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M&Aの成功を左右するキーマン条項、COC条項とは?メリットや注意点を解説

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2022年01月27日

画像素材:PIXTA

M&Aにおいては、買い手と売り手双方が自分にとって有利な条件を引き出そうとします。特に巨額の対価を支払う買い手にとっては、買収した会社をこれまで通り安定的に運営したいという心理が働きます。そのとき、最善手となるのが経営陣を変えずに買収することです。その一方で、売却する側は早く会社を手放したいと考えています。買収後も経営陣を会社に残せる契約がキーマン条項です。

会社を安定させる上でもう一つ重要になるのが、取引先との関係をこれまで通り続けることです。しかし株主の変更によって、重要な情報や技術力が流出するという取引先の不利益が発生する可能性があります。それを防ぐのがCOC(チェンジオブコントロール)条項です。COC条項は取引先と被買収企業が結ぶものであり、買い手にとって不利益となる可能性があります。

この記事ではM&Aで重要な役割を担うキーマン条項、COC条項を解説します。

投資ファンドの買収は経営陣の続投も多い

2021年8月に「宅配とんかつ専門店 かさねや」を運営するSBICに対し、投資ファンドCLSAキャピタルパートナーズが資本参加すると発表しました。投資ファンドによるM&Aです。SBICは経営体制、運営方針を変更することはないとしています。CLSAは2021年3月にもレストラン「カノビアーノ福岡」を運営するディアーズ・ブレインの全株を取得したと発表していますが、代表の小岸弘和氏はそのポジションのまま経営を継続しています。業務の平準化が難しいサービス業では、買収後も経営陣が変わらないことが少なくありません。

会社を買収した後も、事業を継続する上で重要な役員や従業員が一定期間在籍して経営に携わることを義務付ける契約がキーマン条項です。飲食店の場合、経営陣の他、料理長や女将、マーケティング責任者など簡単に業務が引き継げない人が対象となります。期間は長くて5年、短くて1年程度です。

キーマン条項のメリット・デメリット

■買い手のメリット

・事業を安定的に運営できる

■買い手のデメリット

・買収後にキーマンのモチベーションが下がる可能性がある
・期待値を下回った場合でも在籍し続けるリスクがある

■売り手のメリット

・売却額を上げる余地がある

■売り手のデメリット

・売却後の自由がなくなる
・裁量権が奪われてこれまで通りの仕事ができず成果を要求されるリスクがある

売り手にとってのメリットは売却額を上げる可能性があることです。キーマン条項は売り手にとって有利な条件ではないため、それが価格に反映されることが多いのです。

気をつけなければならないのが、会社のオーナーでなくなったことで経営者の裁量権が奪われ、当たり前だった仕事の進め方ができなくなる可能性があることです。

買い手のデメリットは、キーマンが急速にモチベーションを失って期待していたほどの実績を上げられない可能性があることです。

M&Aの成功を左右するキーマン条項、COC条項とは?メリットや注意点を解説 画像素材:PIXTA

取引先の技術流出を防ぐCOC条項

COC(チェンジオブコントロール)条項はM&Aの買い手が特に注意すべき内容です。COC条項はM&Aを実施して会社の支配権に変化が生じる場合、取引先への対応について契約書に記載されているものです。株主が変わることによって取引先に不利益が生じるリスクがある場合、COC条項があると取引先は契約を解除することができます。

買い手側はデューデリジェンスにおいて、取引先とCOC条項が結ばれていないか確認する必要があります。多くの場合、取引先に対して解除権を行使しないよう同意を取り付け、M&Aの契約書に盛り込むことによって解決します。

商業施設内の飲食店は特に注意

飲食店でCOC条項が特に問題になるのが、賃貸借契約です。M&Aで株式を譲渡した場合、A社の株式がBからCに移転しただけであり、賃借人はA社のままです。契約した法人は移転していません。賃借権を譲渡するわけではありませんので、賃貸人の同意は必要ないはずです。

しかし、商業施設などの賃貸借契約はCOC条項が盛り込まれていることがあります。賃貸借契約の解除事由として「株主、代表者に変更があったとき」などと記載されているのです。この場合、M&Aを実施する前に賃貸人の同意を得る必要があります。

買収することがゴールではないM&A

M&Aを成功へと導くポイントは、買収後の統合プロセスであるPMIだと言われています。キーマン条項は買収後に会社を安定的に運営する切り札となります。COC条項は買収後に取引先がいなくなった、テナント契約が解除されたなどの思わぬトラブルの元となります。買収後の会社をイメージして必要な条項を盛り込み、重要事項の調査を抜かりなく進めることが重要です。

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