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飲食店の業態転換を後押し!「事業再構築補助金」の概要、採択事例を解説
2022年03月10日

飲食店が業態転換や新しい取り組みをする場合に利用できる「事業再構築補助金」。多くの飲食店が事業計画を練り、申請にチャレンジし、新たな道を切り開いています。今回はその概要に加え、採択事例や今後予定されている要件の変更点などをご紹介します。
事業再構築補助金の概要をおさらい
新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編の5つの分野で挑戦する中小企業を支援するのが事業再構築補助金。1社あたり最大1億円の補助を受けられる大型補助金です。
主要申請要件は次の3つです。
①売上が減っている 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している
②事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定して、事業再構築に取り組む
③事業終了後に、付加価値額を年率3%以上増やす
飲食店で想定される取り組み例
では、飲食店では具体的にどういった挑戦が考えられるのでしょうか?
①飲食業+αで「新分野展開」
例:カフェの飲食スペースを縮小し、新たに焼菓子などのテイクアウト販売を実施
②飲食業のA事業からB事業へ「事業転換」
例:既存の日本料理店から、高い売上が見込めそうな焼肉店を新たに開業
③飲食業自体を辞めて別業種へ「業種転換」
例:既存店を閉業し、高い売上を見込めそうなコンサルティング業を開業
④A業態の飲食業からB業態の飲食業へ「業態転換」
例:店内飲食メインの店舗経営を辞め、オリジナル食品のEC販売を開始
⑤組織再編を行う「事業再編」
例:M&Aによって既存の飲食事業を譲渡し、ミールキットの製造事業を立ち上げるなど
実際に採択された事業には次のようなものがあります。
■夜の街から脱却するため昼の街への新規参入
夜の街から営業拠点をビジネス層やファミリー層をターゲットとした住宅地に近い昼の街へ転向し、安定的な集客・収益が見込める蕎麦屋への事業の転換。
■自販機と通販による老舗焼肉店の地元活性化計画
炭火焼肉を冷凍加工し冷凍自動販売機、インターネット通販という新しい販売チャネルに進出。お店の味を食卓に届け、家庭を明るくし、女性の社会進出にも貢献。
■高加水パンに特化したベーカリーで地域密着型のSDGsを実現
毎日食べたくなる“ふんわりもっちり美味しいパン”をコンセントに、地域初導入のオーブンを駆使し、高加水パンを開発。さらにフードロス0を目標に、パンの二次加工や卸・ネット販売で、地域密着型のSDGsを実現。
■コロナ禍でも売上が落ちない担々麺と麻婆豆腐の店のフランチャイズシステム構築
コロナ禍でも行列が出来ている担々麺と麻婆豆腐の店のフランチャイズシステムを構築。飲酒を主としない飲食店を開業することで、コロナ禍でも売上獲得できるようにし、全国でFC展開を目指す。
■飲食業からワーケーション適応型バケーションハウス事業への新分野展開
ワーケーション需要を取り込むため新分野展開としてバケーションハウス事業に取り組む。カフェ事業での顧客基盤、地域での事業基盤と地域活性化プロジェクト等を活用し収益構造転換と地域経済活性化を狙う。

事業計画策定のポイント
事業再構築補助金の申請には、事業計画の策定が必須で、「認定経営革新等支援機関」と相談しながら進めます。ただし、事業計画の策定・実行・計画目標の達成に責任を持つのは申請者自身。中小企業庁では「申請者が主体的に事業計画を策定していくことが大切」と考えているそうです。さらに、「補助金のための事業計画」ではなく、「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の環境変化を新たなビジネスチャンスととらえた事業計画」という視点に立つことでより良い事業計画になるとアドバイスしています。
また、不採択だった場合、事務局に問い合わせるとその原因を教えてくれます。事業計画書を改善して再申請すれば、次回に採択されることも十分にあり得ます。
第5回公募期間は3月24日まで
現在、第5回公募の申請受付が行われています。令和4年度中にはさらに第6、7、8回公募の実施が予定されています。
第6回からはポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り拓くための取り組みを重点的に支援していく方針であることが発表されていて、「クリーンエネルギー」「成長と分配の好循環」がキーワードになっていきます。「緊急事態宣言特別枠」に代わる「回復・再生応援枠」、「卒業枠・グローバルV字回復枠」に代わる「グリーン成長枠」が新設されるなど、事業類型や要件も大幅に変更になることが予定されています。
飲食店が業態転換を叶えるために事業再構築補助金は強い味方になります。第6回以降の変更点にも目を向けながら、挑戦してみてはいかがでしょうか?
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