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「アイデア勝負で弱点を個性に変える。発想転換で作る自分の城。」 (第14回)

自由な発想から生まれる個性


飲食店はスタイルに縛られない。
非常に自由度が高く、個性を発揮しやすい業種だといえる。
あなた自身も、自分で開業しようとした時点で、個性あふれる自分の城をイメージしているだろう。

不動産屋に行けば、たくさんの物件情報があるが、中には、飲食店が手を出さないような物件もある。「狭い」、「古い」など、その理由はいろいろあるが、あえてそういった物件で飲食店を開くことで、他の店にはない個性を持った店を作ることができる。
今回は、そういった逆転の発想から生み出す物件探しについて考えていきたい。


工夫次第で弱点を特徴に


店に個性を出そうとすると、内装デザインにオリジナリティを求める。
そのため、デザインしやすい物件を探す傾向にある。
すでにいくつかの飲食店を開業させている事情通の人やコンサルタントなどは、一定の基本条件を満たさない物件は「検討の余地なし」と目もくれない。

例えば古い物件は天井が低いものが多い。これはデザインも制限されるし、狭苦しい印象を与える。広々とした空間でリラックス感や優雅さを演出する最近の流れの中では、天井が低いのは致命的な悪条件。そのため、「飲食店には不向き」との烙印を押されてしまう。

ところが、逆を言えば、天井の低い飲食店は極端に少ないことを意味する。これを上手に生かすことができれば、個性的な店作りにつながる。
例えば、昭和の時代の雰囲気を前面に押し出し、まるでタイムスリップしたかのような演出をすれば、天井の低さは違和感がなくなる。
むしろ、それがひとつのポイントとなるだろう。

また、全体を小さい個室にすることで、狭さを居心地のよさに変えることもできる。
仲間が集う隠れ家的なスペースを演出するのだ。
もちろん、デザインにアイデアは必要だが、ちょっとした工夫で弱点を個性に変えられる好例だろう。


物件の特徴はそのままに


もっと極端な例を挙げよう。
元々、まったく違う用途に使われていた物件を改装し、飲食店にしてしまうケースだ。
例えば、昔ながらの日本家屋を利用したり、古い蔵を借り、その雰囲気をそのまま生かした店作りをすればコストをかけなくても十分個性的な店舗が作れる。

昭和の雰囲気は、中高年には懐かしく、若年層には新鮮な印象を与え、ちょっとしたブームになっている。
ターゲットとなる年齢層が広いブームは息が長く、単なる一時の流行に終わらず、定着するケースが多い。
昭和ノスタルジックな店作りは、今だからこそチャレンジすべき時なのかもしれない。
こういった物件は、元の建物の特徴をそのまま生かすことで味が出てくる。
大きな大黒柱や木材でつくった張りは残すようにするとよいだろう。
昔はごく普通に使われていた大きな木の建材も、今は高価で入手困難で、あまり目にすることはない。これらの存在感は顧客の心に大きな印象として残るだろう。

また、古い木の微妙な色や香りは、人工的に作るのは難しい。どうしても本物の持つ、独特な風合いは出せないため、これらは有効に使うべきだろう。
他にも大型倉庫やコンテナを改装した店舗作りをして成功している例もある。これらも、元の特徴を活かしつつ、斬新なアイデアで個性を出す、絶妙なバランス感覚が重要となる。

これらに共通しているのは、取得コストや家賃が、他のものに比べて低く抑えられることにある。安定した経営のためには、コストを最小に抑えることが絶対条件となる。多少不利な部分があっても、その不都合を超えるコストカットができるのであれば問題ないだろう。


細心の注意も必要


ただし、こういった物件で店舗を作る際には、他の物件以上に注意が必要だ。当然ながら、厨房となるべきスペースには防水加工を施し、排水設備を整えなければならない。
客席部分は昔の雰囲気を残し、そのまま活用しても、厨房は他の物件以上に造作にコストがかかるケースも少なくない。
ここで不用意にコストを削減したために、保健所の営業許可が下りないことや耐久性に問題が残るケースがあるので十分に配慮したい。

また客席部分の耐久性も確認が必要だ。物件によっては、それまでとは比べ物にならないような重量がかかってしまったり、振動が発生することになる。
十分な耐久テストをしていなければ、重大な事故の原因になることもある。

また、一時期は列車コンテナなどを使って、ローコストの店舗作りがもてはやされた。
特に絢爛豪華な造りの店舗が乱立したバブル期を終え、日本全体が再起に向かって重い腰を上げたころには、『コストをかけなくても、十分いいものが作れる』ということを実現することが美徳だったが、不景気が続く最近では、あまりに安っぽい作りのものは敬遠される傾向にあるため、安っぽい印象を与えないように注意したい。


[コラム]

「こだわりがオンリーワンにつながる面白さ


店舗以外の用途に使われていた物件を飲食店として再利用する手法は、最近できたものではない。有名レストランの中には、過去に洋館として使用していた建物を利用しているものもあり、独自の景観をたたえている。ただ、最近の傾向として特徴的なのは、「飲食店としては使えそうにない物件」をアイデアとこだわりで作り変えているところにある。

例えば、古くからの建物を利用することはこれまでもあったが、ごく普通の一軒家をそのまま利用しているケースはなかった。
長年使われてきた生活スペースをそのまま活用することで、この上ないアットホームな印象をかもし出すことができる。

実際に、客席に使う家具や食器もすべて業務用ではなく、ホームユースのものを使い、手作りの飾りを配し、徹底して家庭的な雰囲気の再現に努め、人気となっているカフェもある。
深く考えずにやってしまうと単なる時代遅れでも、徹底してこだわることで、他にはない個性となり、ファン作りにつながる。自分らしさを追及し、オンリーワンの店を作るように努力を怠らないことが重要だろう。

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