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コロナ禍での代表就任も持ち前の経営眼で乗り越え再成長を誓う! クリエイト・レストランツ・ホールディングス代表・川井潤氏が語るアフターコロナのポートフォリオとは

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2024年01月22日

「しゃぶ菜」、「海南鶏飯食堂」、「かごの屋」、「磯丸水産」など、メジャーブランドを展開する株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス(東京都品川区)。「Saint-Germain」のM&Aも記憶に新しく、アフターコロナも創業時から続けているマルチブランド・マルチロケーション戦略で精力的に展開を広げている。今回は、代表取締役の川井潤氏にインタビュー。コロナ禍の苦境を乗り越え、今後実現していくビジョンについて伺った。

コロナ禍での代表就任も持ち前の経営眼で乗り越え再成長を誓う! クリエイト・レストランツ・ホールディングス代表・川井潤氏が語るアフターコロナのポートフォリオとは

1963年生まれ。早稲田大学を卒業後、日本興業銀行に就職。第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の三行統合、みずほ銀行の立ち上げといった重要部署に従事する。そんな中、クリエイト・レストランツ・ホールディングスの創業者・岡本晴彦氏の誘いをきっかけに、2003年、同社へ入社。2021年、代表取締役に就任した。

金融業界から飲食業界へ転身。培った経営眼で組織の基盤づくりに奔走する

―前職は金融業界。その後、飲食業界に転身するというユニークな経歴をお持ちの川井社長ですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

川井氏:直接的なきっかけは、創業者の岡本晴彦に声をかけられたことです。実は、私と岡本は子どもの通う幼稚園のパパ友でして、「今後、上場を目指していく」という彼のビジョンに心動かされました。私も当時40歳を目前にして、一生勤め人でいることに疑問を抱いていて、自分自身が経営に直接関わりたいと考えていたタイミングでした。なにより、飲食業という仕事には魅力を感じていましたし、当時30店舗ほどのベンチャーを上場させるという岡本の熱意にも心動かされました。新たな挑戦をしたい。そのためのステージとしてもタイミングとしてもこの上ない。そういった経緯で、クリエイト・レストランツ・ホールディングスへの入社を決めました。

―飲食業界と金融業界とでは、業務内容や風土など、かなりギャップがあったかと思いますが、いかがでしたか?

川井氏:入社前はユーザーとして、飲食業界に携わる方々のホスピタリティに尊敬の念を抱いていました。私が入社した当時の弊社の社員、スタッフの皆さんも常にお客様のことを考える、モチベーションの高い方々でしたので、リスペクトはより強くなりましたね。
業務としての魅力も、金融業界とはまったく違うものでした。例えば、銀行の収益は資産運用による金利、いわゆるストック型のビジネスモデルなのですが、飲食店は常に売上を上げて利益を上げる、フロー型のビジネスモデルです。つまり、いつも動いていないと収益が得られない。うまくいったか、いかなかったか、リアルタイムでわかってしまう。ある種の手作り感と言いますか。そういったところが面白いな、と感じました。
一方で、銀行だと何をするにも書類が必要だし、当然のことながらお金は1円単位まできっちり計上する。その点、当時の弊社は割とざっくりしていて、業務ごとのマニュアルはないし、お金の表記も1万円以下は省略。こういった点は上場を見据えた企業としては改善しなければならない点なので、少しずつ変えていきました。

―その後、公約通り、2005年にマザーズ上場を果たすわけですが、入社後、川井社長はどのような業務に従事していたのでしょうか?

川井氏:最初の仕事は本社の移転でした(笑)。とにかく当時は出店と採用に力を入れ、上場に耐えうる体制をつくることが私の最大のミッションでしたね。
出店については、当時は強いブランドを持った居酒屋やレストランのチェーンが市場を席捲している状態でした。しかし、もともと三菱商事の社内ベンチャーからスタートしたクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、強いブランドをつくるノウハウがない。そこで岡本を始めとした創業メンバーが立てたのが、マルチブランド・マルチロケーション戦略でした。業態ありきで戦略を立てるのではなく、立地やロケーションに合わせてブランドをつくる。「街にないものを提案する」ことで、競合をつくらない。
当時は珍しい戦略でしたが、今になって振り返るとチェーンブームが一区切りつき、そうではないところに価値を求められるタイミングだったこともあって、スピード感を持って展開できた要因だったと思います。

コロナ禍の中での代表就任。未曾有の危機を乗り越え、再成長への地盤を固める

コロナ禍での代表就任も持ち前の経営眼で乗り越え再成長を誓う! クリエイト・レストランツ・ホールディングス代表・川井潤氏が語るアフターコロナのポートフォリオとは

―2021年に代表就任。コロナ禍ということもあって決して楽ではないタイミングだったかと思いますが、いかがでしたか?

川井氏:2021年は店舗の大半を休業し、利益では100億円以上のマイナスと、まさに創業以来最大のピンチと言える状況でした。当時を振り返り、コロナ禍の本当の脅威を考えると、「終わりが見えないこと」だったのではないかと思います。だからといって、何もせずにいてはどんどん縮小してしまう。企業としては、再成長を考えなければいけません。
似たような事例で、スペイン風邪も3年ほどで落ち着いた、という話も耳にした。根拠としては乏しくとも、コロナ禍も「長くて3年」と信じるようにする。そうして、経営計画を立て直して、実行に移していきました。

―具体的には、どのような経営計画を行っていたのでしょうか?

川井氏:まず、最も大きくコロナ禍の影響を受けた2021年は、コスト構造の見直しと資金調達に注力し、筋肉質な経営体質の基盤づくりを行いました。 続く2022年も協力金のおかげでなんとか黒字に乗せた状態でしたが、コスト構造の改善は実現し、再成長に向けた基盤の整備はできました。
この2年間は基礎収益力強化期間と考え、2023年以降は「ホップ」、「ステップ」、「ジャンプ」をテーマにした3ヶ年の中期経営計画で再成長期にしていきます。

―直近では2023年の「Saint-Germain」のM&Aが記憶に新しいですが、こちらも経営計画の施策のひとつなのでしょうか?

川井氏:はい、弊社としては初のベーカリー事業のM&Aで、中長期経営計画1年目のテーマ「ホップ」の主軸となる、ポートフォリオの見直しを図るものです。
コロナ禍を経て、外食業界はハレの日の利用よりも、「日常」、「定番」、「地域密着」といった需要が増えました。そういった要素を持っていたブランドが「Saint-Germain」だった。アフターコロナで伸びていくブランドになっていくと考えています。
また、コロナ禍が落ち着きを見せ、外食の需要は増えましたが、従来通りのやり方ではお客様が戻ってこないという現状があります。顕著な需要に対して、しかるべき供給を提供する。そのためにDX化に対しても力を入れています。 これらの施策は結果を結び、2023年2月期時点の実績では協力金なしでの黒字化を実現しました。中期経営計画2年目の「ステップ」では、既存店の質を向上し、「守り」から「攻め」の経営へと転換していきます。

―それは、コロナ禍のダメージから経営の地盤を整え、再び成長戦略を続けていくということでしょうか?

川井氏:その通りです。まさに「再成長」が必要な局面に来ていると思います。今、私たちの課題はアフターコロナのポートフォリオをどのようにつくっていくかなのです。
例えば、居酒屋業態で言えば、「とりあえずビール」の時代は終わっている。Z世代と呼ばれる若者たちはお酒を飲まない。かといって、コロナ禍で外出を制限された高齢者層もお酒を飲む機会が少なくなってきました。 また、消費者の情報収集の方法も口コミサイトからSNSへと変化して、より個々人の主観によるお店選びが主になってきました。経営者は、マインドから変えていかなければならないのです。

アフターコロナのテーマは「日常」。M&Aも活用して価値あるブランドを守りつつ、再成長を誓う

コロナ禍での代表就任も持ち前の経営眼で乗り越え再成長を誓う! クリエイト・レストランツ・ホールディングス代表・川井潤氏が語るアフターコロナのポートフォリオとは

―従来の御社の展開や今後の成長戦略を考えてもM&Aはとても有効な手段だと思いますが、いかがでしょうか?

川井氏:そうですね。もちろん、弊社の成長戦略という狙いもありますが、それだけでなくM&Aをした企業と一緒に成長していきたい、という気持ちの方が強いです。
私たちのM&Aは「磯丸水産」や「Saint-Germain」といったメジャーブランドの印象が強いかもしれませんが、小ぶりでもキラリと光るブランドの発掘に対しても前向きです。
例えば、2019年にグループ入りした株式会社いっちょうは、栃木県や群馬県を中心とした北関東で展開する飲食チェーンです。地元に暮らしている方々にしてみたら、「何かあったら『いっちょう』」と認識されているほどブランドが立っている。
これは、アフターコロナのキーワードのひとつ「日常」という部分と合致している。地域の人々にとって、なくてはならないブランドを守り、成長させていくことにつながる。
他にも、コロナ禍を乗り越えたけど後継者不足に悩んでいる老舗など、価値あるブランドを後世に残していくことも考えています。 単純に規模を大きくするためではなく、必要とされるブランドを、適正な規模でマネジメントしていく。そのようにして、グループ全体をさらに成長させていきたいと考えています。

株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス

https://www.createrestaurants.com/
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