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テイクアウト・デリバリー・食品業界のM&A事例。新型コロナが食ビジネスの再編促す
2020年10月07日

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人の生活様式が変化。特に影響が大きかったのが食事に関わる習慣です。三密を避け、不要不急の外出を控えるようになり、テイクアウトやデリバリーの需要が急増しました。
さらに、テイクアウトに強いマクドナルドは、2020年8月の売上高が前年同月比で12.9%増加。また、ワタミが運営する「ワタミの宅食」事業が2021年3月期第1四半期で販売数が前期比6.7%増、売上高は5.7%増の89億円となるなど、ますますこのような背景から、現在テイクアウト、デリバリー、食品業界の再編が加速。いったいどんな再編が行われているのか、M&Aの事例を紹介します。
トリドールホールディングスがゴーストレストラン研究所に出資
『丸亀製麺』のトリドールが2020年5月25日、実店舗を持たないデリバリー専門のゴーストレストラン『Ghost Kitchens』を運営するゴーストレストラン研究所に出資すると発表しました。『Ghost Kitchens』は、『すーぷのあるせいかつ』『さらだのあるせいかつ』などのブランドでUber EatsとChompyに出店しています。
ゴーストレストランは、Web上に看板だけを構えて実店舗を持たないことを指しますが、現在は実際に店舗を構えるレストランが別ブランドの看板をUber Eatsなどに掲げるスタイルも定着しています。飲食店がフランチャイズ加盟しやすく、ブランド認知度が上がればフランチャイザーとしての魅力もある分野です。
ダスキンがストロベリーコーンズから『ナポリの窯』事業を譲受
掃除用品サービス大手で『ミスタードーナツ』の運営もするダスキンが、宅配ピザ『ナポリの窯』を買収しました。2020年7月に新会社を設立し、11月に事業を譲受する予定です。ダスキンは2016年からストロベリーコーンズに出資をしていましたが、新型コロナウイルスで生活様式が本格的に変化することを見越し、デリバリー事業の買収を決めました。

「TABETE」のコークッキングがJR東日本スタートアップから資金調達
「TABETE」は飲食店や小売店で廃棄寸前となった料理を、テイクアウト商品として消費者につなぐサービスです。登録店舗は1,300で、これまでに50,000食以上の食品ロス削減をしています。出資を受けたことにより、登録店舗数の拡大が見込まれます。
貝印が発酵惣菜販売のフードアンドパートナーズを完全子会社化
刃物メーカーの貝印が、高島屋で発酵惣菜を販売するフードアンドパートナーズを2020年5月に完全子会社化しました。フードアンドパートナーズは2015年に貝印と高島屋で設立した合弁会社です。高島屋主導で事業をけん引していましたが、赤字が継続していました。貝印は小売から得意とする卸売モデルに転換し、成長を目指すとしています。
アークランドサービスHDが冷凍食品製造のコスミックダイニングを買収
「かつや」を運営するアークランドサービスが、スーパーや飲食店向けのとんかつ、ハンバーグなどの冷凍食品を製造するコスミックダイニングを2020年6月に子会社化。アークランドは外食だけでなく食品事業に進出することで、事業の安定化を図ることができます。
丸大食品がトーラクを買収
丸大食品が「神戸プリン」を販売するトーラクを7月に完全子会社化しました。丸大食品は1992年に本格事業化したデザート部門が好調でした。主力のハムが頭打ちとなり、別事業での伸長が必要なため、買収に踏み切っています。
このほか、テイクアウトアプリのmenuがグルメ情報のRettyと連携したり、EPARKテイクアウトがInstagramと業務提携したりと、新たなビジネス展開も促進されています。新型コロナウイルスの影響もあり、今後もさまざまな企業間で食ビジネスの再編が行われていくことでしょう。
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