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横浜・野毛で50年続く名物中華店『三陽』。下ネタだらけのメニューで年商1億5,000万円!

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餃子(400円)。たっぷりのニンニクがガツンと来る。「ニンニク最高! ニンニク大明神! ウチの神棚にはニンニクが飾ってあるから」(竹内氏)

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幅広い客層に支えられて月商1,000万円超え

多くのお客に愛される『三陽』。その人気は売上にもしっかり反映されている。

「17坪で3フロア、席数が全部で100席くらいで年商は約1億5,000万円。夜は軽く飲んで2~3品つまんで帰るお客さんが多いんで平均の客単価は2,000円前後。ランチタイムはラーメンと半チャーハンで500円のランチもやってるのでその半分以下です。もっと払ってくれてもいいんですけどね(笑)。

客単価がそれほど高くないぶん回転率も上げなきゃいけないから、夜のお客さんで飲みそうな人なら『ビールと餃子でいい?』ってこちらから勧めます。もちろん例外もあるけど、メニューを見て何を頼もうか迷わないようにエスコートしている感じですね」

店内に貼られている「おすすめしてます」の貼り紙

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昔からの常連客はもちろんだが、近年はまた違った客層が来店しているという。

「値段の割に上品なウチの店を、ネットやテレビで見て『面白い店だな』って思ってくれてるのか、若いお客さんも増えたんですよ。昔は日雇い労働者とかある程度年齢層の高い人ばっかりだったんですけど、今はむしろ20代のカップルとか若い人が多いです。もちろん屋台時代からの50年来の常連さんもいるし、いろんな世代のお客さんが来てくれるのは嬉しいですね」

今でも現役で働き続ける理由とは?

竹内氏は今年で82歳という年齢だが、ホール業務だけでなく厨房で鍋を振ることもあるというから驚きだ。

「バカのひとつ覚えでこれしか能がないからさ(笑)。店で働くのも楽しいし、閉店後に売上の勘定をするのが最高の喜び。学生時代はずっと廊下に立たされてたけど、経営は楽しいね。

どんな仕事でもそうだけど、元気がないと働く意欲が湧かないじゃないですか。栄養と休息をとって健康でいることが何よりも大事だと思っていて、従業員にもしっかり休むようにいつも言ってます。代替わりの準備も進めているけど、元気なうちは店に出続けたいですね」

ホール・厨房、経理・経営業務で縦横無尽に働く竹内氏

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【注目記事】初の立ち上げで月商700万円達成の渋谷『大人気』。集う人を幸せにする兄弟の唯一無二の店づくり

竹内氏が現在も現場に立ち続けているのは、やはりお客の喜ぶ顔を見たいからなのだろうか。

「自分が生活していくために一生懸命働いてるだけですから。お客さんに喜んでもらうとか、そんな立派なことは考えていないですよ」

この言葉は照れ隠しなのか、取材後に食べたラーメンと餃子はまさに絶品。ラーメンは厚切りのチャーシューと深みのあるスープがあとを引く。ニンニクの風味と肉汁がたまらない餃子はおかずとしても、酒のつまみとしても最高だ。ウケを狙った看板やメニュー名からは想像できない、味に対する「嬉しい意外性」こそが、リピーターを絶やさぬ秘訣に違いない。

自らの店を「ラーメン屋の裏街道を究めた雑草店」と話す竹内氏だが、エンタメ性あるメニューやサービスで楽しませ、うまい料理で胃袋を掴む。裏街道などではなく、飲食業の「王道」を追求しているのが『三陽』である。だからこそ、この街で50年以上愛されているのだろう。

『三陽』
住所/神奈川県横浜市中区野毛町1-36
電話番号/045-231-0943
営業時間/11:00~23:30
定休日/不定休
席数/100

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sacco 愛知県 居酒屋・ダイニングバー 既存店舗なし
なるほど〜!と感心させられた。
やや、勉強に、なります。
2023年04月25日 15時17分10秒
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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36