物件であれば、テナントに空きが出そうになれば、住居同様、おなじみの不動産屋に情報を流すことになる。
 店舗物件は解約の2〜3ヵ月前に申し出ることを条件にしている契約が多い。借り手がビル所有者に解約を申し出たとき、最初に連絡するのは、地元の業者となる。一般にその情報が流されるのは、解約が近くなってから、または解約後が一般的なので、その間は地元の業者のみが知る情報となるのだ。掘り出し物件は、広く情報が流される前に借り手が決まるからくりはここにあるのだ。


広域をカバーする専門業者


 もうひとつが店舗物件を専門に扱う不動産業者。23区内や都内全域などの広い範囲の物件を扱い、専門的な見地からのアドバイスも期待できる。同じ予算でも、出店地域によって借りられる広さや立地条件は大きく違ってくる。「○○線沿線」などと広い地域を想定するのであれば、こういった業者を利用するのが賢明だ。また、専門であることの強みとして、「その物件は融資を受けやすいか」、「次のステップとなる内装業者をどうするのか」など、賃貸契約から開業にかかわる広い範囲の情報をサポートしてくれるところが多い。開業と融資は、切り離せない。せっかくいい物件を見つけても、融資が降りないために土壇場であきらめる……ということがないよう、物件探しの段階から考慮しておけば、予防線になる。また開業には、それまで経験したことがないことが多く発生する。そのため、コンサルタントを雇う人もいるのだが、不動産業者である程度のサポートをしてもらえれば、わざわざ他にコストをかける必要もなくなる。
 では、そういった不動産屋はどう探すのか。
 前者の場合、近くの空き物件に「テナント募集」の表示があれば、まずそこに電話をし、出向いていくようにする。何もその物件を契約するのを目的にするのではない。あくまでも不動産業者を探すひとつの手段として活用するのだ。また、近くの不動産屋であればこまめに顔を出し、友好な関係を築いておくことも重要だ。
 また後者であれば、弊誌のような雑誌を活用したり、インターネットで検索するのもひとつの手だ。さらに、すでに開業した人に紹介してもらうのもよいだろう。


自分のモノサシをもつ


 そしていよいよ不動産業者に足を運ぶのだが、ここであせってはいけない。いきなり本格的に物件を探しだすのは危険なこと。まず最初に、“相場観”を育てる必要がある。その地域のどんな立地、どんな物件がいくらくらいの保証金や賃料で借りられるのか、どんな条件があるのかなどの情報を集め、また実際に物件を見ながら、自分のモノサシを作っていくのだ。この場合、自分が思い描く地域や広さにとらわれず、条件を広めにし、たくさんの物件を見るほうがよいだろう。きっと新たな発見があるはずだ。また、不動産業者に新しい店舗物件が入ったときは、FAXなどで送ってもらうよう依頼しておく。こうすることで、自分にあった物件、掘り出し物件が出てきたときに、迅速、的確に判断ができる見極め力が身につく。
 「物件は、簡単に見つかるものではない」。これは、すでに複数店舗をもつオーナーの常識だが、はじめての物件探しとなると、期待や焦りから、安易な妥協をしてしまう傾向にある。そして、その甘い判断は、開業者を長く苦しめる。そうならないためにも、まずは自分のモノサシをキチンと作り上げることが重要なのだ。


業者は自然に選別される


 こうしていくつかの不動産業者に通ううち、情報力のある業者や親身になってくれる担当者が自然に絞り込まれてくる。物件探しは時間がかかるものだ。その場限りではなく、長く関わっていくからこそ、信頼でき、要望をきちんと聞いてくれる業者や人を選びたい。多くの人が狙っている掘り出し物件を積極的に見つけ出し、スピーディに対応してくれる業者との出会いがいい物件を契約する最大の秘訣と言えるだろう。


■コラム
時には欧米人のように・・・

日本人は「NO」と言えないとか、「はっきりしない」と言われる。勢いのある不動産屋に「これはいい物件ですよ」と言われると、自分の求める条件にあっていないと思いつつも「そうですね」とあいまいな返事してしまい、気がつくと契約になっていたという例をいくつも聞いている。途中で何度も白紙に戻すチャンスがあったはずだが、時間が経つほど「今さら言い出だせない」と流されてしまうのだ。
開業は、自分の夢や人生をかけた大きな船出。例えそれまで、自分の意見を伝えることが苦手でも、そのままでは成功はない。自分が作りたい店のイメージができたら、不動産屋がどんな人であっても、要望を明確に伝えなくてはならない。「あんまり細かいことを言うとうるさがられるんじゃないか」などという日本人的な考えは捨て、物事はハッキリ言う。時には欧米人のように意見を述べることが、成功への第一歩と言えるだろう。

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