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定着率を上げる採用のポイント
■求人広告ミスマッチを防ぐ
まず気をつけたいのが求人広告です。自社をアピールするのは大切ですが、求人広告と現状に異なる記載があると、採用後のミスマッチから早期の離職を招くことになりかねません。入社後に、勤務日数や勤務時間はもちろん、フォロー体制など求人広告と違いがあると、店舗にとっては小さなことでも、慣れない新人にとっては「思っていたのと違う、この先続けられるかな?」と感じるきっかけになることも。
年末商戦に向けて一人でも多く採用したいという経営者もいるかもしれませんが、忙しい最中にスタッフが辞めてしまった、なんてことにならないよう、現状を正しく記載してミスマッチのない採用を心がけたいものです。
■面接では応募者の不安を極力払拭しておく
面接では極力、応募者の不安を払拭しておきましょう。業務やシフトについて店側から共有しておくだけでなく、応募者に疑問や不安がないかよく確認しておくことが大切です。昨今ではコロナの影響でシフトを減らされたり休まされたりすることを懸念する応募者もいるでしょう。実際に店舗がどのような対応をとるか、これまでの実情と今後万が一休業などになったときの対応について事前に共有しておくと、お互いに安心して働けるのではないでしょうか。
採用後、即戦力として育成し定着率を高めるには?
■受け入れ体制を整えておく
採用後にまず大切なのが、受け入れ体制をしっかり整えることです。さまざまな店舗や企業の労務環境改善をサポートする株式会社リーガル・リテラシーの調査によれば、「初出勤時に名札や制服、ロッカー、靴などが準備されていたか」という質問にYESと回答したスタッフの割合は58.2%。これはおよそ4割の飲食店で受け入れの準備ができていないということになります。また、既存のスタッフに入社日の共有がされていないケースもありがちとのこと。ただでさえ緊張を強いられる勤務初日に、自分の入社を知っているスタッフがいなく手持ち無沙汰、という状況は新人スタッフの不安を増すだけです。「忙しくてつい…」と、悪気がなく起きることかと思いますが、新人スタッフの不安を減らすために受け入れる準備はしっかりと整えておきましょう。■研修制度を整える
受け入れ体制の次に注意したいのが研修制度を整えること。スムーズに研修を行うためには、教育の仕組みを整えたり、マニュアル化したりすることが大切です。新人がどこまで仕事を覚えたか把握する助けにもなりますし、教育係によって言うことが違う、という事態も防げます。新人にとって入社して間もないときに丁寧に研修を受けられることは、慣れない環境での不安を払拭するのに有効。早期の離職を防ぐことにもつながります。また、新人がひと通りの業務に慣れてからは、それぞれのスタッフが仕事のどのようなところにやりがいを感じるかを見極めて仕事を任せていけると、やる気UPにもつながり、定着率をあげるのにも有効です。
■積極的にコミュニケーションをとる
研修と同時にコミュニケーションを怠らないことも非常に重要です。よくあるのが「わからないことがあったら聞いてね」と放置をしてしまうこと。「わからないことがあったら聞いて」と声をかけるのはいいですが、新人は「何がわからないのか」がわからないことも普通ですし、「忙しそうだから話しかけられない」と遠慮してしまうことも多いため、店舗側からも積極的にフォローしコミュニケーションをとるようにしましょう。■労働環境や店の雰囲気作りを行う
普段から労働環境を整え、店の雰囲気作りを心がけておくことも必要でしょう。「休憩が取れない」「残業が多い」などの職場環境から離職につながることもあるので、休憩や勤務時間については法令遵守が基本。また、新人に限らずスタッフ同士がフォローしあえるような雰囲気作りを社員が率先して整えるようにしましょう。忙しい年末商戦が落ち着いたら、慰労会などでスタッフを労うのもよさそうです。スタッフの定着率を上げるためのポイントは、どれも難しいことではありませんが、忙しいとついおろそかになりがちなことかもしれません。人手不足が続けば店舗の売り上げや運営にも影響してきますので、ぜひ採用やスタッフ育成の際には意識をしてみてください。
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