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コロナ禍の飲食店売却事情・売却理由を調査。事業成長を狙った前向きな譲渡も
2021年09月02日

2020年から2021年の6月まで、コロナ禍にM&Aで飲食店売却を行った方々へ売却理由を尋ねた調査結果が出ました。現在の飲食店売却事情はどうなっているのか、どんな理由で売却しているのかなどをご紹介します。
苦境を乗り切るため、飲食店が行動を開始!
新型コロナウイルスの感染拡大で営業時間短縮やアルコールの提供停止を余儀なくされるなど、飲食店を取り巻く環境は依然として厳しいままです。また、協力金や補助金の支払いが遅延している地域もあり、資金繰りに悩むことも増えているようです。
そんな中、廃業をする飲食店がある一方で、事業を譲渡することで店の看板や従業員の雇用を維持しようという動きが活発になっています。
M&A市場は、初の緊急事態宣言が発令された2020年4月から5月にかけては落ち込みました。しかしその後は、新型コロナウイルスによる社会変化を前向きに捉え、転換期だからこそ攻めの経営をしようと考える企業が続々と登場。飲食店のM&Aにおいては、特に異業種や地方の企業が買収に積極的で、お店の存続に成功するケースは増えてきています。

個人店も交渉がしやすい環境に
M&Aというと、大企業の経営戦略のようなイメージがあるかもしれません。しかし小規模店舗や個人店のM&Aの需要と供給が高まったことで、プラットフォームが充実。飲食店経営者も売買しやすい環境ができあがってきています。
また、リモートの活用が一般的になったことで、直接会わずに交渉を進めやすくなったことも、M&Aを加速させているようです。
売却理由は? 調査結果からわかること
では、アンケートグラフとともに、飲食店経営者たちがどんな理由で売却をしているのかを見ていきます。
売却理由の割合を見ると、2020年、2021年ともに、事業の「選択と集中」が1位を占めています。「事業の成長」は2020年9.0%、2021年は6.5%。「後継者不在」は7.7%から25.8%に増えています。一方で、「業績不振」は2020年5.1%、2021年6.5%と、低い割合にとどまっています。


これらの結果からは、コロナ禍で苦肉の策として売却するケースはあるももの、前向きな理由も多いことがわかります。戦略的撤退、他の企業に入ることによって雇用を維持する、新たなアイデアやノウハウを得る、資金を調達するなどの目的があると考えられます。
また、「業績不振」を理由にしていたとしても、M&Aは事業の価値やこれまで蓄積してきたノウハウや技術が認められてはじめて成立するものであるため、経営者にとって納得のいく結果となっていると予想できます。
<売却理由> 2020年 ・事業転換のため ・高齢のため/後継者不足 ・新型ウィルス感染症により、他事業への集中するため ・シナジーのある企業に買収してもらうことで、事業の成長速度をアップさせるため ・多店舗展開しており、今後注力する業態の絞り込みをするため ・コロナの影響により運営店舗の選択と集中を進めるため ・イグジットもしくは事業展開出来るパートナーを探しているため
2021年上期 ・ビジネスモデルの転換のため、事業拡大できる企業に引き継ぎたい ・事業の成長のため ・後継者不在のため ・地方に活動拠点を移すため ・今後の規模拡大に向けて ・コロナ禍による売上減少や、休業を余儀なくされたため
今後も飲食店のM&Aマーケットは活気付いていくと言われています。目的を持ちM&Aを成功させるためには、早めの行動も大きなポイントになっていきそうです。
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