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後継者不足の飲食店を救う一手に! 国や地域、企業が実施する事業承継の取り組みを紹介
2020年02月12日

飲食店の後継者不在問題が深刻化しています。東京商工リサーチによると、2019年、従業員や経営者の後継が確保できないなどの人手不足が原因で倒産した企業が過去最多を記録(飲食店を含む「サービス業他」はトップ)。また、同じく2019年に発表された「後継者不在率」調査でも、飲食店を含む「サービス業他」が61.67%と高い数字を記録しています。この状況を打破するべく、事業承継をサポートする取り組みが全国で積極的になされています。どんな取り組みがあるのか、具体的な事例を見てみましょう。
絶やすには惜しい名店を守る! 「絶メシリスト」
店主の高齢化が進み、時代とともに次々と閉店を余儀なくされていく飲食店。しかし中には近隣住民に愛され、なくなるにはもったいない名店も多くあります。そんな名店を“絶やすには惜しすぎる絶品グルメ”=「絶メシ」としてフォーカスし、Webサイトで紹介しているのが「絶メシリスト」。群馬県高崎市の飲食店に特化し、地元で愛される名店を紹介するほか、お店の後継者やインターン生募集も行っています。このサイトを利用し、実際に後継者問題を見つけた店舗もあるのだとか。
この取り組みは書籍化やドラマ化されただけでなく、国内最大級の広告賞「ACC TOKYO CREATIVE AWARDS 2018」(以下、ACC)のマーケティング・エフェクティブネス部門最高賞、総務大臣賞・ACCグランプリを受賞するなど、大きな話題を呼びました。さらに福岡県柳川市や石川県でも絶メシリストを公開するようになるなど、日本全国の自治体にも影響を与えています。
公募で事業承継店舗を募集! 「ゴーゴーカレー」
国内外で約80店舗のカレー専門店チェーンを運営する「ゴーゴーカレーグループ」は、2017年より後継者不在のカレー店のM&Aによる譲り受けをスタート。金沢市の老舗インド料理店「ホットハウス」の事業引き継ぎを行ったほか、全国のカレー専門店に対しても事業承継を呼び掛けています。これまでの事業承継では珍しい「公募」という新たな手法にも注目が集まっています。
事業承継ファンドを設立! 「JR九州」
2019年6月、後継者不足に悩む中小企業をサポートするため、JR九州が事業承継ファンドを設立する方針を発表。これまで事業承継ファンドは、地方銀行などの出資で設立されるケースはありましたが、鉄道企業が乗り出すのは全国的にも珍しいケースとされています。
JR九州は、鉄道関連や飲食店など、自社の事業と関連性が高い企業に資本や人材を投入することで、利益拡大とともに地域経済のサポートを行うことを目的としているとのこと。現在入念な準備を行っており、早ければ2021年度にもファンドを設立する予定となっているようです。

国が大々的に支援! 「事業承継支援」
各地域でさまざまな事業承継の取り組みがなされていますが、国全体でも事業承継を支援しようとする動きが見られます。中小企業庁は「事業承継支援」として、引き継ぎ先の紹介から引き継ぎ後のフォローまで多様な支援を実施。また、全国に展開する「事業引継ぎ支援センター」では、中小企業のM&A支援の実務に精通した専門家に相談することが可能です。
【参考】中小企業庁が提案する事業承継支援とは? 飲食店の後継者不在問題を解決する一手に
いずれ事業承継をしようと考えている人の中には、「まだ自分には関係ない」と思う人もいるかもしれません。しかし、後継者の育成も考えると事業承継の準備には長い時間がかかります。「後継者が見つからない」と悩んでいる人はもちろんのこと、いつか後継者を探そうと考えている人も、早めに準備を始めることをおすすめします。
「飲食M&A」でも、飲食事業に特化した事業承継支援を行っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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