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飲食店のM&Aのプロに聞く! 売却したオーナーの「その後の人生」

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2026年05月26日

飲食店のM&Aのプロに聞く! 売却したオーナーの「その後の人生」 タイトル画像

飲食店の経営者の「その後」を考える重要性を、飲食店のM&Aを数多く手掛ける株式会社ウィットの正野浩基さんにインタビューする本連載。

第1回から第4回にかけて、売却の相場やリアルな手順、従業員への伝え方といった実務的なテーマを解説してきました。連載の締めくくりとなる特別編(第5回)でフォーカスするのは、「オーナー自身の人生」です。

長年お店を守ってきたオーナーは、売却後、どのような人生を歩んでいるのでしょうか? そして、「自分のお店を今後どうするべきか」と一人で悩む経営者に対して、数多くの案件に寄り添ってきた専門家はどう答えるのか。 株式会社ウィットの正野浩基さんに、飲食店M&Aのリアルな現状と、悩めるオーナーへの熱いメッセージを伺いました。

第1回「飲食店経営者が知っておくべき『4つの出口戦略』とは?プロが教える『閉店・倒産』以外の選択肢」
第2回「『小さな飲食店でも高く売れます!』プロが教える1店舗M&Aの売却相場と、高値がつく店の条件」
第3回「飲食M&Aの専門家に聞く! 飲食店を売却する時のリアルな手順と、失敗のパターンとは?」
第4回飲食店売却時、従業員への伝え方は? 事業承継後の待遇・引き継ぎのリアルを解説(本記事)
第5回 飲食店売却はゴールではなく「新たなスタート」。M&A後の人生パターンと、悩めるオーナーへのメッセージ(本記事)

■PROFILE
正野浩基(株式会社ウィット・シニアアドバイザー)
飲食業界を中心に、中小企業のM&A・事業承継を専門とし、多様な売却スキームの案件に携わり、売主・買主双方の実務支援を行ってきた。これまでに約50案件程の成約実績あり。現場実務に基づいた正確性と、専門用語を噛み砕いた分かりやすい解説を強みとし、M&Aに不慣れな経営者にも理解しやすいコミュニケーションを心がけている。

■株式会社ウィットとは?
飲食・食品に特化したM&A仲介に20年近く従事しており、小規模1店舗案件から大規模多店舗チェーンまで幅広く対応できることが特徴。2018年からは飲食店ドットコムを運営する株式会社シンクロフードの傘下に入り、会員数約30万人以上のネットワークを活かした最適なマッチングによる支援を行っている。

飲食店ドットコムM&Aでは、飲食事業を売却したい方と、譲り受けたい方の出会いから引継ぎをサポートさせていただきます。

目次



「この先も同じ働き方ができるか?」飲食店を取り巻く厳しい現状


── これまで数多くのオーナー様とお会いしてきたと思いますが、最近はどのような理由でM&Aや売却のご相談にいらっしゃる方が多いのでしょうか?

正野氏: やはり、飲食業界を取り巻く環境の厳しさが背景にあるケースが多いですね。昨今、原価はコントロールできないくらい上がり続けています。もちろん家賃もです。人は採用できてもすぐ辞めてしまうし、SNSのちょっとした情報でお客様が来たり来なくなったりと、外的要因に振り回されやすい状況です。

飲食店のオーナー様は、朝から晩まで仕込みから営業まで現場に立ちっぱなしで、とにかく時間がありません。そんな過酷な日々の中でご自身も年齢を重ねていくと、「このままでいいのだろうか」「50代、60代になったとき、同じ働き方ができるだろうか」と、将来への不安を抱き、ご相談に来られる方が増えています。

M&A成立後、元オーナーはどんな人生を歩むのか?


── 実際にM&Aが成立した後、オーナー様たちはどのような人生を歩まれているのでしょうか?

正野氏: 大きく分けると、2つのパターンがあります。

パターン1:売却資金を元手にした「再挑戦」と「原点回帰」

正野氏: 1つ目は、今回の譲渡で得た現金を元手に、もう一度再挑戦する形です。 例えば、ご実家の家業(地方の不動産業)を将来的に継ぐ必要がある方が、東京近郊で経営していた店舗を売却し、数年後に実家のサポートをしながら地元で別の店舗を立ち上げた、というケースがありました。

また、「現実と理想のギャップ」を埋めるための前向きな売却もあります。 本当はこだわった料理を出したいのに、利益を追求するために安売りせざるを得なくなっている方。逆に、高級店をやっているけれど人を雇うことに疲れてしまった方。 そうした方が、一度今の店舗を現金化して区切りをつけ、次は「夫婦だけで小さいお店をやろう」と原点回帰するためにM&Aを活用されることもあります。

パターン2:家族との時間を優先する「リタイア(イグジット)」

正野氏: 2つ目は、ある程度まとまった金額(数億円規模など)で売却し、リタイアに近い形(イグジット)をとるパターンです。 長年第一線で働いてきたからこそ、仕事から離れて、ご家族との時間を大切にしたい、あるいは海外移住をしたいといったライフプランを実現するために、会社をまるごとお譲りするという選択です。

画像素材:PIXTA
【番外編】買い手企業の「雇われ社長」として残る道

── 「お店は売りたいけれど、仕事は続けたい」という方はどうなるのでしょうか?

正野氏: もちろん、M&A後に買い手企業の幹部や「雇われ社長」、あるいは顧問として現場に残り続けるパターンもあります。 これは特にオーナー様の影響力が強くて、「その人ありき」で回っている店舗の場合が多く、買い手としても残っていただいた方が安心されるためです。

逆に規模が大きい法人は、オーナー様なしでも自走できる体制作りをしていることが多く、譲渡後に一定期間の引継ぎのみ行い新しい体制への移行される傾向が強いです。

お金だけじゃない! 屋号と想いを引き継いだ「理想のM&A」成功事例


── 印象的なM&Aの事例はありますか?

正野氏: 昨年担当した、京都・祇園で50年近く続いていた老舗割烹料理店の売却事例は非常に印象的でした。 客単価2〜3万円の高級店で、長年通う常連さんもたくさんいらっしゃる名店です。オーナー様はご高齢で、「お弟子さんに任せるには技術的にも資金的にも厳しい。でも、この屋号は守りたいし、技術も引き継いでほしい」と悩んでおられました。

正野氏: 不動産関係の投資家などから「いつでも買うよ」と声はかかっていたそうですが、オーナー様はお金に困っているわけではなく、「想いを託せる相手」を探していました。

そこで私たちがマッチングしたのが、自社で高級店を複数展開し、事業承継の経験も豊富な企業様でした。このお相手なら、老舗の看板に傷をつけることなく、技術もしっかりと引き継いで運営していけると双方のニーズが完璧に合致したんです。

無事に引き継ぎが終わった後、現在80歳になる元オーナー様から「すごくいいお相手で、この後、人生の余生を楽しめそうです」とわざわざお手紙をいただきました。M&Aが人生を豊かにする選択になった、本当に良い事例だったと思います。

「M&A」「居抜き売却」はどう使い分ける?


── 実際の売却手段についてお伺いします。現在、「M&A」と「居抜き」はどのように使い分けられているのでしょうか?

すぐに現金化したい「赤字店舗」なら居抜きをご提案

正野氏: 一番の分かれ道は「中長期的にどのように運営したいかどうか」です。 例えば、複数店舗を展開していて、1店舗だけ赤字が出ている場合。事業として価値がつけにくい赤字店舗をM&Aの対象に含めると、全体の評価額が下がってしまいます。 そういった場合は、事業価値ではなく「造作(設備等)」の価値として売却する「居抜き」を選び、最短最速で止血(現金化)することを提案しています。

一方で、黒字化できる目処や業態変更の可能性があれば、継続することも視野に入れて今後について話し合うようにしています。

秘密裏に進めたい小規模案件向けの「居抜きプラス」とは?

正野氏: また、最近では「居抜きプラス」というプランを用意しています。これは「居抜き」と「M&A」のいいとこ取りをしたようなサービスです。

通常の居抜きはwebサイトなどに情報を公開して買い手を探しますが、「従業員や取引先に知られず、秘密裏に進めたい」というニーズは非常に多いんです。 「居抜きプラス」は、情報を非公開にしたまま、ある程度の事業価値も含めて売却先を探します。

また、居抜きプラスとM&Aの大きな違いは「買収監査(デューデリジェンス)を行わないこと」です。本格的なM&Aのような厳しい財務調査などを省くため、スピーディーかつ手数料も抑えられます。主に譲渡金額が1,000万円以下の小規模な取引でよく活用されています。

M&Aは目的ではなく「人生の目標を達成するための手段」


── 最後に、現在お店の今後について悩んでいるオーナー様に向けてメッセージをお願いします。

正野氏: まず、「ご自身が中長期的にどのように事業を継続されたいのか?」「ご家族やパートナーとどう過ごしたいですか?」と、ライフステージの展望をしっかりとお聞きするようにしています。

私たちアドバイザーの役割は、単なるお店の売買の仲介ではありません。オーナー様の人生設計に伴走する「ライフプランナー」のようなものだと思っています。

M&Aはあくまで、オーナー様の「人生の目的を達成するための手段(選択肢)」の一つにすぎません。「何のために売るのか?」という目的がブレてしまうと、良い結果は生まれません。逆に目的がクリアになれば、今は売るべきではない、という結論になることもあります。

「そろそろお店をどうしようか……」と少しでも迷われたら、まずは気軽な壁打ち相手のつもりで、私たち専門家に声をかけてみてください。一緒に最適な道を探していきましょう。

画像素材:PIXTA

経営の「その後」のお悩み、一緒に解決します


先の見えない飲食店経営の「その後」を考える時、ぜひ私たち「飲食店ドットコムM&A(株式会社ウィット)」を思い出してください。 オーナー様の体力、ご家族の状況、そして従業員への想い……。ご希望の条件をすべて伺った上で、M&Aが最善の道なのか、あるいは他に道はないのか、飲食店の出口戦略に精通したアドバイザーが一緒に最適な道を見つけるお手伝いをいたします。

もちろん、秘密は厳守いたします。 あなたの店の可能性を診断する無料相談は、下記リンクよりお気軽にお申し込みください。

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