集客、人手不足、無断キャンセルなど飲食店経営者の悩みを徹底分析! 解決策も紹介

2019年1月11日

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毎月のように新たな店舗がオープンする飲食業界。その反面、閉店を余儀なくされる店舗も少なくない。競争が激しい業界を生き抜くため、集客や人材不足といった悩みに頭を抱えている飲食店経営者も多いことだろう。そこで今回は、これまで飲食店.COMが集めたデータを基に「飲食店経営者の悩み」にまつわる話題を分析。リアルな飲食店経営者の声とともに飲食店経営の悩みを紐解いていく。

悩みは「集客」「人材」がキーワードに


まずは、飲食店経営者がどんな悩みを抱えているのか見ていこう。「飲食店経営者における悩みや課題」について尋ねたところ、最も多かったのが「集客」という回答だ。赤字店は特に顕著で、9割以上の店舗が同様の悩みを抱えている。これを解消するのは難しいが、SNSを活用した情報発信やスタンプカードの導入など、自店舗の個性が出せる集客術を上手く取り入れ売上アップを図ってみるのも良いだろう。


一方、「人材の採用」や「人材の教育」といった「人材」にまつわる悩みは、赤字店だけでなく黒字店にも共通する。人手不足が慢性化している飲食店も少なくない。しかし、対策に乗り出している飲食店もまた増えており、例えば既存スタッフから人材を紹介してもらう「リファラル採用」を導入するという声も見られた。さらに2019年は、外国人労働者の受け入れを広げる改正入管法が施行予定となっている。人材不足に悩んでいる店舗は、これを機に外国人スタッフの採用を検討してみるのも一つの手だろう。

また、赤字店舗では黒字店に比べ「資金繰り」や「客単価の向上」といった売上に直結する回答が目立つのも特徴だ。「客単価の向上」に関していえば、黒字店では以下のような施策を打ち出している店舗もある。客単価を向上したい赤字店舗は参考にしてほしい。

「希少価値の高い食材選びをすることで他店との差別化を進め、集客と客単価アップに繋げている」(東京都/フランス料理)

「早過ぎず遅過ぎないタイミングで追加ドリンクを促す。客がもう一品欲しい時に手軽にオーダー出来るように低単価商品を充実させている」(東京都/イタリア料理)

国も動き始めた、予約キャンセル問題


飲食店経営者の悩みといえば、「予約キャンセル問題」もその一つだろう。ネット予約が普及したことにより予約が取りやすくなった反面、無断で予約キャンセルを行う客が目立つようになってきた。ネット予約における課題について尋ねた過去のアンケートでも、約5割の飲食店が「キャンセルやノーショウが多い」と感じている(とても思う:17.4%、やや思う:38.4%)。


こうした飲食店の声に対し国も関心を持っており、2018年11月には経済産業省が「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」を発表。同レポートには、話題となったキャンセル料の請求にまつわる事柄だけでなく、ITを活用した無断キャンセルへの対応策なども盛り込まれている。無断キャンセルに悩む飲食店経営者は、一度チェックしてみると良いだろう。今後も官民が連携して予約キャンセル問題に取り組んでいくと見られ、その動向に注目だ。

集客を左右する「立地」の悩み


飲食店最大の悩みである「集客」を左右する問題といえば「立地」。お店の立地について尋ねたアンケートによれば、約4割の飲食店が店舗の立地に何らかの不満を抱えているという。


では、どんな不満を抱えているのだろうか。理由を尋ねたところ、最も多かったのが「通行量が少ない(59.8%)」という回答。次いで、「視認性が悪い(47.1%)」「賃料(坪単価)が高い(40.2%)」と続く。店の立地は、一度店を構えたら変えることが難しいもの。店舗探しをしている方は、事前にリスクを減らすためにもしっかりと立地調査を行ってほしいところだ。


とはいえ、すでに現在の立地に何らかの不満を抱えている飲食店も多いだろう。ここからは、立地の弱点に対し対策を取っている店舗のリアルな声を紹介する。

通行量が悩みという店舗では、「ネットを活用して集客する」(東京都/ダイニングバー)他、チラシ配りやポスティングなど、店の認知度を上げるための施策をとる飲食店が多いようだ。デジタルだけでなくアナログ的な対策も視野に入れつつ、店に合った方法を選択してほしい。

一方視認性が悪い店舗では、看板などで店の存在をアピールするという対策以外にも、「リピートしてもらえるように、一度来店してくれた客を大事にする」(東京都/居酒屋・ダイニング)といったリピート客への対応を強化するという声も。その他、家賃が高い店舗では売上アップを図るための施策を打ち出すなど、立地の弱点を克服するため様々な施策を講じている店舗の声が聞かれた。

さて今回は、飲食店経営者が抱える悩みを分析とともに、その対応策についても紹介した。飲食店を運営していれば、誰もが多かれ少なかれ悩みを抱えるもの。少しでも当てはまる内容があれば、今回ご紹介した対応策を参考にし、悩みを解決へと導いてほしい。

<調査結果引用元>
「飲食店経営における悩みや課題」に関するアンケート調査
「飲食店におけるネット予約の導入状況」に関するアンケート調査
「店舗の立地」に関するアンケート調査

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