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「足を運び、自分の目で見て納得する!」 (第4回)

焦りは禁物の物件探し


 物件探しは時間がかかる。不動産業者に物件を紹介してもらい、それを現地に見に行くことを繰り返すうち、最初あったはずの情熱よりも、焦る気持ちが強くなり、冷静な判断ができなくなってしまう人も少なくない。そんなとき、少しでも条件に近い物件が出てくると、多少の妥協をしてでも、急いで契約をしてしまいがちだ。中には、不用意な妥協をしていることにすら気づいていないこともあるのだ。ところが、安易な妥協や確認不足は、あとで大きな痛手となって返ってくる。今回は、後悔しないために物件契約前の確認しておくべきことを3つに分けて整理しよう。

物件の特性を見る


 まずは、その物件の広さや天井の高さなど、物件そのものの特性を知る必要がある。居ぬきであれば、内外装も重要なポイントとなるだろう。
店舗は、デザイン次第でどんなイメージにもできるが、広さや地型、天井の高さによって、細かい制限が出てきてしまう。吊り下げ式の照明を使いたいと思っても、天井の高さが低ければ、お客が頭をぶつけてしまう。数字の上では十分な広さがあっても、実際に見ると、梁が大きく出ているなど、使い勝手が悪いものもある。
また、居抜きの場合、できるだけ内装を生かし、初期コストを抑えるためには、十分なチェックが必要だ。特に、厨房機器や排煙設備など、すでにあるものが使えないとなると、いったん取り外してから設置する。これは、最初から作る以上にコストがかかることを理解しておきたい。居抜き物件は、設備や機器類はすべて中古で買い取るのだから、入念なチェックをするのは当然のこととなる。
また物件は、一般的には1階で間口の広い物件がよいが、そのようなものはなかなか手ごろなコストでは見つけにくい。大きな扉をつけたり、全面ガラスを配することである程度の開放感を確保できるが、物件そのものが奥まった場所にあり、通りから見えない場合にはそれらの工夫をしても生きてこない。通りからの距離や見え方にも注意を払いたい。また、地下や2階店舗であれば、専用階段があるなど、利用しやすい印象を与えるものが望ましい。

制限の有無は念入りに確認


 次に、その物件の付帯条件と周辺環境を確認する。付帯条件とは、業種の限定の有無はもちろん、営業時間の限定につながる規制がないか、壁面へのサイン(看板類)の取り付けが認められているかなど、さまざまなものがある。特にサインは、店の存在をアピールする最大の要素となるため、これに制限があるのは厳しい。個人オーナーが所有するビルの場合、大きな看板の取り付けに難色を示したり、大きなビルや地域特例で看板の色や形に規制があることもあるため、十分に確認をしておきたい。
また、周辺環境も十分に確認する。たとえば、焼き鳥屋など、煙が出る業種では、それが原因で近隣の住民からクレームがつくことも少なくない。中には、裁判にまで発展するケースもある。それを避けるため、ダクトの排気口をビルの屋上まで伸ばしたり、性能のよいものを取り付ける必要がある。これでは余計なコストがかかってしまうので、事前に周辺環境を確認し、排気口の場所を考えておくことが重要となる。また、においの問題も同様なので注意したい。

何度も足を運ぶ


 さらに、立地についても十分に調査する必要がある。個人での出店の場合、できるだけコストをかけないのが安定経営の基本となる。そのため、駅前の路面店へ出店するのではなく、駅近物件の地下や2階店舗、駅から住宅地への途中などへの出店を考える方が無難だ。
特に駅から離れた場所への出店の場合、単に「大きな道路に面している」というだけで立地の善し悪しを判断するのは非常に危険だ。地域にはそれぞれの特性があり、たとえ大きな通りがあってもそれを利用せず、多くの人が裏道を好んで利用しているケースもある。また、昼と夜ではまったく人通りの違うこともあるので、自分が営業したい時間帯に何度も足を運び、自分の目で人の流れを確認する必要がある。一見、路地裏の閑散とした通りにある寂しい物件でも、夕方の帰宅時間になると人通りが多くなり、十分商機があることも少なくない。裏道を歩いていると、「こんなところに店があって、やっていけるのか……」と不思議に思うことがあるだろう。それらは、このようなケースが多い。逆に、乗降客数の多い駅から徒歩1分の物件でも、人通りがほとんどないところもある。
不動産業者から与えられる情報は、その地域全体の大まかな情報であることが多く、傾向にしかすぎない。具体的に、この物件はどうだというピンポイントの情報ではない。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、自分で納得して動くことが大切なのだ。

■コラム
最終判断は自分自身で

 開業のとき、専門家のサポートが欲しいとコンサルタントにアドバイスを求める人も多い。もちろん彼らは専門家であり、有益な助言を多くしてくれるが、最終判断をするのはあくまでも自分自身。なぜなら、店舗の経営責任は、オーナーがすべて負わなければならないからだ。そのため、成功しているオーナーの中には、「コンサルタントに反対された物件でしたが、うまくいきました」という人も意外にいる。
都内でイタリアンレストランを経営する青年もその典型的な例。駅から5分以上の住宅地の片隅。うす暗い通りの地下物件は、「絶対に成功はない」と言われた物件だったが、それだけに保証金も家賃も手ごろだった。オープンから3ヵ月。店はリピーターがつき、予約がいっぱいの店になった。商売をする上で一番大切なのは、オーナー自身の「努力と根性」ということだろう。

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