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飲食店では決して起こしてはならない食中毒。1年を通じて注意する必要がありますが、とくに、気温や湿度が上昇する梅雨から夏にかけて、食中毒のリスクが高まります。そこで今回は、食中毒予防の原則をもとにした衛生管理の方法と、衛生管理に必要な器具や消耗品を紹介します。
細菌が増殖する他の要因として、栄養分と水分が挙げられます。食品やそれに付着した汚れは、細菌の良い栄養源になります。そのため、調理器具やシンクなどの水回りは、食品の汚れをしっかり取り除き、水分を残さない衛生管理が必要です。
■細菌やウイルスを「つけない」
食材や調理器具に細菌やウイルスをつけないために、最も重要なのは「手洗い」です。調理前や、生の肉・魚・卵などを扱った後には、必ず手を洗いましょう。石けんを使い、2度洗いするのが効果的です。その際、爪の中までしっかり洗いましょう(爪ブラシは個人専用にするか、使い捨てを使用しましょう)。
とくに夏場は、手指を介した「黄色ブドウ球菌」による食中毒が多くなります。手に傷があると黄色ブドウ球菌が増殖しやすいため、食材に直接触れず、使い捨て手袋などを着用しましょう。また、魚、野菜、果物などは、調理前に流水でよく洗います。
花王 C&C F1 薬用ハンドウォッシュ
PP 爪ブラシ No.250 グリーン
ショーワ ビニトップ 薄手手袋
生の肉や魚を扱う際、他の食材と調理器具を使い分けることは非常に重要です。たとえば、鶏肉はサルモネラ菌やカンピロバクター、牛肉や馬肉はO157、魚介類は腸炎ビブリオなどに汚染されている可能性があります。生肉を切った後、そのまま食べる果物や野菜などを同じまな板や包丁で切るのは絶対にやめましょう。まな板や包丁は、食品ごとに使い分けられるよう色分けされたものがおすすめです。
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K型オールカラーまな板ブルー
抗菌カラー包丁 牛刀
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冷蔵庫の管理も重要です。特に多くのスタッフが触る取っ手やドア、棚などは毎日清掃しましょう。中性洗剤を含ませたダスターで拭いた後に水拭きし、さらに除菌スプレーで消毒します。肉や魚を冷蔵庫で保管する際は、ビニール袋や密閉容器に入れ、他の食品にドリップ(肉汁など)が付かないようにしましょう。
洗浄除菌剤 ワサガード液体 5L詰替用 XWS06005
ノロスター VGクリーナー(除菌・ウイルス洗浄剤)
■細菌を「増やさない」
細菌を増やさないためには、食材の温度管理が重要です。多くの細菌は約20℃で活発に増殖し始め、約35℃で最も増殖します。食品を常温で解凍・放置するのは避けましょう。加熱調理した食品も、鍋に入れたまま室温で放置するのは危険です。素早く粗熱を取り冷蔵保管するか、65℃以上で保温しましょう(※75℃は加熱殺菌の温度。保温は65℃以上が目安)。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持します。庫内温度計を設置し、定期的に温度をチェック・記録しましょう。
パイロフラム オーバル・ココット3.5L P50A000/5043 API1401
ざるコン角 ZC-2 14.0L AZL09
冷凍・冷蔵庫用温度計 No.5497 BOV40
■細菌やウイルスを「やっつける」
肉や魚など加熱調理する食品は、中心部まで十分に加熱しましょう。目安は中心温度75℃で1分間以上(または同等の効果を持つ条件)です。特にレバーや豚肉、ジビエなどは、生焼けにならないよう注意が必要です。ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などの場合は、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。低温調理でも、中心部まで規定の温度・時間で加熱することが必須です。
防水ペン型温度計 CT-419WP
防水温度計 CT-500WP BOVM501
調理器具も細菌が増殖する温床になります。使用後すぐに中性洗剤と流水でよく洗います。肉や魚の調理に使った調理器具などは、塩素系漂白剤や熱湯で消毒しましょう。その後はしっかり水気を切って乾燥させることが重要です。
ニイタカ ブリーチ(除菌・漂白剤)
ライオン ニューブリーチ 5kg(塩素系・除菌漂白剤) JSV9302
細菌性食中毒の発生が増えるのは、6月から8月にかけてです。1年を通した衛生管理はもちろんですが、特にこの時期は、改めて予防策を徹底しましょう。
飲食店ドットコム 厨房備品ECでは、消毒・アルコール関連商品、マスク・手袋などをはじめとした洗剤・清掃・衛生管理用品や、飲食店専門の料理道具、カトラリー用品、食器・皿・グラスなどを多数取り揃えています。
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夏に注意するべき食中毒の原因とは?
食中毒の原因となるのは、細菌とウイルスがあります。その中でも夏にリスクが高まるのがカンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌O157など細菌による食中毒です。細菌は温度や湿度などの条件が揃うと食品中で増殖し、その食品を食べることで食中毒を引き起こします。多くの細菌は、20℃~50℃で増殖し、35℃前後で最も活発に発育します。細菌が増殖する他の要因として、栄養分と水分が挙げられます。食品やそれに付着した汚れは、細菌の良い栄養源になります。そのため、調理器具やシンクなどの水回りは、食品の汚れをしっかり取り除き、水分を残さない衛生管理が必要です。
食中毒予防の原則と衛生管理の方法
細菌性とウイルス性の食中毒予防では、重点が若干異なります。細菌性は「増やさない」、ウイルス性は「持ち込まない・広げない」ことが大切です。他の原則は共通しているため、ここでは細菌性の食中毒予防原則を中心にまとめます。■細菌やウイルスを「つけない」
食材や調理器具に細菌やウイルスをつけないために、最も重要なのは「手洗い」です。調理前や、生の肉・魚・卵などを扱った後には、必ず手を洗いましょう。石けんを使い、2度洗いするのが効果的です。その際、爪の中までしっかり洗いましょう(爪ブラシは個人専用にするか、使い捨てを使用しましょう)。
とくに夏場は、手指を介した「黄色ブドウ球菌」による食中毒が多くなります。手に傷があると黄色ブドウ球菌が増殖しやすいため、食材に直接触れず、使い捨て手袋などを着用しましょう。また、魚、野菜、果物などは、調理前に流水でよく洗います。



生の肉や魚を扱う際、他の食材と調理器具を使い分けることは非常に重要です。たとえば、鶏肉はサルモネラ菌やカンピロバクター、牛肉や馬肉はO157、魚介類は腸炎ビブリオなどに汚染されている可能性があります。生肉を切った後、そのまま食べる果物や野菜などを同じまな板や包丁で切るのは絶対にやめましょう。まな板や包丁は、食品ごとに使い分けられるよう色分けされたものがおすすめです。





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■細菌を「増やさない」
細菌を増やさないためには、食材の温度管理が重要です。多くの細菌は約20℃で活発に増殖し始め、約35℃で最も増殖します。食品を常温で解凍・放置するのは避けましょう。加熱調理した食品も、鍋に入れたまま室温で放置するのは危険です。素早く粗熱を取り冷蔵保管するか、65℃以上で保温しましょう(※75℃は加熱殺菌の温度。保温は65℃以上が目安)。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持します。庫内温度計を設置し、定期的に温度をチェック・記録しましょう。



■細菌やウイルスを「やっつける」
肉や魚など加熱調理する食品は、中心部まで十分に加熱しましょう。目安は中心温度75℃で1分間以上(または同等の効果を持つ条件)です。特にレバーや豚肉、ジビエなどは、生焼けにならないよう注意が必要です。ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などの場合は、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。低温調理でも、中心部まで規定の温度・時間で加熱することが必須です。


調理器具も細菌が増殖する温床になります。使用後すぐに中性洗剤と流水でよく洗います。肉や魚の調理に使った調理器具などは、塩素系漂白剤や熱湯で消毒しましょう。その後はしっかり水気を切って乾燥させることが重要です。


ウイルスを持ち込まない、広げない
ノロウイルスなどによる食中毒は、特に冬場に多いですが、1年を通して発生します。たとえば、ある飲食店では春先にノロウイルスによる食中毒が1か月に2回も発生し、営業禁止となりました。従業員による「持ち込み」が原因とされています。下痢や嘔吐、発熱などの症状があるスタッフは出勤させず、医療機関を受診させることが重要です。普段からの健康管理と報告体制の構築も欠かせません。細菌性食中毒の発生が増えるのは、6月から8月にかけてです。1年を通した衛生管理はもちろんですが、特にこの時期は、改めて予防策を徹底しましょう。
飲食店ドットコム 厨房備品ECでは、消毒・アルコール関連商品、マスク・手袋などをはじめとした洗剤・清掃・衛生管理用品や、飲食店専門の料理道具、カトラリー用品、食器・皿・グラスなどを多数取り揃えています。
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