- 買い手
- 売り手
飲食店のM&A仲介、業者の選び方は? 高く売るコツと成功事例を紹介
2026年02月21日
「不採算店舗を整理したいが、この収支ではどこも仲介してくれないのではないか」と、事業再編を一人で悩まれていませんか? 複数店舗を運営する経営者様が直面するこの問題、実は「飲食店に特化した仲介会社」を選ぶことで、劇的に解決する可能性があります。
たとえ現在の利益が薄くても、貴社が育てた「人材」や「好立地の物件」は、拡大を急ぐ企業にとって喉から手が出るほど欲しい資産です。本記事では、小規模事業者のパートナーとなるべき仲介会社の選び方と、仲介のプロがどのように貴社の「隠れた価値」を買い手へ繋ぐのか、その全貌を解説します。
この記事は、こんな人におすすめです
・店舗の売却や事業譲渡を検討しているが、何から始めればいいか分からない方
・長年の店舗運営で生活に疲れており、早く、かつ高くお店を売りたい方
・自分の店(個人店・小規模店)でも買い手がつくのか不安な方
・過去に大手のM&A仲介会社に相談して断られた経験がある方
目次
小規模飲食店の事業再編に「M&A専門の仲介サービス」が必要な理由
個人経営の店舗や小規模な飲食店がM&Aを通じた事業譲渡を検討する際、総合的なM&A仲介会社ではなく、飲食業界に特化した専門の仲介会社を選ぶことには大きなメリットがあります。その最大の理由は、業界特有の事情や価値の測り方を熟知している点にあります。
仲介会社は「数字に表れない価値」を言語化してくれる
決算書や帳簿上の数字だけを見ると、赤字であったり利益が少なかったりする店舗は評価が低くなりがちです。しかし、飲食店には立地条件や常連客の存在、スタッフのスキルといった、単純な数字には表れない隠れた価値が存在します。専門の仲介会社は、こうした目に見えない価値を正確に評価し、魅力的な言葉に翻訳して買い手候補へ提案してくれます。だからこそ、経営状態だけで判断せず、まずはプロの目線を借りることが重要です。
仲介会社が買い手にアピールする「貴社の3つの資産」
買い手企業が飲食店を買収する際、どのような点に価値を見出しているのでしょうか。専門の仲介会社が特に高く評価し、買い手へ強力にアピールできる貴社の資産は、大きく分けて3つあります。
1. 採用コスト・教育時間を短縮できる「即戦力の人材」
1つ目は人材です。昨今の飲食業界では慢性的な人手不足が続いており、新たなスタッフを採用し、一人前に教育するためには莫大なコストと時間がかかります。そのため、すでに店舗のオペレーションを熟知し、現場を回すことができる熟練のスタッフや店長が残ってくれるのであれば、それは買い手にとって非常に大きなメリットとなります。
2. 独自ルートでも手に入らない「希少立地と設備」
2つ目は立地と設備です。駅前の1階路面店や、特定のターゲット層が集まる商業エリアなど、空き物件が出にくい希少な立地は、それだけで高い価値を持ちます。また、ダクトやグリストラップ、厨房機器などの設備がそのまま使える居抜き状態での引き渡しであれば、買い手は初期投資を大幅に抑えてスピーディーに出店できるため、高く評価される傾向にあります。
3. 顧客との接点をそのまま引き継げる「ブランド力」
3つ目はブランド力です。地域に長年根付いている店舗や、SNSで多くのフォロワーを抱える認知度の高い店舗は、すでに顧客基盤が完成しています。ゼロから集客を行う労力を省き、引き継いだ直後から安定した売上を見込める点は、事業譲渡において非常に強力なアピールポイントとなります。
小規模事業者こそ注意すべき「仲介会社選び」の盲点
飲食店のM&Aを成功させるためには、パートナーとなる仲介会社選びが明暗を分けます。特に小規模事業者や個人が事業譲渡を進める場合、気をつけるべき盲点がいくつか存在します。
大手M&A仲介の「最低報酬」がネックになるケース
一般的に、総合的なM&A仲介会社は大規模な案件を得意としており、手数料の仕組みとして「最低報酬額」を設定していることがほとんどです。この最低報酬額が数百万円から数千万円に設定されている場合、売却額が比較的小さな飲食店の案件では、手数料の割合が大きくなりすぎてしまい、手元に残る利益がなくなってしまう、あるいはそもそも依頼を断られてしまうケースが少なくありません。
一方で、飲食店専門のサービス(飲食店ドットコムなど)では、この最低報酬額を[例:100万円〜 / 完全成功報酬制など自社のプランを記載]と低く設定しており、小規模な案件でも手元に資金をしっかり残せる仕組みを整えている点が大きな違いです。
飲食店特有の「居抜き契約・承継」に精通しているか
また、飲食店の譲渡には、造作譲渡(居抜き)の取り扱いや、家主との賃貸借契約の引き継ぎ、各種営業許可の再取得など、業界特有の専門知識が求められます。これらの実務に精通していない業者を選んでしまうと、契約の途中でトラブルが発生したり、想定以上に時間がかかったりするリスクがあります。そのため、ご自身の店舗に合った仲介業者を見極めることが不可欠です。
以下の表は、仲介会社のタイプ別の特徴をまとめたものです。ご自身の目的に合った業者選びの参考にしてください。
| 項目 | 総合M&A仲介 | 飲食店専門仲介 | 不動産仲介 |
|---|---|---|---|
| 対象規模 | 中〜大規模・全業種 | 小〜中規模・飲食店 | 主に単独店舗の物件 |
| 得意な評価軸 | 財務状況・事業計画 | 立地・人材・厨房設備 | 物件の不動産価値 |
| 最低報酬額 | 高い(500万円〜2000万円) | [自社金額]円〜(柔軟に対応) | 宅建業法に基づく手数料 |
| 飲食店知識 | 一般的なビジネス知識 | 業界特有の契約に精通 | 居抜き知識は業者による |
飲食店M&A仲介を利用した「事業譲渡」の相場感
画像素材:PIXTA
いざ自分の店を売却しようと考えたとき、最も気になるのが「いくらで売れるのか」という相場ではないでしょうか。飲食店の事業譲渡における相場は、単なる物件の価値だけでなく、事業としての収益力や資産価値を総合して算出されます。
[参照提案] M&Aの一般的な評価手法や中小企業の事業承継に関するデータについては、中小企業庁が発表している「中小企業M&Aガイドライン」などの公的資料が参考になります。
【業態別】資産価値を考慮した売却価格の目安
売却価格の算出には様々なアプローチがありますが、飲食店でよく用いられるのは「時価純資産(店舗の設備や保証金など)+実質営業利益の数年分(のれん代)」という計算方法です。
弊社で実際に取り扱った成約データに基づくと、例えば個人店(10〜15坪程度)のカフェの場合、内装や設備が綺麗な状態であれば「約[150]万円〜[300]万円」で譲渡されるケースが多く見られます。また、利益が出ている店舗や、立地が極めて良い居抜き譲渡の場合であれば「約[300]万円〜[500]万円」といった高値で取引されることも珍しくありません。
もちろん、業態によっても相場感は異なり、初期設備にコストがかかる焼肉店や重飲食、トレンドに乗りやすく回転率の高いカフェ業態などでは、評価のポイントが変わります。これらはあくまで目安ですので、正確な価値を知るためには専門業者による査定が不可欠です。
【実例】飲食店のM&A・事業譲渡を成功させた個人・小規模店舗の事例
実際に、飲食店専門の仲介会社を活用して事業譲渡を成功させた事例は数多く存在します。ここでは、弊社が支援させていただいた個人店や小規模店舗の具体的なM&A事例をご紹介します。これらは、単なる閉店や撤退ではなく、次へのステップとしてM&Aを活用した「攻めの選択」の結果です。
▼個人・小規模店舗のM&A成約事例(抜粋)
| 業態・坪数 | 地域 | 売却理由 | 譲渡金額(目安) | 成約までの期間 |
|---|---|---|---|---|
| [イタリアン(12坪)] | [東京都 港区] | [オーナーの体調不良・引退] | [350万円] | [約2ヶ月] |
| [ラーメン店(18坪)] | [大阪府 大阪市] | [人材不足による縮小] | [220万円] | [約1.5ヶ月] |
| [居酒屋(25坪)] | [神奈川県 横浜市] | [別事業への資金調達] | [500万円] | [約3ヶ月] |
| [カフェ(10坪)] | [東京都 世田谷区] | [家族の介護・転居] | [180万円] | [約1ヶ月] |
※上記の表は、実際の成約事例の一部です。店舗の状態や条件により変動します。
このように、個人経営の店舗であっても、適切な相手とマッチングすることで、短期間かつ適正な価格での譲渡が実現しています。たとえば、上記のイタリアン店舗の事例では、長年の常連客と従業員を引き継ぐことを条件に、当初の想定よりも高い評価額で成約に至りました。
より詳しい実際のM&A成約事例については、以下のページでも多数ご紹介しております。同じような悩みを抱えていた経営者様が、どのように課題を解決したのか、ぜひ参考にしてください。
飲食店のM&A売却・事業譲渡を成功させるまでの流れ
貴社の価値を最大化し、理想の売却を実現するためには、信頼できるパートナーと共に適切なプロセスを踏むことが不可欠です。ここでは、最初の相談から最終的な契約・引き渡しまでの一連の流れを4つのステップで解説します。
ステップ1:匿名での無料相談と「隠れた資産」の棚卸し
まずは気軽に仲介会社へ相談することから始まります。この段階では、まだ売却を確定させている必要はありません。「現在の経営状況で売却が可能か」「いくらくらいで売れそうか」といった悩みや希望条件を伝えます。
重要なのは、ここで行われる専門家による「資産の棚卸し」です。立地、内装の状態、スタッフのスキル、顧客リストなど、ご自身では気づかなかった店舗の強みを明確にし、市場価値を再評価します。情報の漏洩が心配な場合でも、店舗名や詳細を伏せた「匿名」の状態で相談を進めることが可能ですのでご安心ください。
ステップ2:必要書類の準備と買い手候補への打診
売却の方向性が固まったら、必要な書類(決算書、賃貸借契約書、従業員のリスト、設備の詳細など)を整理し、店舗の情報を正確に開示できる準備を整えます。
その後、仲介会社と秘密保持契約を結び、買い手候補への打診をスタートさせます。この際、最初から全ての情報を公開するのではなく、特定されない範囲の情報をまとめた「ノンネームシート」を作成し、興味を持った買い手に対してのみ、秘密保持契約を締結した上で詳細情報を開示します。これにより、従業員や取引先に知られることなく、水面下で候補者を探すことができます。
ステップ3:トップ面談・店舗見学
買い手候補の中から、条件に合う企業が見つかったら、いよいよ「トップ面談」です。売り手と買い手の経営者同士が直接会い、経営理念や店舗への想い、譲渡後のビジョンなどを共有します。
また、実際の店舗を見学し、内装や設備の状況、営業中の雰囲気などを確認してもらうプロセスも重要です。ここでは、数字だけでは伝わらない「お店の空気感」や「スタッフの質」をアピールする絶好の機会となります。専門の仲介担当者が同席し、スムーズな進行をサポートします。
ステップ4:マッチング成立・最終契約
条件面や引き継ぎの方針について双方が合意したら、基本合意書を締結し、詳細な調査(デューデリジェンス)を経て、最終譲渡契約へと進みます。
契約締結後は、従業員への説明や、賃貸借契約の解約・再契約手続き、営業許可の引き継ぎなどを行います。最後まで気を抜かず、仲介会社の助言を仰ぎながら丁寧に進めることが、譲渡後のトラブルを防ぎ、円満なバトンタッチを実現する鍵となります。
まとめ:まずは「匿名」で市場価値を確かめよう
飲食店のM&Aや事業譲渡は、決して「後ろ向きな選択」ではありません。貴社がこれまで培ってきた店舗という資産、育て上げた人材、そして地域でのブランド力は、求める企業にとって大きな価値を持っています。
とはいえ、いきなり売却を決断する必要はありません。まずは「今の自分のお店が、市場でどれくらいの価値を持つのか」を知るだけでも、今後の経営戦略において大きな安心材料となるはずです。一人で悩まず、まずは飲食業界に精通したM&Aのプロフェッショナルへ、お気軽に売却のご相談・お問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
Q&A
Q. ずっと赤字が続いている店舗でも、仲介して買い手を見つけてもらうことは可能ですか?
A. はい、可能です。買い手は現在の収支だけでなく、立地条件、残置される厨房設備、既存のスタッフなど「引き継げる資産」に価値を見出します。業態転換を前提とした居抜き物件として高く評価されるケースも多いため、まずはご相談ください。
Q. 大手仲介会社と比べて、飲食店専門の仲介会社の最低報酬額はどのくらい違いますか?
A. 大手M&A仲介会社の場合、最低報酬額が500万円~2,000万円程度に設定されていることが多く、小規模な売却では手数料倒れになるリスクがあります。一方、飲食店専門の仲介会社(弊社の場合)では最低報酬額を[100万円〜]と低く設定しているか、あるいは売却額に応じた柔軟な手数料体系を採用しているため、個人店や小規模店舗でも安心してご利用いただけます。
Q. 個人事業主として1店舗だけ運営しているのですが、M&Aは可能でしょうか?
A. もちろん可能です。個人事業主の方の場合、株式譲渡ではなく「事業譲渡(店舗の造作や営業権の譲渡)」というスキームを用いるのが一般的です。1店舗のみでも、立地や設備に魅力があれば多くの買い手候補が現れます。
Q. 店舗を売却することを検討している場合、従業員にはいつ、どのタイミングで伝えるべきですか?
A. 情報の取り扱いには細心の注意が必要です。従業員への告知タイミングを誤ると、不安からスタッフが離職してしまい、店舗の価値(=人材という資産)が下落するリスクがあります。基本的には買い手との最終契約の目処が立ち、引き継ぎのスケジュールが確定した段階で、仲介会社の助言のもと慎重に伝えるのがベストです。
