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コロナ禍でのデリバリーニーズすら見抜いた先見の明。ハイライトインターナショナル代表・和田高明氏の軸となる「負けない店舗運営」とは

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2023年07月11日

「肉酒場 ブラチョーラ」「肉ビストロ パテ屋」といった人気業態やデリバリーブランドのFCなど、多種多様な業態を展開しているハイライトインターナショナル(東京都練馬区、代表取締役社長:和田高明氏)。代表の和田高明氏は畜産メーカー出身で、飲食店未経験の状態から独立。他業界出身者から見た飲食業界はどのようなものだったのか。そして、その中で事業拡大のブレイクスルーはどこにあったのか。今後の展開も合わせて、話を伺った。

コロナ禍でのデリバリーニーズすら見抜いた先見の明。ハイライトインターナショナル代表・和田高明氏の軸となる「負けない店舗運営」とは

和田高明氏
1982年東京生まれ。大学卒業後、米久株式会社(静岡県沼津市、代表取締役社長:堀内朗久氏)へ就職。営業や商品企画の経験を経て、2011年5月に練馬で唐揚げ専門店「Aki Taka」を開業し、独立。飲食事業部のほか、食肉卸事業部や農園事業部、イベント事業部なども展開。2020年以降はデリバリーのFC事業もスタートし、幅広く業態を展開している。

畜産メーカーで経営ノウハウを習得。飲食店未経験ながら独立開業店は好調なスタートを切る

―和田社長は米久で6年ほど勤務したあとに独立。飲食未経験からスタートしていますが、その経緯を教えていただけますか?

和田高明氏(以後、和田氏):10代後半から漠然と「人に影響を与えられる人物になりたい」と、経営者に憧れを持っていたんです。具体的に「飲食店をやりたい」と思っていたわけでもないんですが、シンプルに「食べること」が好きだったので、食品関連の会社をいくつか受けて、米久に入社しました。

―ここではどのような経験を?

和田氏:まず、営業を4年ほど。その後は本社で仕入れや企画に携わる仕事をしていました。その中で、ある鶏肉をどのようにして売るか、というミッションに対して色々アイデアを出した時期があったんです。加熱後に冷めても柔らかく、肉汁が逃げにくいという特徴の肉だったので、揚げて使うのにぴったりだった。そこで当時「~~専用●●」という商品が流行っていたこともあって、「唐揚げ専用鶏肉」として売り出したら、大好評だったんです。

―その経験から、独立に?

和田氏:そうですね。食肉メーカー勤めだから仕入れのノウハウもある。会社勤めで、経営や数字の管理についても学びましたしね。「自分で店をつくれば、利益を出すことができる」という自信はあったんです。そういった経緯で、2011年5月に練馬で唐揚げ専門店「Aki Taka」を開業することになります。

2店舗目は3ヶ月で閉店も、即行動、即改善により、繁盛店に

コロナ禍でのデリバリーニーズすら見抜いた先見の明。ハイライトインターナショナル代表・和田高明氏の軸となる「負けない店舗運営」とは

―「Aki Taka」は1年で利益を出し、翌年の3月には板橋に焼鳥店を開業していますね。

和田氏:これ、結果的に3ヶ月で閉店してしまうんです。1号店が特に苦労も想定外もなくトントン拍子で売れて、「飲食業は簡単だ」と考えて、立地も業態も関係なく、数字管理さえできていれば利益を出せる、という感覚で出店。当然、お客さまは寄り付かなくて、まったく商売にならない。このときはさすがに、「ああ、ちゃんと考えなければいけないな」と痛感しました。

―具体的には何を考えたのでしょう?

和田氏:まず、「売上が上がらなくても成立する店づくり」でした。これは、2号店を閉める前から動いて、高円寺で7坪家賃10万円の物件を見つけていたんです。それこそまさに、板橋の店をたたむその日に契約を決めたほどの勢いで(笑)。それが、「肉Bistroパテ屋 高円寺」です。立地は決して良くなかったけれど、固定費を抑えることで、利益をとることができた。実際、「パテ屋」は現在もしっかり続いています。
この「低コストで利益をとる」、という考えはその後の展開の根幹になっています。例えば、イベント事業部も、出店コストが高い大規模イベントより、街のお祭りに出店して、高い利益をとる。負けないビジネスモデルが、まず最低限の条件です。

―もうひとつは?

和田氏:接客、商品などすべてにおける「店舗としての価値の見直し」ですね。と、いうのも2店舗目が失敗して、1店舗目も売上が下がっていったんです。原因は色々あったのですが、一番は「数字管理しかしていなかった」ことが大きかった。もちろん、経営上は大事なことなのですが、おいしさ、楽しさ、居心地の良さ。価値観は人それぞれあるけれど、飲食のお客さまは、「数字に表れない価値」にとても敏感です。そこに、私自身が気づいていなかった。大事にしていなかった。それが、お客さまに伝わってしまっていたのだと思います。

―具体的にはどのようにして「価値」を生み出そうとしたのでしょうか?

和田氏:繁盛店へ足を運んで勉強したり、接客マニュアルの見直しをしたりと、接客の改善から取り掛かりました。とはいえ、それで結果を出すには時間がかかるし、悠長にしている余裕もない。なにせ、新店舗目を3ヶ月で閉めた直後に、新たな店舗をオープンしているわけで、現実的に運営の原資が必要な状況だったんです。そこで、接客の見直しと並行して、1店舗目で新たな看板商品を開発することにしました。そんな中で開発した唐揚げ鍋が、運よくテレビ番組で紹介されて、予約が殺到。結果的に、月商200万円程度に落ち込んでいたのが、700万円まで跳ね上がりました。

―なんというミラクル。

和田氏:我ながら幸運だったと思います(笑)。ただ、今になって思えば2店舗目を失敗した瞬間も結果は結果として受け止めて、「だったら、どうするか」と必死に考えていたような気がします。正直、飲食業を侮っていた自分の甘さが招いた結果なわけで、落ち込んでいる暇はまったくなかった。メディアに拾われたことも、その場で考え得る最善を模索した結果だし、ここで回復したことによって、厨房やホールの人材確保など、内部を整えることもできた。そう考えると、会社として、飲食の姿勢を正して取り組むようになる、いいきっかけだったと思います。

デリバリーのニーズを先読みし、コロナ禍を黒字で駆け抜ける

―その後、毎年出店をしながら、2016年にはイベント事業部を、2017年には農園事業部も展開。中でも目を引くのは2020年から一気広がったデリバリーのFC展開ですが、こちらはコロナ対策でしょうか?

和田氏:結果的にはコロナ対策になったのですが、実はデリバリー事業自体は2019年頃から少しずつ始めていました。
従来通り、アルコール業態を主軸としつつ、それ以外の飲食にもチャレンジしようと、「練馬食堂 汁とめし」のような飲みではなく食事の需要を取り込む業態をつくったんです。そして、それと並行してデリバリー業態も進めていたら、「武漢でウイルス発生」のニュースが目に入るようになった。もともと畜産メーカーにいたので「あ、これはマズイかも」と直感して、1月頃から全店舗にひとつずつUber Eatsの業態を入れたんです。「きっと、外食が厳しくなる瞬間がくる」と思って。

―先見の明といいますか。和田社長の言う通り、新型コロナウイルスの流行によってデリバリー需要が一気に増えました。

和田氏:結果的に全店舗デリバリーをスタートできたのは4月下旬だったのですが、それでも周囲よりは早い方だったと思います。5月にはデリバリー1業態で月商400万円を売り上げることができるようになって、おおよそのヒットする法則みたいなものも見えてきました。そんな中で、私たちよりも後からデリバリーを始めた経営者の方々から、業態づくりやノウハウについて相談されるようになり、それがFC展開につながった、というわけです。

今後は関わった人々への「還元」を。それぞれの幸せにフォーカスを当てた未来図を模索

コロナ禍でのデリバリーニーズすら見抜いた先見の明。ハイライトインターナショナル代表・和田高明氏の軸となる「負けない店舗運営」とは

―和田社長の今後の展望などはありますか?

和田氏:実は、個人的な欲求はないんです(笑)。それよりも、人に還元していきたい。経営を続けてきて、長い付き合いの人たちがどんどん増えてきている。そういった人たちに、どう恩返しをしようかな、どんなパターンがあるかな、と、そればかり考えていますね。

―還元のパターン。興味深いですね。

和田氏:例えば、「独立したい!」という人には独立支援をする。実際、ウチでも6年ほど前から社内独立の仕組みをつくって、何店舗かスタッフに渡しています。でも、中には「独立したい」という欲求のない人もいる。じゃあ、彼らは何がしたいのか、そのために、私自身は何をできるのか。働いているスタッフ一人ひとりに合った還元の方法を考えているところです。

―確かに、誰もがみんな独立したいわけではない。独立開業だけが飲食で働く人のゴールではない。もしかしたら、飲食業界ではないところから始めた和田社長ならではの発想かもしれません。

和田氏:還元、という意味では、社外に対してもそうです。ウチは食肉卸事業部を運営していますが、卸先に対してほとんど利幅をとっていません。安く仕入れて、卸先が仕入れやすい価格で卸す。デリバリーのFCに対しても同様で、ウチにはほとんど収益性がないモデルにしています。今の自分があるのは、関わってくれた人たちがいるから。だから、恩返しをしたい。シンプルに、それが今、個人的にやっていきたいことですね。

その一方で、街の老舗店舗を買い取って、ウチで運営する、みたいなことはチャレンジしたいと思っています。

―いわゆる、昭和風情ただよう街の食堂のような?

和田氏:そうです、そうです(笑)。おじいちゃんがひとりでやっているような店。
シンプルに、ああいう店が大好きなんですよ。残せるものなら、残していきたい。でも、不思議なことにそういう店って、いつの間にか突然閉まっているんです。おそらく跡継ぎ問題が原因なのでしょうけれど。そういう場所を、ウチが買い取って残していきたいですね。
そういったお店は、感覚でやっていることが多いので、味の再現は苦労すると思います。けれども、そこに適した人材を配置すれば、老舗ならではの雰囲気は十分に引き継ぐことができる。老舗の良さを残しつつ、私たちの強みを加えていけば、よりよいお店ができると考えています。そうして地域に愛された店が、脈々と残っていくことがすごく重要だと思うんです。「そこに、その店がある」ということが、ファンにとってすごく大事で。そういう、地域への還元も、やっていけたらいいな、と思っています。

ハイライトインターナショナル株式会社について

事業内容:
飲食店の経営・運営・企画・開発
フランチャイズシステムによる飲食店の経営
飲食店の経営に関するコンサルティング業務
食材・弁当・惣菜等の企画・研究・開発・販売
イベントの企画・運営
前各号附帯する一切の事業
HP:https://hi-light-intel.jp/

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