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中華料理店の「M&A」最新事例を解説。店舗売却する際のポイントも!
2022年05月13日

中華料理は根強いファンが多く、客離れしづらい業態です。日本フードサービス協会によると、2022年2月の中華料理店の売上高は2019年同月比96.8%でした。洋風、和風レストランは2019年比で6割の水準に留まっています。
ただし、中華料理店すべてが順風満帆というわけではありません。この記事では、中華料理店の最新動向やM&Aの動きを解説します。
デリバリーへの対応で強みを発揮した『餃子の王将』
コロナ禍でくっきりと明暗が分かれた会社があります。「餃子の王将」の王将フードサービスと、『日高屋』のハイデイ日高屋です。
王将フードサービスは2021年3月期の営業利益が前期比21.1%減の60億7,300万円でした。前代未聞のコロナ禍において、21.1%減とはなったもののしっかりと営業利益を出したのです。一方、日高屋は2021年2月期に27億9,900万円の営業損失(前年同期は40億9,600万円の営業利益)を計上しました。
直営主体の日高屋とのビジネスモデルの違いはあるものの、王将はフランチャイズ加盟店が全体の28.0%ほど。マクドナルドのようにフランチャイズ中心ではありません。出店形態も両社ともに繁華街型が中心です。
明暗を分けた主要因がテイクアウト・デリバリーへの対応。王将は売上高全体の33.4%をテイクアウト・デリバリーが占めています。コロナ前は19.1%でした。日高屋はコロナ禍においてもテイクアウトの売上高が全体の10%前後でした。
王将は2022年3月期の売上高を前期比4.0%増の838億5,400万円、営業利益を15.1%増の69億8,900万円と予想しています。予想通り着地すると、コロナ前の2020年3月期の売上高855億7,100万円との差がわずか2.1%まで縮まります。王将はコロナ禍での飲食店の成功モデルを築いています。
餃子専門店が横浜の麺料理店を買収
中華料理店の主なM&Aを紹介します。
■イートアンドホールディングスが一品香を子会社化
2020年12月餃子専門店『大阪王将』を展開するイートアンドホールディングスが、『横濱一品香』の一品香を子会社化しました。一品香は神奈川を中心に11店舗の麺料理店を運営しており、タンメンが人気です。
イートアンドホールディングスのM&Aは6年半ぶり。大手企業が新常態で集客に苦戦する店舗や会社の受け皿になっています。
■グルメ杵屋がラーメン・中華料理の雪村を買収
うどん、そば、日本食など様々なブランドを展開するグルメ杵屋が、2020年4月に茨城県を中心にラーメン・中華料理店を展開する雪村を子会社化しました。グルメ杵屋は2018年10月に同じく茨城県内でラーメン店を運営する壱番亭本部を買収していました。同エリア、同業態を取り込むことにより、地盤強化につなげる狙いがあります。

M&Aをしようと思ったら何をすれば良い?
経営者の高齢化や商環境の変化によって、廃業を検討するオーナーが増加しています。そうした場合でも、店舗を守るためにM&Aを選択肢の一つとして検討しておくことをおすすめします。
M&Aにはマッチングサイトへの掲載や、事業引継ぎセンターまたは仲介会社に相談する方法などがありますが、初めてのオーナーは専門家に相談した方が賢明です。事業引継ぎセンターは手数料が無料ですが、案件数が少なく、すぐに売却先を見つけることは困難です。手数料が発生するものの、仲介会社に相談するのが最も安心かつスピーディです。
M&Aで店舗を売却する際には様々なメリットがあります。居抜き物件を売却した場合と比べてみましょう。
・売却額が大きくなる可能性が高い ・負債を引き継ぐことができる ・個人保証が外れて自由度が上がる ・従業員の雇用や取引先との関係を継続できる
特に金銭的な負担が軽減されます。負債の引継ぎや個人保証が外れることにより、売却後は新たな人生がスタートできます。ただし、売却後も半年から1年はアドバイザーや顧問などとして、経営に関与するケースが多いです。契約内容にもよりますが、売却してすぐに経営から離れられるわけではありません。
資本力のある大手企業のもとで店舗を運営するのも一手
中華料理店のような重飲食店は、新規出店のしづらさから買い手がつきやすい傾向があります。新常態にも強く、注目度の高い業態でもあります。跡継ぎがいないことに悩んでいるオーナーは多く、M&Aは強力な事業承継手段です。資金力のある会社のもとで、安定して店舗を運営することができます。
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