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背伸びしないでスタートする。二等地物件への開業 (第22回)

【立地よりも価値観で選ぶ新スタイル】

今、外食を取り巻く環境が大きく変化している。食品を中心とした様々な生活物品の値が上がり、日々の生活だけでなく、将来に不安をもつ人が急増している。一方、生活は多様化し、プライベート重視の傾向が強くなっている。自分独自の価値観を大切にし、お金の使い道にもこだわりをもつ。不景気感が強い現在では、ますますこの傾向は顕著になっている。単に安い店は利用せず、価格と内容を冷静に比べて値打ち感のある店を好む。
立地面で優位で利用しやすい場所にあること以上に、自分がその店を気に入るかどうかが優先され、これがクリアできれば店の場所に関係なくお客は何度も足を運ぶ。“知る人ぞ知る名店”や“隠れ家バー”がもてはやされるのはこのためだ。多種多様な価値観を持った人がたくさん集まる大容量な空間より、同じものを求める仲間が集うプライベートスペースに自分の居場所を求めるのだ。ちょっとしたこだわりが居心地のよさにつながり、お客の価値観をくすぐり、安定した売り上げにつながる。これをきちんと理解していれば、立地の悪さを逆手に取ることも十分可能なのだ。
今回は、こういった二等地、三等地にある物件の見つけ方について考えてみたい。

【幹線道路ではなく生活道路を選ぶ】

物件を探すときに一番のキーになるのは物件取得費。多くの人が物件探しに苦労するのは、自分が準備できた資金の中で、できるだけいい条件の物件を探そうとするから。物件探しをしたことがある人であれば、「もう少しお金があれば…」と思った人は多いはずだ。
人通りの多い繁華街や駅前の好立地は、保証金が驚くほど高額だ。保証金は、何の利益も生まないコストであり、利益につながる資金を減らすことになる。そのため、これは可能な限り低く抑えたい。
さらに、こういった物件は月々の賃料も高い。安定した店舗経営を実現するためには、できるだけ固定費を抑えておくことが絶対条件だ。
「ちょっと家賃が高いけど、気に入ったから、まぁ大丈夫だろう」と安易な考えは、毎月自分の首を絞めることになるので避けたい。そう考えると、安定経営のためには、駅から距離のある物件を探すのが賢明ということになる。
ここでポイントとなるのは、どこを選ぶか。どうしても名の知れた道路に面した物件を選びがちだが、これは安易な判断。一見すると通過する車が多いが、そこに飲食店を求めている人は少ない。また、顧客となるべき生活者は、案外その道を利用していない。
物件は駅から住宅地の間の生活道路に面したところを探したい。通勤や買い物に、日常的に利用する生活道路は、意外に細かったり、奥まったところにある。日中は閑散としていても、朝や夕方になると人であふれていたりする。自分が住んでいる場所であれば、そこを探し出すのは難しいことではないが、そうでない場合、自分が営業を考えている時間帯に足を運び、確認する必要があるだろう。

【説明しやすい場所でアピール】

ひとくちに路地裏や二等地と言っても、その条件はさまざまだ。忘れてはいけない条件のひとつに、説明しやすい場所であることが挙げられる。住宅地近くの物件は、クチコミでの客数増加が一番期待できる。『○○を目印に1本目を右に入ったところ』などと伝えやすい場所の方がこの効果が大きい。また、遠方から『店に行きたいんだけど』と連絡があったときにも、住所以外に目印があった方が親切だ。「近くまで行ったけど見つけられなかった」ということのないようにしたい。
そして店の存在をアピールできるかどうかも重要だ。看板も出さず、ひっそりと常連客だけを相手にする店舗もあるが、最初からそんな店を持つのはあまりにもリスクが多い。まずは、できるだけ多くのお客に利用してもらうためにも、大通りに看板を出せるなど、まずそこに店があることをわかってもらえるような工夫ができるところを選ぶ。そのためにも、メインの通りから2回曲がるところは不利と言われる。せっかく看板を見て、脇道に目をやっても、肝心の店が見えないのでは意味がない。多少距離があっても、『ここに店があります』と主張できる物件を選びたい。奥まったところにある店舗は、「通りがかって見つけた」ということも期待できない。立地の不利を挽回する方法をできるだけたくさん持っておくことが成功の秘訣となるのだ。
立地が悪いというデメリットは、固定費が安いというメリットに直結している。経営はバランスが重要といわれる。デメリットをメリットでカバーし、長く前進し続ける方策を持つことが、経営者として成功する最大の秘訣といえるだろう。


コラム

【究極のコストカット、マイホーム開業への挑戦】

開業時のコストカットとローリスクを求めていくと、自宅での開業に行きつく。敷金・礼金がなく、毎月の家賃もない。自宅を店舗に改装するのは難しいと思われがちだが、物件を借りて改装をするのに比べれば、実はずっと費用が安く済む。立地が悪く、来客数が少なくても、損益分岐点が低い分、経営的には成り立つ。仮に閉店という選択をすることになっても、資金的に苦しければ、すぐに原状復帰する必要もない。
また、時間的な優位もある。子供の世話がある主婦や本業を持つ人が、少ない時間を工夫して時間限定の店を作ることもできる。
自宅の庭に小さなプレハブを建てて早朝からパンを作り、玄関先で朝から昼過ぎまでパンを販売。子供が帰宅する夕方以降は家事をするというスタイルで実績を作り、子どもの独立とともに店舗を構えたベーカリーの例もある。週末を利用して、自宅レストランを開業し、料理の腕を上げながら開業の機会を待ったサラリーマンもいる。
いきなり店舗をもつ自信がない人や、まずは小さく初めて様子を見たい人、趣味の店としてマイペースに店をやっていきたい人は、ぜひ考えてみたい方法のひとつだろう。



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