「お客様は神様」を捨ててカスハラに徹底抗戦。YOSROMANTICの飲食店経営論
今回話を聞くのは目黒『CASUAL BAR Don'tCry』『KARAOKE & BAR NiceFace』、恵比寿『大衆バル 沖縄LOVER』の3店舗を経営する、神田SEKIZAAIの代表取締役CEO・神田芳朗氏。
神田氏はNSC吉本総合芸能学院出身の元お笑い芸人。そして学生時代からYOSROMANTICの名義でヒップホップアーティストとしての顔も持つ。異色の経歴は飲食店経営のスパイスになっているのだろうか。
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自分が潰れないために「お客様は神様」を捨てた
これは神田氏が2023年2月14日にX(旧Twitter)に投稿した、『Casual BAR Don'tCry』のGoogleのレビューに対する反論。「2度と来なくて結構です」とかなり強い文章で綴られている。
「この投稿は店やスタッフを守るためにポストしました。入店時からこちら側を馬鹿にした態度で接してきましたし、このレビューを鵜呑みにされると店にとってマイナスでしかないのでちゃんと反論しておこうという気持ちですね」
現在では悪質な客に対してしっかり意見を伝えるという神田氏だが、最初からそうだったわけではない。
「2000年代くらいまでは『お客様は神様』という風潮がまだ強くあった気がします。僕も飲食店を始めたのは13年ほど前だったので、店側に落ち度があってもトラブルがあればとにかく平謝り。ただ、そうしているとストレスを感じることも多かったんですよね」
神田氏の心境が変わったきっかけは、町田でバーの店長をしていたときに出会った別の飲食店オーナーの一言だという。
「ある日、そのオーナーさんが泥酔客に『酔ってるのはわかるけど今日はもう帰って』と話す声が聞こえてきました。強気だなと思って客を帰した後に聞いてみると『だってムカつくじゃん。それに一人でやっててストレス抱え続けたら自分が潰れちゃうでしょ?』って。それを聞いて、必要以上にへこへこしなくていいんだなって考えになりました」
