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赤字経営の飲食店でもM&A売却できる可能性アリ! 評価される目に見えない価値とは
2020年07月27日

新型コロナウイルスの影響で、多くの飲食店が売上の減少に悩んでいます。このまま売上が回復せず赤字が続くのであれば閉店を考えなければならない……と、頭を抱えている店主の方も少なくないでしょう。しかし、店を畳まなければならなかったとしても、廃業ではなくM&Aで店舗を売却することもできます。「赤字の店舗なんて買ってくれるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、M&Aでは利益以外にも、さまざまな部分でお店の価値を評価することがあります。
M&Aでは実績だけでなく「見えない価値」も評価される
M&Aは、買い手・売り手双方にメリットがなければ成立しません。例えば、売り手側の店舗が黒字経営を続けており、M&A後も黒字経営が見込みがあるのであれば、買い手にとってもM&Aを行う意味があります。
一方、売り手の店舗の経営が赤字だったとしても、将来性を考えた上で買い手企業にとってメリットが見込めるのであれば、M&Aが行われる可能性があります。具体的には、以下のような状況が考えられるでしょう。
・今は赤字経営だが、業績が少しずつ回復している
・特徴のある事業・サービスを展開している
・将来成長する可能性のある事業・サービスを展開している
現在の経営状態を基準に判断するのではなく、将来性が高い、買い手企業のニーズとマッチしているといったポイントを押さえていれば、店舗を売却できる可能性は高まります。
M&Aで評価のポイントになる項目とは?
買い手企業にとって評価の対象となり得るポイントを、さらに詳しく見ていきましょう。
■事業の将来性
買い手企業にとって、買収する店舗に将来性があるかどうかはとても重要。買い手は事業拡大や新規事業の開拓などを目的にM&Aを行いたいと考えることが多いため、「この店舗とM&Aを行うことで自社事業の発展が見込めるかどうか」という部分を見られることがあります。
■設備
キッチンなどの設備を有している場合は、買い手が事業を始める際に準備期間の短縮やコスト削減につながるため、高く評価してもらえることがあります。売り手としても、原状回復を行う費用が削減できるというメリットもあります。
■スタッフ
人材不足の飲食業界では、優秀な人材を獲得するためにM&Aを行うことも。一から育てる必要のない、経験豊富なスタッフがいることは、買い手企業にとって大きな魅力になります。
■顧客
ブランドをしっかりと持っている店舗であれば、そのブランド力に信頼をおいて通ってくれるお客様も多いはず。その場合、買い手はお客様もそのまま引き継ぐことができるため、一定数の顧客を確保でき、経営の安定化につながるというメリットがあります。
このほかにも、買い手が評価するポイントは数多くあります。自店の強みだと感じている部分は、良い条件で売却するためのアピールポイントにつながるかもしれません。改めてどんな強みがあるのか、洗い出してみると良いでしょう。

店舗売却するタイミングを決めて、早めに準備をしよう
赤字経営が続き、負債が大きくなればなるほど、買い手企業にとってのメリットは減少してしまいます。「もう少し頑張れば何とかなるかもしれない……」と先延ばしにしていると、売却のチャンスを逃してしまう可能性も。
また、店舗の売却はすぐにできる訳ではありません。買い手企業がいて、さらに買い手が納得するような条件を提示できなければ、M&Aは成立しないからです。
そのうえ、売却するための事業査定には多くの資料が必要になり、準備にも時間がかかります。資料の準備などに時間がかかっていると、買い手企業はほかの売り手とM&Aの話を進めてしまい、破談することにもなりかねません。店舗売却を考え始めた時点で専門家に相談をし、必要な手続きや事務作業を確認してみると良いでしょう。
飲食業を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。経営を続けることも大切ですが、経営者として適切な判断を下すことも同じくらい大切なこと。M&Aなどの幅広い選択肢を持ちつつ、自店にとってより良い選択をしていきましょう。
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