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「8TH SEA OYSTER 2.0」で、牡蠣の概念を変えた革命児! ゼネラル・オイスター代表取締役社長吉田琇則氏が語る「極めし者」の強さとは

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2023年10月10日

日本におけるオイスターバーのパイオニアであり、2023年には世界初の完全陸上養殖の牡蠣「8TH SEA OYSTER 2.0」の開発も成功した株式会社ゼネラル・オイスター(東京都中央区)。まさに牡蠣一筋で駆け抜け、企業理念である「『カッキテキにいこう!』」を体現してきた同社は、今後もまだまだ新たな挑戦を続けていく考えだ。今回は、代表取締役社長の吉田琇則氏に、未知の可能性に懸けるバイタリティの秘密を伺う。

「8TH SEA OYSTER 2.0」で、牡蠣の概念を変えた革命児! ゼネラル・オイスター代表取締役社長吉田琇則氏が語る「極めし者」の強さとは

1967年岩手県出身。大学卒業後、ディスコチェーンを手掛けるノヴァ・インターナショナルに入社。同社を退職後、エイベックスグループで活躍する。2000年4月に独立し、株式会社ヒューマンウェブを設立。翌年9月に1号店「ウォーターグリル・オイスターバー 赤坂店」を開業した。2002年11月に開業した「ガンボ&オイスターバー 新宿マイシティ店」のヒットを皮切りに全国に展開を広げる。その後、供給する牡蠣の安全性を向上するため、広島県呉市に浄化施設である株式会社日本かきセンターを設立。以来、店舗展開と安全な牡蠣の研究に注力。2015年3月、東証マザーズ市場へ上場、2016年4月、株式会社ゼネラル・オイスターへと社名変更。2023年には、世界初の牡蠣の完全陸上養殖に成功した。

海外の文化であるオイスターバーを日本に持ち込み大ヒット。商業施設ブームにも乗り、トレンドをつくる

―吉田社長は、ノヴァ・インターナショナル、エイベックスグループでのご活躍を経てオイスターバーで独立をされますが、飲食業や牡蠣にご興味を持ったのはどのような経緯があったのでしょうか?

吉田氏:本格的に牡蠣を好きになったのは社会人になってからですね。海外へ行くことが多かったのですが、そこでオイスターバーの存在を知って、ハマったんです。海外って面白くて、日本のように魚の生食はしない。けれども、生牡蠣だけはみんな食べるんですよ。文化と言ってもいいかもしれませんね。そんなわけで、海外にはそこかしこにオイスターバーがある。そこでふと、日本にオイスターバーを持ってきたら、と思ったのが開業を考えたきっかけです。

―当時はオイスターバーって日本にほとんどなかったんですね。

吉田氏:そもそも、日本には生の魚介を食べる文化がすでにあって、その種類も豊富です。わざわざ扱いの難しい生牡蠣をメインの商材にする必要もない。扱いが難しければ、大手も敬遠します。でも、私はそこに勝機があると思ったんです。誰もやっていないことをやる。言ってみれば隙間産業という考えですね。

―そうして2001年9月に赤坂で「ウォーターグリル・オイスターバー」(現在は閉業)を開業しますね。このお店はどうだったんですか?

吉田氏:「産地直送の新鮮な牡蠣を提供するオイスターバー」というスタイルが評判を呼び、客足は好調でした。しかし、そのスタイルゆえにロスが多く、原価率がとても高かった。客単価も高くせざるを得ないので、万人受けする業態でもない。そういった状況だったので、表向きの評判、人気に反して内部的には利益率が低く、課題が山積みの店舗でした。

―翌年2002年には「ガンボ&オイスターバー 新宿マイシティ店(現・新宿ルミネエスト店)」を開業されています。これは以後の主力となっていくブランドですが、先述の課題を解決できたものなのでしょうか?

吉田氏:当時、色々な商業施設が飲食フロアを作ることに力を入れていた時期で、運よく声をかけていただけたんです。
幅広い客層が来店する商業施設での出店ということで、1号店での課題となっていた客単価の高さをクリアする必要がありました。そこで、ガンボと牡蠣の2枚看板にして、単価を3000円ほどに設定。当時の商業施設ブームにも乗ることにできて、すごくよい結果を出せました。これをきっかけに全国の商業施設で展開。1年に10店舗ほど出店していましたね。

突如襲い来る倒産の危機。未知の可能性に懸け、再起へと走り出す

「8TH SEA OYSTER 2.0」で、牡蠣の概念を変えた革命児! ゼネラル・オイスター代表取締役社長吉田琇則氏が語る「極めし者」の強さとは

―まさに快進撃を続けていた吉田社長ですが、2006年にノロウイルスの大流行によって苦境に立たされます。

吉田氏:実際のところ、ノロウイルスって色々な感染源があって。当時、たくさんノロウイルスの報道がされている中で、牡蠣が原因だったのはごくわずか。言ってしまえば風評被害によってウチの会社の売上は7割も減ってしまった。それまでの店舗展開によって、借金もしていた。「倒産」の文字が脳裏によぎる。まさに大ピンチでした。

―会社存亡の危機、どのように乗り切ったのでしょうか?

吉田氏:色々なことを考えたのですが、やはり牡蠣の安全な提供が根底の課題としてあると思いました。
そもそも牡蠣にあたってしまう原因は、牡蠣の体内に菌が残っていて、それを食べてしまうから。これは、表面を洗っただけで解決する話ではありません。店舗で安全性のコントロールができないとなれば、産地任せになってしまう。と、いうことは「産地直送」をお客様に対する安心の材料にしているものの、実際に安全なのかどうかを私たちは確認する術がないんですね。
ならば、自分たちで安全な環境をつくろう。その方向性に舵を切ることに決めました。社員からは大反対されましたけれども(笑)

―危機的な状況で、会社として前例のないチャレンジをしようというわけですものね。

吉田氏:調べてみると、牡蠣は1時間に20ℓの海水を吸い込んでいて、その海水の中に菌がいると、体内に中に入って、残ってしまう。そして、その牡蠣を口にした人が、お腹を壊す、というメカニズムであることがわかりました。つまり、牡蠣は鮮度が良いだけではだめなんです。菌を外に排出する必要がある。そう考えた時、安全性の高い牡蠣を供給できる物流の仕組みを作るべきだと思ったんです。

―そうして2007年9月に設立したのが、「日本かきセンター」というわけですね。

吉田氏:その通りです。まず、全国から牡蠣を集めて浄化する。体内にたまった菌が流れ出て安全性が高まった牡蠣を、全国の店舗に出荷する。この取り組みがきっかけで、私たちも胸を張って牡蠣を提供できるようになり、離れていたお客様も徐々に戻ってきてくれました。その後も、「もっときれいにならないか」、「もっと良い方法はないものか」と、安全性の追求に投資をするようになります。

長い歳月をかけ、世界初の牡蠣の陸上養殖に成功。未来の食材としての可能性を示す

「8TH SEA OYSTER 2.0」で、牡蠣の概念を変えた革命児! ゼネラル・オイスター代表取締役社長吉田琇則氏が語る「極めし者」の強さとは

―そして現在、世界初の陸上養殖された牡蠣「8TH SEA OYSTER(エイス シー オイスター)2.0」までも開発してしまった吉田社長ですが、こちらについてもお話を聞かせてください。

吉田氏: 2014年に、富山県の入善町に第2浄化センターを開設して、海洋深層水を用いた浄化の仕組みをつくりました。それまで行っていた紫外線による方法と比べ、より多くの菌を除去できるようになり、豊富なミネラルによって味わいも良くなった。これが「8TH SEA OYSTER 1.0」。現在の「8TH SEA OYSTER 2.0」の前身となるものです。
しかし、牡蠣の体内に潜む菌を“ほぼ”浄化することはできたものの、いまだ“完全”な浄化には至っていない。100%安全な牡蠣とは言えないわけです。
では、逆に考えてみよう。そもそも汚れが入っていない、100%きれいな牡蠣を育てることはできないものか。そのためには、汚れや菌が入り込まない海が必要だ。そんな思考の末にたどり着いたのが、陸上養殖だったのです。

―とはいえ、陸上養殖は前例がない。教科書となるスキームがありません。それでも挑戦した理由はどこにあったのですか?

吉田氏:誰もやっていないことだったから、未知の可能性にかける価値があると思いました。実際、私たちよりも前に陸上養殖の可能性に着目し、研究した人もいたんです。けれども実現には至らなかった。原因は、牡蠣の餌です。
ひとつは、シンプルに牡蠣の餌の量が膨大であるため、コストが膨大にかかること。
もうひとつは、その大量な牡蠣の餌をどのようにつくるか、方法が確立されていないこと。
これらが大きな課題でした。そんな中、東京大学で牡蠣の餌となる微細藻類の研究をしているチームとつながって、一緒に研究をすることになったんです。
2014年から研究を始めて、約10年。今年、遂に「8TH SEA OYSTER 2.0」が完成しました。当初の目的だった「100%の安全性」をクリアしたことはもちろんですが、何より牡蠣自体がすごくおいしくなったんです。食べていただいた方からは「まったく別の食べ物だ」と、言っていただけるほどです。

―まさに革命を起こしたわけですね……! 決して楽な道ではなかったと思いますが、それを乗り越えてきた吉田社長のバイタリティはどこにあったのでしょうか。

吉田氏:私の場合、割と楽観的な性格をしているのだと思います。会社が倒産しそうな時でも、「なんとかなるだろう」、「何かしら方法はあるだろう」と思っていたくらいです。
陸上養殖についても、前例がないなら、できなかった原因を潰して、成功法則を作っていけばいい。「誰も極めていないこと」なら、「極めれば唯一無二の存在になれる」ことの方がメリットがある。

―結論として、何でも屋になるよりも専門特化した方が強いということでしょうか。

これがラーメンとか、カレーとかだったら、すでに極めている人たちがいるわけで。実際、私たちもリスクヘッジで別業態を手掛けたことがあったのですが、やはりすでにその業界を極めている方々のクオリティには敵わないことを痛感して、すぐに撤退しました。でも、この出来事自体は失敗かもしれないけれど、それがあったから「ひとつのことを極めよう」と決めることができた。特にウチは「安全」という軸があったので、そこにリソースを投資しやすかった。
2020年以降のコロナ禍では一時的に客足が離れたものの、「生牡蠣を食べたい」という目的来店のお客様に支えられ、比較的早期に売上の回復ができました。これも、牡蠣への専門性を高めた結果だと考えています。 こうして色々な経験をすることで、芯が強くなっていったんだと思います(笑)。

―力強い言葉、ありがとうございます! では、今後の展望を教えてください!

吉田氏:まず、「8TH SEA OYSTER 2.0」を量産化できる仕組みを作って、市場に投入していくことですね。今後、人口増加とともに食料難が訪れると予想されていています。そんなとき、栄養満点で安全な「8TH SEA OYSTER 2.0」は、有効な一手になり得る。従来の牡蠣のような生臭さがなく、うまみ成分も多く、あたることもない。それはつまり、今まで牡蠣が苦手だった人のハードルを下げることにもつながり、大きなマーケットを押さえることにも期待ができる。まさに、可能性の塊で、ワクワクしています。ゴールなんてない。まだまだ挑戦を続けていきますよ!

株式会社ゼネラル・オイスター

HP:https://www.oysterbar.co.jp
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