
画像素材:PIXTA
「ペルソナ」とは?
ペルソナとは主にマーケティングで使われる言葉で、商品やサービスを利用する典型的な顧客モデルのことをいい、顧客のニーズを満たす商品やサービス作りに活用されています。年齢、職業、年収、家族構成、趣味、性格などを詳細に設定して、作り上げた架空の人物像がペルソナです。似た概念にターゲットがありますが、ターゲットは「東京で働く20代男性」のように幅広いのに対して、ペルソナ設定では一人のリアルな人物像まで作り上げてそれをユーザーの指標とするのが違いです。
採用活動におけるペルソナ設定のメリット
採用活動におけるペルソナは、自社が採用したい人物像です。ペルソナの設定を行うと、経営陣、現場、人事部など社内で採用したい人物像のすり合わせができるので、現場が欲しい人材や会社の将来に必要な人材に絞って採用活動ができます。設定したペルソナを求人票にきちんと反映できれば、企業がどんな人材を求めているか、さらに仕事内容などを求職者にイメージしてもらいやすくなります。採用側だけでなく求職者にとってもメリットがあり、結果的には入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
ペルソナ設定のポイント
■手順1:採用したい人材要件を明確にする
求める業務スキルや経験、適性などの要件、年齢、性別、学歴、年収、趣味、価値観、人柄など、理想とする人材の要件を出していきます。経営陣と現場担当者などで一緒に行うのが理想ですが、難しければ事前に双方のヒアリングをしておきます。■手順2:具体的な人物像を作る
1で作成したリストをもとに特定の人物を作り上げていきます。例えば、「副店長を務めて1〜2年経過。飲食店で店長を目指したいが会社の給与体系に不満があり(年収380万円)、転職を考えている東京在住の30代前半既婚男性」などです。さらに、趣味や人柄など細かな特徴までをイメージして、人物像を作りましょう。また、このときに求める要件の優先順位を確認し、必須で求めるものは明確にしておきましょう。
■手順3:社内でのすり合わせや調整
経営陣と配属予定の部署など、担当者内で作り上げたペルソナを確認。ズレや見直したい部分があれば調整していきます。ちなみに、手順1〜3を繰り返し行うことができれば、求める人物像をより明確にできます。ペルソナを求人票に落とし込む
まずは設定した項目を募集要項として記載します。このとき注意したいのが、ペルソナはあくまでペルソナであり、ぴったり一致する人物を採用する必要はないという点です。募集要項であまり細かく条件をつけてしまうと、思うように応募者が集まらなくなってしまう可能性があります。さらにペルソナに近い人物が応募したくなるように、企業や店舗の魅力をアピールしましょう。例えば、ペルソナが前述した「副店長経験があるが給与体系に不満をもつ30代前半男性」であれば、「店長を目指したい人歓迎!がんばりは給与でしっかり還元します!」「能力がきちんと評価される会社です」などです。
採用活動の際、多くの店や企業で、採用したいターゲットを決めるところまでは行っていると思いますが、ペルソナ設定まで行っている店や企業はあまりないかもしれません。「欲しい人材が採用できない」「採用はできるが定着率がよくない」という場合は、試してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
■ 飲食店の採用活動に有効な「採用マーケティング」とは? 導入方法とメリットを知ろう■ 飲食店スタッフの採用には「採用基準」が大切。自店にぴったりな人材を見つけるコツは?