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管理体制で違いが出る意外と知らない気になる話 (第40回)

【不動産屋は教えてくれない】

物件を探す中で、ほとんどの方が気にされていないことの一つに、その物件が家主の直接管理か、管理会社に託されているかの確認がある。
多くの不動産業者も、その点がどうなっているかは積極的に話してくれない。
決して隠しているわけではなく、それほど重要視する必要がないため、わざわざ話さない。
 実際、多くの場合それがどちらであろうと、商売に影響があることは少ないのだが、飲食店は他の業種に比べ特殊なことが多い。
この事が思いがけず重要となってくることも少なくない。
 今回は、私の経験談を紹介したい。
これまで、いくつもの店舗に関わってきた中から、特徴的な例を2つ紹介する。


【説得が物を言う直接管理】

 まずは、現在の店舗。ビルをいくつか所有する個人の大家に借りている。
店舗内の多少の変更は大家に伝える必要はないが、共有部分に手を加える時は、必ず連絡をする。
 例えば、携帯電話のアンテナ。
1階の壁面にアンテナを設置し、そのまま線を引き込めば、比較的簡単で安価な工事で済むのだが、大家は壁面に造作物を造るのを好まない。
そのため、アンテナは屋上に取り付ける事になる。設置費用は数倍になるが、目をつむるしかない。
 一方で、個人オーナー故のいい面もある。ビルの中には、この不景気に業績が極端に悪化し、
家賃の支払いが困難になったテナントが出てしまった。
「出ていけ!」と言われることを覚悟で電話をし、事情を話すと「この景気じゃねぇ」と言い「これ以上遅れないように」と言われた。
 結局、滞納した3ヵ月分の賃料約100万円は、電話一本で「業績が回復してから払えばいい」ことになった。
もちろん大家の考えによるのだが、交渉によってその場で決断をもらえるスピーディーさは大きな魅力と言える。


【窮状が伝わりにくい管理会社】

 さて次は、別の店舗のこと。某ファストフードのFC店舗として8年近く、山手通り沿いで営業をしていた。
 大家は個人だったが、隠居して地方に移り住んでしまったため、ビル管理会社が日ごろの管理を行っていた。
山手通りは数年にわたり大規模工事が行われ、店の前と歩道の間に10メートルものスペースが設けられ、工事車が入るなどして、
店の存在すら見えない状況になってしまった。
駅から1分の好立地にも関わらず、店はまったく見えず、常連客にまで「もう店がないと思った」と言われるほどになったのだ。
 そこで工事業者と話をし、上層階の壁面に看板をつけるなど、売上回復のための手立てを打つことになった。
工事完了後は、看板を撤去することにして、管理会社に許可を求めたが、答えはNO。
「現状を見てもらえれば、どれだけ過酷な状況か理解してもらえるはず」と伝え、実際に足を運んでもらったが、
それでも答えは変わらなかった。

半ばキレ気味で理由を問いただすと「大家が決めたルールからはみ出したことは許可できない」と言われた。
つまり、どんなに管理会社に窮状を訴えても、それを許可する裁量権はそこにはなかったのだ。
 そこで、店舗の現状や工事現場の写真を撮影し、説得のための資料を作成。大家に送付すると、すぐに許可がもらえた。
 管理会社と大家との間では、管理基準が設けられ、それを超えた判断は勝手に行わないことになっている。
大家の判断を必要とするケースは、管理会社が説明をすることになっているが、口頭での説明であり、
現状を目にしない大家は許可しないことも多い。
どんなに管理会社を説得しても、その必死さは伝わりにくいのが現実だ。
 飲食店は、近隣店舗や住民とのトラブルが起こりやすく、予想外の故障や不具合も発生しやすい。
また、開業後にたくさんの変更を加える可能性も高い。
 売上げに直結することだからこそ、スピーディな対応や回答が欲しいのだが、管理者の違いにより、
必要以上に時間を要することや、現状を伝えにくいことを知っておくことも重要だろう。




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