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飲食店のM&A成功のために欠かせない「IM」とは? 概要や記載内容を解説
2019年12月09日

飲食店のM&Aを行う際、重要な書類の一つに「IM」があります。売手の会社にまつわる情報が詳細に書かれている資料のことで、買手はこれを確認し、買収したい企業かどうかを判断します。具体的にはどんなことが書かれているのか、いつのタイミングで必要になるのかなど、IMの基本的な概要をご紹介します。
そもそも「IM」って何?
IM(アイエム)とは、Information Memorandum(インフォメーション・メモランダム)の略称で、売手の会社詳細を示す資料です。買手企業がノンネームシートを見て売手に興味を持った場合、IMの公開を求め、それに応じることで本格的にM&Aを進めるための一歩を踏み出すことになります。
企業の詳細が明かされていないノンネームシートと違い、IMではふだん外に出さないようなセンシティブな情報も多く公開することになります。そのため、売手と買手は秘密保持契約をしっかりと結び、情報を外に漏らさないように努めることが一般的です。
また、IMに書かれていることをもとに買手は「この企業を買収するかどうか」を判断するため、内容には正確性が求められます。売手は最初の資料だからといって気を抜かず、細かく丁寧に作成することが大切です。
IMに掲載する内容
IMは売り手が買い手に買収すべきかどうかを判断してもらう為のものなので、あらゆる情報を掲載する必要があります。たとえば、以下のような情報が考えられるでしょう。
・企業の沿革や事業内容
・組織図
・近年の財務状況
・将来的な事業計画
ただし、IMにはどこまで記載しなければならないという決まりがなく、どれくらい情報を開示するかは、売手側にゆだねられています。さらに、買手から「この情報を知りたい」とリクエストされることもあり、その場合は真摯に向き合い、情報を公開する必要があります。
IMはノンネームシートとは圧倒的に情報量が異なり、数十ページにもわたるため、作成には1か月~半年ほどかかることもあります。また掲載する情報が売手にとっても買手にとっても重要な役割を担うため、M&Aの仲介会社に依頼するなどプロの手を借りて作成することが望ましいです。

売手がIM作成において気を付けることは?
売手にとって、IMは買手に最初にアピールできる重要な書類です。だからこそ、丁寧に作成する必要があります。最も気を付けるべきポイントは、正確・誠実に情報を書き込むこと。前述のとおり、M&A仲介会社がIMを作成することが一般的であるため、M&A仲介会社に適切な資料を提供し、良いアピールができるようにしましょう。
この資料の書き方を誤ってしまうと、譲渡金額に差が出てしまったり、契約が破棄されてしまったりする場合も。IMの書き方次第で1.5~3倍近くの譲渡金額が変わるとも言われています。譲受企業がどのような情報を欲しているかを念頭に入れたうえで、M&A仲介会社に資料を渡すと、後々のやり取りが円滑に進みます。
IMは機密事項です。売り手企業に関する重要な情報の漏れがないように注意すること、秘密保持契約を締結する前にIMを絶対に渡さないことも大切です。
買手がIMで確かめるべきこと
売手は基本的に、買手に買ってもらうためのアピールを行うため、比較的売手の良いところが多く掲載されるような内容になっています。だからこそ買手は、良い部分に目を向けつつも、今後の見通しを冷静に判断しなければなりません。不透明なことがある場合は、どんどん売手に確認したり、依頼しているM&A仲介会社に相談するようにしましょう。資料を請求すれば売手から追加の情報を得ることもできます。
IMはM&Aにおいては序盤のやりとりになりますが、成約のカギを握る重要なステップです。わからない場合はM&Aの仲介会社にきちんと相談し、疑問点を解決するようにしましょう。
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