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飲食店のM&A、実際はどうなっているの? 焼肉店M&Aの代表的な事例を紹介
2020年04月06日
焼肉業態のM&Aにはどんなものがある?
グルメ界隈では、根強い肉ブームが続いています。焼肉店は以前から人気のある業態でしたが、ここ数年では『焼肉ライク』のようなお一人様で楽しめるカジュアルなタイプも増えるなど、多様化してきています。
そんな状況の中、焼肉業態もまた、決して多くはありませんが、M&Aが行われてきました。焼肉業界の代表的なM&Aの事例としては、2012年に居酒屋『甘太郎』などを展開する外食大手コロワイドが『牛角』を運営するレックス・ホールディングス(現在はレインズインターナショナル)を買収した例が挙げられるでしょう。
また、翌2013年には、回転寿司店『平禄寿司』を運営するジー・テイストが、『焼肉屋さかい』を運営するさかいを吸収合併したというケースもあります。しかし、その後2018年頃までは焼肉業態の大規模なM&Aは起こっていませんでした。再び盛んに見られるようになったのが、2019年です。
2019年以降の焼肉店M&A、代表的な事例 3選
2019年頃からは、焼肉店以外による焼肉店のM&Aが徐々に増えてきています。2019年以降に行われた、焼肉店の代表的なM&Aの代表的な事例を紹介します。
(1)チムニーによるシーズライフの買収
海鮮居酒屋の『はなの舞』『さかなや道場』『豊丸水産』など人気居酒屋チェーンを多数経営するチムニーは、東京都を中心に、焼肉『牛星』『山河』などを運営するシーズライフを2019年12月に買収しました。
チムニーは海鮮居酒屋の他に、串焼きやもつ煮といった専門店を運営していましたが、焼肉店はこれまで手がけておらず、シーズライフを買収することで新たな業態に挑戦することになったといえます。
(2)海帆による弥七の買収
名古屋を中心に居酒屋『なつかし処昭和食堂』などを手がける海帆は、2019年5月に、東京を中心に立ち食い焼肉『治郎丸』を展開する弥七を買収しました。
海帆は、名古屋を中心に店舗を展開しており、関東圏には東京・池袋に『大須二丁目酒場』の1店舗のみを展開していました。しかし、池袋の『大須二丁目酒場』も2019年7月に閉店。今回の『治郎丸』の買収は、今後の関東エリアへの出店の足がかりや、『治郎丸』ブランドの名古屋での展開などが予想されます。
(3)安楽亭によるアークミールの買収
全国で焼肉店『安楽亭』を展開する安楽亭は、『ステーキのどん』『フォルクス』などを運営するアークミールを、吉野家ホールディングスから2020年2月に買収しました。ステーキ、ハンバーグ、しゃぶしゃぶなど、肉に関連する事業を運営するアークミールを買収することで、さらなる事業強化が期待されます。
焼肉業態は同じ業態同士でM&Aを行うケースもありますが、今回紹介したように、他業態を経営する企業と実施するケースも少なくありません。これまで挑戦したことのない新たな業態を自社に取り入れようと考える場合にも、M&Aは有効な手段となっているからでしょう。焼肉業態だけでなく、今後も飲食業界ではさまざまなM&Aが実施されていくことが予想されています。さまざまな事例を見ながら、自店のM&Aをイメージしてみるのもおすすめです。
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