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異業種で培った経験で組織の発展に貢献
異業種出身の人材は、飲食業界一筋の人材とは全く異なる経験を積んでいます。そのため、彼らの培った経験が自店を発展させる可能性に期待し、積極的に採用するのはひとつの成長戦略です。異業種出身者を採用すれば、他社や別業界の知識やノウハウを得られるほか、新たな人脈が広がることもあります。また、飲食業以外の世界をよく知っている人材によって、仕事の進め方や考え方といった組織文化に変化が生まれることもあるでしょう。
飲食業界と関連の深い業界や、似た仕組みを持つ業界で働いていた人材なら、元々持っているスキルや知識を直接的に活かせます。個人の資質や経験に左右される部分も大きいものの、任せる仕事によっては即戦力になってくれるかもしれません。
例えば、メーカーで生産管理の仕事を担当してきた人材を採用する場合。前職で原材料の発注や在庫管理、製品の工程管理などを経験していれば、その経験を食材の発注や在庫管理、調理の工程管理などに活用できます。
もちろん、異業種出身者の採用にはデメリットもあります。飲食業界について全く知らない人材を採用すれば、教育にかかるコストが業界経験者より大きくなるのは避けられないでしょう。とはいえ、社会人としての基礎力がすでに備わっており、個々に合わせた適切な教育を施すことができれば、いずれは業界経験者と同等のスキルを身につけてくれるはずです。
異業種出身の人材採用で注意したいポイント
異業種出身者を採用することにはさまざまなメリットがありますが、どんな人でも採用していいというわけではありません。飲食業に関する知識やスキルが採用の動機になることがない分、採用基準を設けておく必要があります。ここでは、押さえておきたい採用基準を3つ紹介します。■成長意欲がある
異業種出身者は飲食業未経験からのスタートになるため、就職後は多くのことを学ばなければなりません。成長意欲が高く、能動的に新たな知識やスキルを獲得しようとする姿勢がある人でなければ、仕事についていくことは難しいでしょう。■自店の雰囲気とマッチする
飲食業界には、その他の業界とは異なる独特の文化が存在します。さらに、業態や店舗によってもそれぞれ特色があります。採用後のミスマッチを防ぐには、そうした文化や特色に違和感なく馴染める人材を見極めることが大切です。活気の良さや明るく親切な対応、丁寧で上品な物腰など、自店がスタッフに求めるものを整理したうえで、それらを自然に発揮できる人材を採用しましょう。■体力がある
飲食業は立ちっぱなしが多い肉体労働なうえ、労働時間が長く、休みが取りづらい仕事です。これまで肉体労働をあまり経験したことのない人にとっては過酷な仕事かもしれません。採用の際は、体力に自信があるか尋ねてみましょう。採用活動が無事に終わり、異業種出身者を採用することになったら、既存のスタッフに「異業種から入社してくる人がいる」と必ず伝えましょう。異業種出身者がポテンシャルを発揮するには、既存のスタッフが受け入れ体制を整えておくことも非常に大切です。
人材の多様性が豊かになればなるほど、それぞれの人材が互いの弱みを補い合ったり、相乗効果で強みをさらに磨いたりできるため、組織全体が強くなります。採用の際は「飲食業経験者」という条件にとらわれず、ぜひ異業種出身者にも目を向けてみましょう。
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