コロナ禍でも繁盛している飲食店の事例。利益を上げるための取り組みとは？

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コロナ禍でなかなか思うように売上が立たない飲食店が多くあります。しかし、この状況下でもさまざまな対策を行い、繁盛している店舗も。いったいどんな工夫をしているのか、コロナ禍でも好調を維持する飲食店の事例を紹介します。

時代に合わせたメニューに改善。『板前DINING 斬』（築地）

『板前DINING 斬』は、築地で10年以上愛されている創作居酒屋。築地という立地柄、外国人観光客の利用や近隣企業の大口宴会や接待が売上を支えていました。そのため緊急事態宣言解除後は苦しい状況に。そこで同店では、店舗の全体的な改善を実施しました。

感染対策のひとつに、フロアに仕切りカーテンを設置したことがあります。これは一時的なものではなく、今後増えるであろう少人数のニーズに応えるためのサービスにも通じることから設置されました。

また、大きく変えたのは「コースの提供方法」。見栄えがよく、提供が楽であるため、これまでは大皿で提供していました。一方で「接待のお客様は大皿盛りでは手を伸ばしにくいだろう」という思いも。そこで、「ソーシャルディスタンスコース」とわかりやすいネーミングにし、全8品を個別盛りで提供。時代とお客様のニーズの両方に応えることができています。

コロナ禍に店舗と向き合うことは、売上を取り戻すのはもちろんのこと、これまで気にかかっていたことや頭の隅にあったアイデアをより良いかたちで実践するきっかけになるようです。

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公式アプリやクーポンでリピーターを確保。『焼肉きんぐ』（全国）

物語コーポレーションが全国で展開するオーダーバイキング焼肉店。同社は地方都市のロードサイドを中心に店舗展開をしているため、自宅周辺で消費活動をする人が増えている流れと合致したと考えられます。

売上を押し上げたのは、公式アプリの存在も大きいようです。2020年1月、同店は公式アプリとして「焼肉ポリス手帳」というコンテンツを追加。来店回数に応じて巡査から警視総監までの10階級ランクアップできるサービスを提供しています。コロナ禍で広告を打ち、新規の来店を促すことは簡単ではありません。しかし、既存客の来店アップにつながる新コンテンツであれば、最低限のコストで効果的に来店を促せます。

さらに2020年10月には、クイズの得点に応じて「ソフトドリンク無料クーポン」や、抽選で「国産牛5kgの塊肉」が当たるイベントキャンペーン「きんぐ警察実力試験」もスタート。イベントといっても、問題は少し難しめであるため、コアな既存客とのつながりがさらに強まると期待できます。

ダイナミックプライシングを導入。『お食事処 asatte』（千駄ヶ谷）

毎日昼夜とも一品の日替わり定食を提供するという営業スタイルが特徴的な『お食事処 asatte』。コロナ禍で「ダイナミックプライシング」（以下DP）を導入しました。DPとは、需要の高低に応じて価格を変動させて、売上の最大化を目指す仕組みのこと。旅行業界が繁忙期と閑散期で価格設定を変えているのがその代表例です。

11時30分から15時までのランチタイムを5つの時間帯に分け、価格を設定。11:30～12:00は1,100円、12:00〜13:00は1,500円に対して、14:30〜15:00の時間帯は800円と、混雑する時間帯は価格を高く、空いている時間帯は安くしました。

その結果、店内に「密」をつくらずに、売上を立てることに成功。価格設定の見直しは柔軟にしているそうです。同店はもともと12席のみ。単に席数を減らしてしまうと、売上を逃すことになったでしょう。

ウィズコロナの時代に飲食店を営業していくには、何より感染防止対策が大切。しかし、それだけでは売上をキープし続けるのは難しいかもしれません。今一度お客様、そして自店のためにも、これまでの店舗運営を見直してみましょう。そして、上記のような繁盛店の事例を参考にしながら、自店でできる工夫を探してみてはいかがでしょうか。