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「日本での経験、すべてが宝物」─『くし家』ホウ・ライ・シャンさん|ルーキーズ・スナップ

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今回取材したホウ・ライ・シャンさん

清澄白河にある『くし家 清澄白河店』は、本場大阪の串カツのほかB級グルメを雰囲気たっぷりに楽しめる居酒屋。同店のほか、都内に系列店『くし家 串猿』を7店展開するなど順調に拡大中で、清澄白河店は昨年10周年を迎えた。8~9割が常連客であるこの店では、カウンターで常連客同士が仲良くなり、またスタッフとも冗談を言いあったりとじつにアットホームだ。

そんな同店に今年6月から仲間入りしたのが、香港からワーキングホリデーで来日中のホウ・ライ・シャンさん(27歳)。わずか2カ月弱の間に、すでに常連客の顔と名前を覚え、お客からもスタッフからも“ホーリー”というあだ名で呼ばれる人気者だ。

香港の高校を卒業後、アメリカの大学で4年間アートを学んだというホーリーさんは、英語、広東語、中国語と3つの言葉を操る。日本語はまだ勉強中だというが、それでもすでに接客の仕事はなんなくこなしているというから驚きだ。そもそも香港のディズニーランドでキャストのアルバイト経験もあり、接客自体は慣れたもの。そしてはじけるような笑顔がチャーミングだ。

「日本語のメニューでも漢字が入っていれば大体の意味がわかるものもあります。それにオーダーが聞き取れない時などは、お客さんのほうがゆっくりと繰り返してくれたりします。『くし家』に来るお客さんはみんな親切でびっくりしました。時々常連さんがお菓子やお土産を差し入れしてくれたりもします。ここはお客さんもスタッフもみんなが家族のようなんです」

サクサクの大阪串カツが楽しめる。二度づけ禁止はお約束

接客は生きた日本語と文化を学ぶチャンス

外国人のお客が来た時などはまさにホーリーさんの活躍時だ。実際、この2カ月の間にも中国、韓国、アメリカ、スペインなど多種多様な外国人が訪れたという。ある時は英語で、またある時は中国語で。臨機応変に対応ができるホーリーさんは頼りになる存在だ。

「難しいのは、メニューの説明を求められた時。味だけでなく何が入っているのかなどの質問には、すぐ答えられない時もありますが、厨房まで行って聞いたりしています。仕事だといろんな人と話すし、否応なくいろんな言葉を覚えますよね。生きた日本語や日本の食文化を学べる絶好の機会だと思っています」

言葉が通じない異国の地で常に前向きでいるのは、並大抵のことではない。困難を困難だと感じない理由は彼女の将来の夢にあった。

お客さんとの距離が近いのもこの店の魅力

夢はアーティスト「すべての経験が宝」

「じつは、将来、絵や彫刻、インスタレーションに関わるアーティストになりたいんです。世界の文化を知り、人生経験を積むことはアーティストにとってはとても大切なこと。在日中にできるだけいろんな経験をしたいですね」

清澄白河にも、確かに国際化の波が訪れていると感じた今回の取材。ホーリーさんのような意欲溢れる外国人スタッフを求めるお店は、今後も増えていくことだろう。

【PROFILE】
趣味/アート・デザイン
特技/絵を描くこと&語学
チャームポイント/笑顔
休日の過ごし方/公園を散歩
好きな異性のタイプ/優しい人、ちょっとシャイな人にグッときます
将来の目標/アーティスト
得意な仕事内容/接客
お店のおすすめポイント/アットホームな雰囲気
お仕事のやりがい/日本語を学び異文化を知ることができること

清澄白河駅からすぐ。店前のビリケンさん像は地域で親しまれている

『くし家 清澄白河店』
住所/江東区清澄3-4-16 パークサイド清澄第2ビル
電話番号/03-6809-3520
営業時間/17:00~25:00(L.O.23:00)
定休日/年末年始

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あきのきりん

ライター: あきのきりん

大手飲食企業のイタリアンやカフェのキッチンでの勤務経験あり。地域に根差したフリーペーパーの副編集長を務める傍ら、Webメディアのライターとして活動を開始。飲食店の裏の努力を掘り下げる記事が得意。