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飲食店の売却、M&Aと居抜きで何が違うの? それぞれの特徴と3つの違いを解説
2020年03月27日

飲食店を売却する方法は、主に居抜きでの売却とM&Aが考えられます。この二つを混同してしまう人もいるかもしれませんが、実際は売却できるものや売却価格などに大きな違いがあります。それぞれの特徴やメリットを比較しながら、3つの違いを見てみましょう。
【1】売却の対象物が違う
まず、居抜きでの売却とM&Aでは、売却できるものが大きく違います。
■居抜き売却:店舗物件、内装設備
「居抜き」とは、それまで営業していた店舗の内装や設備などをそのまま残した状態の物件のこと。この居抜きの状態で売却する場合、店舗物件だけでなく、付属している設備や造作物にも価格がつきます。
居抜きでの売却は、売却益を得られるだけでなく、閉店費用を抑えられるというメリットがあります。通常、借りていた店舗物件を売却せずにオーナーに返却する場合、スケルトンの状態に戻す「原状回復」が必要になり、原状回復費が掛かります。しかし居抜きで売却する場合、内装設備もそのまま売り渡すことになるため、原状回復をする必要がありません。
■M&A:店舗物件や内装設備、営業権、従業員など
「M&A」とは企業の合併や買収のことを指し、M&Aでの売却は企業や事業の売却を指します。飲食店を売却する場合は、店舗物件や内装設備だけでなく、その店が持つ事業価値(ノウハウやブランド、営業権、従業員など)も売却の対象になります。
居抜きでの売却と同様、閉店費用を抑えられるというメリットもありますが、ほかにも売却対象物が増えることによって売却益が高くなること、従業員を引き継いでもらえるために従業員の失業の心配を避けられること、売却後も店を買い手に営業してもらえるため、店自体を残せることなども大きなメリットといえるでしょう。

【2】売却価格の付け方が違う
居抜きでの売却とM&Aでは売却価格の付け方にも大きな違いがあります。
居抜きでの売却は基本的に、店舗物件と内装設備に価格がつきます。一方M&Aでは、これらに事業としての価値がプラスされるため、価格もその分高くなります。売却する店舗のブランド力や収益力によっては、高価格で売買されることも珍しくありません。
赤字経営など、店舗の経営状態によってはM&Aでの売却が難しい思われる場合もありますが、経営先が変わることによって立て直しできる可能性があったり、今は赤字でも今後の収益が見込めると考えられた場合には、買い手からの需要があるためにM&Aで売却できる可能性があります。
【参考】店舗を売却する際にM&Aを検討しよう。売り手が知りたい基本的な流れや注意点とは?
【3】売却時、売却後の選択の幅が違う
居抜きで売却する場合は、必然的に閉店し、店舗を手放すことになります。しかし、M&Aで売却する場合は、閉店や店舗を手放す以外の条件を検討することができます。
M&Aであれば、店舗を売却しても、買い手に同じ店として経営を続けてもらうこともできますし、自分が従業員や経営陣として残る選択肢も考えられます。資金力の強い買い手に買収してもらうことで、店舗展開などの新たな経営戦略を手にできる可能性もあるでしょう。今まで自分たちだけではできなかったことを、M&Aによって実現できるかもしれません。
3つの違いを見てみると、居抜きでの売却に比べて、M&Aのほうが多くメリットがあることがわかります。とはいえ、M&Aは居抜きでの売却よりも手間や時間がかかってしまうため、難しいと感じる人も少なくありません。M&Aを少しでも検討している場合は、まずは飲食店に特化したM&Aアドバイザーなどの専門家に相談し、自店の価値や売却までのステップなどを確認してみるとよいでしょう。
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