横浜・野毛で50年続く名物中華店『三陽』。下ネタだらけのメニューで年商1億5,000万円!
労働者の町だった野毛。治安は劇的によくなった
今や野毛のランドマークといっても過言ではない『三陽』は、屋台からスタートし、実店舗の営業に移行したのだという。
「ありがたいことに最初からお客さんが来てくれて繁盛していました。ただ、開業当時は5坪の狭い店だったのでお客さんが入りきらず待たせることも増えてしまって。そこから屋台でボロ儲けしたお金で建物を売っていただき、一番多いときで4店舗やってました。いまのこの店舗自体は18年くらいです」
野毛を50年以上見てきた竹内氏に街の移り変わりを聞いた。
「ものすごく変わりましたね。僕が5坪の店でラーメン屋を開業した頃の野毛は日雇い労働者が多くて、その日の仕事にありつけなかった人達が路上で一升瓶片手に酒盛りを開くような地域でしたから。そんな街なので無銭飲食やケンカ、酔っぱらいから財布を抜き取るスリなんかも日常茶飯事でした。
そこから、日雇いの仕事を斡旋する手配師が寿町に移って、警察が体を張ってしっかりパトロールするようになり治安は改善しました。昔のガラの悪さから比べると嘘みたいに健全な街になりましたよ(笑)」
画像を見るうまい料理と接客でお客に喜んでもらうことが一番
屋台から店舗に姿は変わったが、『三陽』として変えていないことはあるのだろうか。
「中華料理店なので、うまいラーメンと餃子を出し続けたいという気持ちはずっと変わってないですね。『こだわりのタレが』とか、いろいろ能書きをたれるお店もあるじゃないですか。そんなものはウチにはなくて、とにかくお客さんがうまいと感じてヤギみたいに『うめぇ~!』って言ってくれればまた来てくれますから。
ラーメンと餃子という軸がありつつ、新しいメニューも常にどうしようかと考えていて……、まあ考えすぎて頭の毛がなくなっちゃったんだけどね(笑)。いろいろ考えるけど商品化されるのは少ないですね。常連客に食べてもらって、10人のうち8人くらいが『うまい』って言わないと出さないです。中華だけど北京料理とか四川料理とか関係なく、とにかくうまい料理を出す。そうしていれば店は繁盛しますよ」
接客スタイルもオープン当初から変わっていないことのひとつだという。
「お客さんに楽しんでもらうのも店の役目だと思ってるんで冗談ばっかり言ってますよ。たとえば70代だか80代のおばあちゃんが来店したら『おばあちゃんどうぞ、こちらバージンロードです』って言いながら案内したりね(笑)。『何言ってんの』って言いながらまんざらでもない様子で喜んでくれますから、それもウチの味のひとつかもね」
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やや、勉強に、なります。