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コロナ禍で考えたい、飲食事業の「選択と集中」。考え方と方法、事例を解説

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2021年07月29日

コロナ禍で考えたい、飲食事業の「選択と集中」。考え方と方法、事例を解説 画像素材:PIXTA

コロナ禍で飲食業界にとって苦しい状態が続く中、複数ある店舗の一部を閉店する、いくつかあるうちの事業の一つを売却し、残った事業に集中するといった事業整理、「選択と集中」を行う企業が増えてきています。今回は、ニューノーマルを見据えた飲食店の経営を考える人に向け、事業整理を行うメリットや注意点を説明します。

事業整理を行う飲食企業が増加

2021年3月、『ロイヤルホスト』を運営するロイヤルホールディングスは、グループ傘下の英国風パブを運営するハブの株式およそ20%を、ミクシィの投資ファンド・Tech Growth Capitalに譲渡。これにより、ハブはロイヤルホールディングスの持分法適用会社から除外されました。

ロイヤルホールディングスはホテルや機内食など、コロナ前に事業を多角化していました。しかし、コロナ禍で2020年12月期に275億3,200万円という損失を計上。総合商社双日と資本業務提携契約を締結して再建に乗り出しました。新型コロナウイルスで打撃を受けた事業の整理をしており、ハブの株式譲渡もその一環とされています。

この事例に限らず、外食企業にとって事業整理はポストコロナを乗り越える一つのキーワードとなりそうです。

コロナ禍で考えたい、飲食事業の「選択と集中」。考え方と方法、事例を解説 画像素材:PIXTA

「選択と集中」はハイリスクハイリターン?

飲食店の業態を絞り、経営資源を集中すると売上にどのような影響があるのでしょうか。簡単な試算をしてみましょう。

企業Aは月商800万円の焼肉店、900万円の居酒屋、600万円の寿司店を経営しているとします。企業Bは月商800万円、900万円、600万円の居酒屋を経営しているとしましょう。両社とも3店舗を合計した月商は2,300万円です。

コロナ禍で焼肉店の売上が平時の80%、居酒屋が30%、寿司店が70%になったと仮定します。すると、企業Aは月商が1,330万円、企業Bは690万円となります(ここでは給付金の影響などを除きます)。企業Aの月商が平時の58%、Bが30%です。

ここで、ワクチン接種が進んで外食や行楽が解禁され、抑え込まれていた消費が一息に盛り上がるリベンジ消費が起こったと想定します。居酒屋への影響が大きく平時の110%になったとし、焼肉と寿司の需要はコロナ時代と変わらなかったとします。

すると、企業Aの月商は2,050万円、企業Bの売上は2,530万円となります。企業Aの月商は平時の89%、Bは110%。分散投資型の企業Aは非常事態に陥ったときの減少幅を抑えられる一方、特需が生まれたときのリターンが抑制されます。集中投資型の企業Bは、需要の縮小を真正面から受ける一方、特需でのリターンが大きくなります。業態を集中することはハイリスクハイリターンなビジネスと言えます。

経営資源を効率的に活用する時代へ

ハイリスクハイリターンでありながらも、中小企業は事業を集中する方が経営上有利に働く可能性は高いです。その理由を定性的な視点から説明します。

ここ一年で消費者の飲食店探しは激変。グルメメディアの一極集中型から、SNSやGoogleマップの活用など、消費者の店探しは分散しています。また、Instagramが飲食店探しに適合したマップ機能を実装したり、飲食店を紹介するTiktokインフルエンサーが登場したりと、集客につながる情報発信は日々急速に変化。業態を複数展開していれば、集客の難易度が高まることも考えられます。

一方、同一業態のドミナント戦略であれば、集客の傾向はつかみやすくなります。また、繁忙期に顧客が集中した場合も、他店への案内がスムーズに。近年はインフルエンサーが来店し、一気に認知度が広がって集客の瞬間風速が上がることも。

看板メニューの開発やスタッフの流動的な活用、仕入れの一本化など、効率的な経営もできます。閑散期の売上減はコロナ前よりも厳しいものと予想されるため、効率的な経営はニューノーマルを生き残る大きな要因の一つともなります。

店舗の売却でポートフォリオの整理を

事業の選択と集中をする上で重要になるのが、M&A。店舗を撤退する場合は、原状回復などの退去費用などで巨額の費用が発生しますが、M&Aでの店舗売却であれば、売却益が入ることもあります。

多店舗を展開している大きな企業であれば、事業部を立ち上げているケースもあるでしょう。その場合は事業譲渡を活用して、事業部そのものを売却することも可能です。事業部を子会社化していれば、株式譲渡で売却することもできます。

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大手企業は新業態の開発、中小は事業の集中と二極化

すかいらーくのから揚げ専門店、『金の蔵』の三光マーケティングが新たに仕掛ける寿司店、ワタミが大量出店を計画している焼肉店、鳥貴族のハンバーガーショップなど、資本力のある大手企業はニューノーマルを見据えた業態開発を進めています。その一方で多くの中小企業は選択と集中を進め、効率的な経営を目指すと予想されます。

ワクチン接種が進むアメリカでは、飲食店や公共施設の利用制限が解除。飲食店は2019年に近い水準まで予約数や売上が戻っていると報じられています。日本はもう少し時間がかかりそうですが、今の厳しい状態はそう長く続かないとも考えられています。リベンジ消費、そしてその先のポストコロナへの準備が大切となるでしょう。

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