スムーズな接客が実現するIoTベル「ねがブロ」。導入店舗に聞いた「実際のところ」

ブロックは手のひらサイズ。リストバンドは時計の機能付きだ
飲食店でおなじみのコールベル。居酒屋などでは当たり前のように置いてあるが、「ピンポーン」という大きな音が鳴るため、落ち着いた雰囲気の店には似つかわしくないのも事実だ。また、あくまでもスタッフを呼ぶためのツールであり、「お水が欲しい」「メニューが欲しい」など簡単な要望でも、スタッフはまず要件を聞きに客席へ行くため、店内を往復しなくてはいけない。客にとってもスムーズに要望が叶えられず、もどかしく思うことは少なくない。
そんな問題を解消するのが、エスキュービズムの「ねがブロ by noodoe(ヌードー)」だ。こちらは、客の要望が書かれたブロックとリストバンドがセットになったツール。ブロックのそれぞれの面には「お水」「会計」「次の料理」「メニュー」など客の“お願い”が書いてある。客が、望む用件が上になるようにブロックを倒すと、スタッフのリストバンドに要件とテーブル番号が通知される……という仕組みだ。
そんな「ねがブロ 」を導入している『出汁しゃぶ おばんざい おかか 新宿』の中野さんに導入後のメリット・デメリットなどリアルな感想を伺った。

落ち着いた雰囲気でゆっくりとくつろげる『出汁しゃぶおばんざい 新宿 おかか』の店内
「音が鳴らない」のが最大のメリット
「ねがブロ」に興味をもった理由を伺うと、フロアの中心から見えづらい客席や個室があり、以前からサービス面での課題を抱えていたこと、そして何より、音が鳴らないため、店の落ち着いた雰囲気を保てるところに惹かれたそうだ。
『おかか』は、出汁を楽しむための料理を提供する和食店だ。使用しているのは「にんべん」のかつお節。店頭で削りたてかつお出汁を使用し、名物の「出汁しゃぶ」やおばんざいを提供している。出汁しゃぶをはじめとする料理の説明や、サービスにも力を入れており、落ち着いた雰囲気でゆっくりと食事を楽しんでもらうことを大切にしているため、大きな音が鳴るコールベルはできるだけ使用したくなかったという。
客の要望を叶えながら、効率的に時間を使えるように
導入後のメリットは、なんといっても店の雰囲気を壊さず、個室やフロアの中心から見えづらい客席へのサービスが行き届くようになったことだ。
特に、個室でコースを利用する客に対しては、次の料理を出すのに客にとってベストなタイミングをうかがうのも一苦労だったが、「ねがブロ」導入後は、客の好きなタイミングで提供できるようになった。
また、客の要望がわかりやすいので、新人スタッフも仕事がしやすいという思わぬメリットも。「お客様の要望を叶えながらうまく時間が使うことができるようになった」と使用したスタッフ全員が感じているという。
また、ドリングのオーダーや「水が欲しい」という呼び出しが増えたそうで、「ねがブロ」により客側も気軽に要望を伝えられるようになったといえる。常連客の中には「ねがブロ」のある席をリクエストする方もいるそうだ。
