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事業承継・後継者不在はなぜ課題? 個人の飲食店も引継ぎを検討することが重要な時代に
2019年10月17日

飲食業界の人手不足、後継者不足が話題となっていますが、個人店のなかには「もともと一代で閉めるつもりだったから後継者は必要ない」「将来性が見えないので継いでもらわなくても大丈夫」と考えている店舗もあります。しかし、現在後継者問題は個人だけの問題だけではなく、国全体の課題としても考えられています。
飲食店の8割が人手不足。後継者不在率は7割以上
そもそもなぜ飲食店は人手不足、後継者不足に陥ってしまうのでしょうか。その理由を2019年9月時点における最新のデータから読み解いていきましょう。
まず、人材不足についてです。2019年7月の帝国データバンクの調査によると、飲食店の80パーセントが人手不足を実感しているといいます。これは他の業種と比べてもかなりの高い数字で、「もっとも人材が不足している業種」に当たります。人が集まりにくい原因としては、「給料水準が他業種に比べて低い(平均年収481万円)」「想像以上にキツい」「労働環境が悪い」「シフトが組みにくい」など、さまざまあるようです。
次に後継者不足についてですが、2018年の帝国データバンクの「後継者問題に対する企業の実態調査(PDF)」によると、飲食店が含まれるサービス業の後継者不在率は71.6%。さらに2018年の飲食店の倒産・休廃業は、2000年以降で最多を記録しています。
継承の第一候補である子どもが他業種で働くことも珍しくなく、店主が高齢化していくなか後継者が見つからず、倒産・廃業に陥ってしまうといった負の事態が目立つようになりました。
中小企業経営者の2人に1人が自分の代で廃業を予定
個人店のなかには「もともと一代で閉めるつもりだったから後継者は必要ない」「将来性が見えないので継いでもらわなくても大丈夫」と考えている店舗もあります。その場合、「本人がいいなら、閉店してもいいのでは?」「危惧する必要はないのでは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
しかしこれは、けっして個人の問題だけではなく、日本社会全体の大きな課題と考えられています。なぜなら、このまま廃業する企業が増え続けると2025年頃までに約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われてしまうことが予測されており、日本の未来が危惧されるからです。しかも、廃業してしまう半分の企業が「黒字企業や生産性が高い企業」されています。

解決策の一手として考えられるM&A
日本の雇用機会を守るためにも、個人であれ企業であれ、事業の引継ぎはとても重要な課題になっているといえます。だからこそ、できる限り事業継承をしていくことがいちばんの解決策となります。
後継者を探したり、実際の引継ぎを行ったりすることに難しさを感じる方も多いかもしれませんが、その場合はプロを頼ることをおすすめします。たとえば、中小企業庁が展開する「事業引継ぎ支援センター」は全国に窓口が設置されており、引継ぎについて相談することが可能です。
また、近年注目されているのが、M&Aによって事業承継を行うことです。飲食店のM&Aサポートに特化した会社もあり、相談しやすい環境も整いつつあります。その他、銀行、証券会社、商工会議所もM&Aの仲介業務を実施しているので、一度相談してみるのも良いでしょう。
当サイト飲食M&Aでも、飲食事業に特化したM&Aや事業承継支援を行っております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
「今は関係ない」「うちは必要ない」という見解もあるかもしれませんが、事業継承は自店を守るだけでなく、日本の未来にとってもとても重要なこと。誰かに引き継いでもらうことを、一度検討してみても良いのではないでしょうか。
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