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ワンオペで坪月商25万円を売る下北沢『ベルプリ』。徹底した「客目線」でグルメ好きを虜に

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ビーツを練り込んだピンク色が鮮やか。クミン・コリアンダー・ピスタチオなどのミックススパイス「デュカ」をふりかけた

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料理は全て小皿料理。ポイントは「ワインに合うマイナーチェンジ」

「僕も外食するときに思うのですが、お酒を飲みながらいろんな料理を楽しみたい。予算もそうですが、むしろお腹の容量的に、小さなポーションが大人にはうれしいんです」

だから同店のメニューは小皿料理ばかり。カウンター席の一人客にはハーフサイズでも提供していて、一人や少人数で来ても、あれもこれもと、数種類の料理を注文できるメニュー構成にしている。またポーションを小さくする以外にも、大人世代に喜ばれる提供の工夫があるという。

「ひよこ豆をペースト状にした中東料理『フムス』は、通常はパンに塗って食べますが、当店では季節の野菜を添えて、いきなりお腹いっぱいにならないように、サラダ感覚の前菜として提供しています。それから『マトンラグーのマニケ』や『春菊のカサレッチェ』など、パスタはショートパスタにこだわっています。これなら食事の締めではなく、ワインのアテとして、お話を楽しみながら召し上がれるので」

旬の野菜や果物を豊富に使い、季節の移ろいと共にメニューは少しずつ変更しているという。独創的な料理ばかりに見えるが、メニュー開発において重視しているのは、ただシンプルに「ワインに合うこと」だと言う。

「たとえば辛味が出すぎないように、あえてスペイン産の唐辛子を使ったり、本来はパクチーで作るものでも、香りを控え目にするために春菊に変更したり。奇をてらった料理を作るのではなく、あくまでワインに合わせることを考えています」

左から、ピュアな味わいと綺麗な酸味が魅力。香りと味わいのギャップからマニアにも人気。香り華やかで、同店でも人気の高いオレンジワイン

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提供するワインはナチュラルワインのみ。常に10種類をグラスで用意

ソムリエでもある小師さんがこだわりを持って提供するのは、世界各国のナチュラルワイン。泡・赤・白・ロゼ・オレンジから、常に10種類をグラスで用意している。ハウスワインはなく常に新しいものに入れ替わるので、その時に入荷したワインの中から、お客さまとのコミュニケーションをもとに提案しているそう。

「生産地は国内外で偏りがないセレクションにしています。どちらかというとブドウ本来の味が楽しめるフルーティなものや、ナチュラルワインらしく酸のあるものを揃えています。果物を使う料理も多いので、酸味が料理との相性のポイントになってくれるんです」

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。