電話でのお問い合わせ

窓口:株式会社ウィット

03-6452-2190

  1. 飲食M&Aトップ
  2. M&Aマニュアル
  3. 飲食M&Aマガジン一覧
  4. 投資すべきは人材! 「大衆ビストロ ジル」のジリオン代...
飲食店M&Aマガジン
  • 買い手
  • 売り手

投資すべきは人材! 「大衆ビストロ ジル」のジリオン代表、吉田裕司氏のブレない軸は、ESとCSの両立にあり

LINEで送る
Pocket

2023年06月19日

「大衆ビストロ ジル」、「シナトラ」、「GONZO」など、数多くの繁盛店、人気ブランドを展開しているジリオン(東京都目黒区、代表取締役社長:吉田裕司氏)。掲げる企業理念は「サプライズとパワーを提供し続ける『街のエナジースタンド』へ」。お客様には「明日も頑張ろう」という活力を与え、スタッフには能力やスキルを伝授し、街に対して価値を創出し、魅力づくりに貢献する。特に特筆すべきは、人材育成だ。なぜ、人にフォーカスを当てるのか。代表取締役社長・吉田裕司氏に話を伺った。

投資すべきは人材! 「大衆ビストロ ジル」のジリオン代表、吉田裕司氏のブレない軸は、ESとCSの両立にあり

吉田裕司氏
大学生の頃、グローバルダイニング(東京都港区、代表取締役社長:長谷川耕造)が運営する「ZEST CANTINA」でアルバイトを始め、在学中に入社。その後、2005年にミュープランニングアンドオペレーターズ(現株式会社MYU東京都港区、代表取締役社長:高橋政義)に入社し、財務やコンサルティング、コンセプトメイキングといった知見を深めた。2013年に「大衆ビストロ ジル」で独立開業、翌2014年にジリオンを設立。その後も目黒区を拠点としたドミナント展開を続け、数々のヒットブランドを生み出し続けている。

グローバルダイニング、ミュープランニングで経営のいろはを学ぶ

―吉田社長が飲食業界で働き始めたのは大学時代のアルバイトとのことですが、きっかけはどのようなものだったのでしょうか?

吉田氏:まず、最初は新宿の「キリンダイニング」でアルバイトをしていました。そこを退職しようと考えていた頃、友人と恵比寿の「ZEST CANTINA」に食事へ行ったんです。そこで目にしたスタッフの接客や店の盛り上がりに惹かれて、アルバイト面接を受けた原宿店で働き始めました。

―働き始めてみて、いかがでしたか?

吉田氏:それまでも飲食店で働いていたわけなのですが、別にお客様への感動だとか、スタッフのプライドだとか、そういうのは持ったことがなかったんです。なので、「ZEST」ではサービスマンとして、飲食人として、プロの心得のようなものをインプットできましたね。今、ジリオンの副社長をしている菅原ともここで出会って。この頃から飲食業界で生きていこう、と思うようになったんです。

―その後、ミュープランニング入社することになりますが、どういった経緯だったのでしょうか?

吉田氏:グローバルダイニングで4年ほど働いてから退職することになるのですが、その後1年半くらい間が空くんですね。その頃、ミュープランニングの方から声をかけていただいて。私自身、まだ20代半ばでグローバルダイニング以外を知らなかったので、知見を広めようと入社したんです。
入社当初はグローバルダイニングと同様に直営店の店長とかマネージャーをやっていたのですが、ミュープランニングはコンサルティングの会社なので、少し経ってからは本部に行って全体的な仕事に関わるようになりました。社長直下のプロジェクトや短期的に収益を上げるとか、難度の高い仕事を任されることが多かったです。結果的に8年ほど勤めたのですが、財務やコンサルティング、業態開発、コンセプトメイキングといった様々なことを学ぶことができて、私の中の財産になりました。

独立からの快進撃。秘訣は、ESとCSの両立にあり

投資すべきは人材! 「大衆ビストロ ジル」のジリオン代表、吉田裕司氏のブレない軸は、ESとCSの両立にあり

―2013年に一号店「大衆ビストロ ジル」を開業、翌2014年にジリオンを立ち上げますが、この頃のエピソードも教えてください。

吉田氏:開業にあたっては、「ZEST」で上司だった菅原と、ミュープランニングで知り合った熊谷と3人で立ち上げました。もともと菅原とはミュープランニングでも一緒に働いていたのですが、某ビールメーカーとの合同プロジェクトの新店立ち上げで料理長として入ってきたのが熊谷でした。当時は仕事仲間という形で関わっていたのですが、私と菅原が独立しようという話をしたとき「一緒にやりたい」と言ってくれたので、創業メンバーとして店を立ち上げることになります。

―「大衆ビストロ」という業態はどのように決めたのでしょうか?

吉田氏:実は業態はなんでもよかったんです。料理長となる熊谷がフレンチ・イタリアンができるので最終的にビストロになったというわけで、和食の職人がいれば「酒場ジル」だったかもしれません。その代わり、自分たちが楽しめること。つまり、現在にも続く「ES(従業員満足度)の向上」にフォーカスすることは決めていました。飲食店を立ち上げて人材を雇うということは、その人の人生の責任を持つ、ということじゃないですか。家族になるようなものなんで。だから、当たり前の話だけど絶対に潰しちゃいけないし、働く環境も良くしていかなければならない。ESが向上することで、CS(顧客満足度)にも向き合えるはずだと、そう考えているので。でも、当時、飲食店というとCSを追う店舗が圧倒的に多くて、ESにフォーカスした経営をしている企業って、ほとんどなかったと思うんです。実際、ESとCSを両立するのって難しいことなんです。でも、できないことではない。そう信じて、創業以来ES、CSの両立を実現させようと努めてきました。

―独立後も立て続けに繁盛店を展開していましたが、やはりESとCSの両立に秘密があるのでしょうか?

吉田氏:そうですね。正直、私たちは店舗数を増やす展開はしないことに決めていました。何年以内に何店舗とか、年商何億だとか、上場を目指すとか、具体的な出店目標を明示しない。これを決めたら実現しなければいけなくなって、結果的に自分たちがやるべきことの順番が変わっていってしまうんです。

例えば、上場するとか、年商何億円を目指すとか、スケールを重視した場合、行きつくところは単一業態のチェーン展開で、価格競争にもつれこんでいく。そうすると結局、全体の単価が下がっていって、働いている人たちへ還元することができなくなってしまう。それって、自分たちの価値や、もっと広い意味では飲食業界全体の価値を下げているということなんですよ。そうして、どんどん不人気な業界になっていってしまう。
それよりも、CSを上げて売上と利益が入ったら、従業員への価値提供に投資をするべきなんです。従業員の賃金とか、働く環境への設備投資とか、教育投資とか。そういったことにお金を使うことで、ESが上がる。それによって、飲食業が魅力的な仕事になっていく。魅力的な業界なら、おのずと人材が集まってきますよね。そうすれば、お客様により良いサービスを提供できるようになる。生産性が高くなるし、結果的に売上や利益は高くなるんです。

従業員の時価総額を高めるため、さらに企業を強くしていく

投資すべきは人材! 「大衆ビストロ ジル」のジリオン代表、吉田裕司氏のブレない軸は、ESとCSの両立にあり

―今後については、どのように考えていますか?

吉田氏:働いているスタッフの時間的価値を高めていきたいな、と思っています。ジリオンで働いていた時間の中で得られる価値ってなんなのか。知識なのか、スキルなのか、体験なのか、そういった預金残高以外の価値を提供していきたいですね。

実は私たちは会社設立からずっと「ジリオンアカデミー」という社内の勉強会をやっているんです。そこではスタッフたちに、現金で換算できる労働対価ではなく、自分自身の時価総額を上げることに力を入れなさい、と伝えているんです。

そのためにも、今後は会社として利益を上げる方法を模索して、もっと従業員に還元できる環境をつくっていく。私自身は、飲食事業の意思決定を別の者にゆだね、財務や採用といった部分に力を入れていこうと考えています。

株式会社ジリオンについて

事業内容:
飲食店の運営
飲食店のコンサルティング
HP:https://www.bistro-jill.com/

飲食M&A by 飲食店ドットコムでは、飲食事業を売却したい方と、譲り受けたい方の出会いから引継ぎをサポートさせていただきます。

事業の譲渡、売却をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
専門のスタッフが丁寧にご対応させていただきます。

  • 相談無料
  • 秘密厳守

電話でのお問い合わせ

03-6452-2190

受付時間:10-18時(土日祝祭日を除く)
窓口:株式会社ウィット

ページトップへ↑
飲食 M&A は株式会社シンクロ・フード
(証券コード3963)が運営しています