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「M&Aアドバイザー」とは? 飲食店M&Aのスペシャリストに聞くサービスや依頼方法
2019年06月03日
M&Aを検討する際、はじめての場合は特に、どのように進めて良いかわからないこともあるでしょう。そんなときに、M&Aについて適切なアドバイスをしてくれたり、その進行をサポートしてくれたりするのが「M&Aアドバイザー」です。今回は飲食M&Aのスペシャリストである株式会社ウィット 代表取締役 三宅宏通氏に話を伺い、M&Aアドバイザーの具体的なサービス内容や、依頼する際のポイントなどを聞きました。
――まず、M&Aアドバイザーはどんなサービスを提供してくれる存在なのでしょうか?
本来、M&AアドバイザーはM&Aプロセスのディレクション業務の一旦を担うのが仕事です。案件をマッチングする場合であれば、基本的にはお客様のニーズに沿って行われます。その際、お客様が気づいていない、潜在的なニーズを顕在化できるのがM&Aアドバイザーです。
ただ単に、お客様が口にするニーズを基にディレクションを提供するだけでは、M&Aアドバイザーとはいえません。プロジェクトを遂行するためには、お客様と二人三脚で臨み、過去の実例や経験をもとに、最大限情報提供できるようにすることが重要です。
――M&Aアドバイザーには、具体的にどんなサポートをしてもらえるのでしょうか?
一般的なサポート内容は、大きく3つに分類できると思います。1つ目は売却ニーズを把握し、案件資料を作成すること。この際、お客様が買い手の場合は案件情報を持ち込みます。弊社の場合、M&Aの案件は非公開で手続きが進みますが、売り手の方でも買い手の方でも、最初に個別相談を受けていただいています。相談は無料です。
2つ目はM&Aプロセスが順調に進むように、スケジュールを管理し、ディレクションします。弊社の場合は、飲食店のM&Aに特化した知識と経験を活かし、細かな現場にも対応できるサポート体制ができています。
3つ目のサポートは、案件のマッチングの際の想定リスクとポジティブ要因を提示して、お客様がより経営判断しやすい環境を整えます。弊社の場合は、ポジティブ要因や想定リスクの提示だけではなく、将来を見据えた今後の提案もするようにしています。
――自店だけでM&Aを進めることも可能ですが、あえてM&Aアドバイザーに依頼することのメリット、デメリットについても教えてください。
おっしゃる通り、必ずしもアドバイザーを頼らなければならないというわけではありません。しかし、前に述べたように、潜在的なニーズに当事者自身が気づくのは稀です。
第三者の助言、即ちアドバイザーの意見がM&Aの取り組みに功を奏すことは多々あります。売り手と買い手の利害関係が一致することはほとんどないですから、当事者同士だけでフェアな関係性を保ちつつ交渉を進めることは、なかなか難しいことだと思います。さらに、M&Aの専門的なプロセスを当事者だけで進めて行くとなると、ますます困難を極めてしまうこともあります。
デメリットを挙げるとすれば、費用のことが考えられますね。M&Aアドバイザーに依頼すれば、もちろんコストがかかりますので、コスト面、また案件の大小も踏まえつつ選択することをおすすめします。
――M&Aアドバイザーに依頼する場合、どのように選ぶのが良いのでしょうか?
お客様が売り手でも買い手でも、経営戦略という重要な課題のサポートをするのがM&Aアドバイザーの仕事です。仮にクライアントが売り手であれば、正確にそして、いかに案件に魅力があるかを買い手に伝えなくてはなりません。そのためには、プレゼンテーション能力の高さも求められ、さらに売り手の業種特性や事業内容にも精通していることが望まれるわけです。
M&Aアドバイザーには経験値だけではなく、実績があり得意とする業種、得意とする規模があります。契約を結ぶ前によくヒアリングされるのがいいと思いますよ。
――では、最後に、どのような仲介会社が良いアドバイザーといえるのでしょう?
弊社は飲食業界専門のM&A仲介会社ですが、近年はこうした業種特化型のM&A仲介会社が増えてきています。業種特化型の仲介会社は、業界における実績があるのはもちろんなのですが、業界間のネットワークが広いのが特徴です。弊社も、飲食業界には広いネットワークを持っていますし、そのネットワークを駆使して案件成約の後のアフターケアを献身的に行っています。
アドバイザーは、経営戦略という重要な課題をサポートする仕事です。だからこそ、持てる力を最大限駆使し、アフターケアまで手を抜かない人が、良いアドバイザーといえるのではないでしょうか。弊社としては、常にお客様の期待値を超え、魅了し続ける仕事師でありたいと願っています。
M&Aの進行にあたり、M&Aアドバイザーはどうしても必要な存在というわけではありません。しかしながら、アドバイザーがいることで、よりスムーズに効率的にやりとりを進められる可能性は大いにあります。M&Aを行う際は、コストなどを踏まえつつ、アドバイザーへの依頼を検討するのが望ましいでしょう。
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