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飲食店の廃棄物を“再資源化”する動きが拡大。廃油の回収協力で割引も

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近年、飲食店の生ごみや廃油を回収して再資源化する動きが広がっている。今回は今年6月からスタートした新たな取り組みを2つピックアップして紹介したい。

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仙台市は、食品廃棄物をリサイクルして発電

国の脱炭素先行地域に採択されている仙台市は、「109万人の日常を脱炭素化」をテーマに、定禅寺通エリア、泉パークタウンエリア、東部沿岸エリアの3エリアで、脱炭素化への取り組みを進めている。

定禅寺通エリアは取り組みの第一弾として、6月5日から「定禅寺通等食品リサイクル推進モデル事業」を開始した。飲食店から出る食品廃棄物(事業系生ごみ)を回収し、食品廃棄物をメタンガスにリサイクルして発電に使用。リサイクルの過程で出た消化液や発酵残渣(ざんさ)は肥料として利用する。

これにより焼却処分による二酸化炭素(CO2)の排出を削減。持続可能な資源循環の仕組みづくりを検討するとともに、カラスなどにごみ袋の中身を散乱されることも防ぎ、以前より課題となっていた衛生面や景観の改善を図るという。

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『カクヤス』は廃食用油の回収サービスを、首都圏エリアでスタート

酒類販売・配達事業を展開している『カクヤス』は、首都圏配達エリア内(東京23区全域、東京23区以外・神奈川・埼玉・千葉の一部)で、家庭や飲食店から出る廃食用油の回収サービスを6月24日から開始した。

廃食用油はSAF(持続可能な航空燃料)などに再資源化。SAFは従来の航空燃料より温室効果ガスを大幅に削減できると期待されている。またC-FUEL(バイオディーゼル燃料)も廃食用油を原料として製造される温室効果ガスの削減効果が高い軽油代替燃料だ。『カクヤス』は、配達だけでなく回収も行う「2way型サービス」で、温室効果ガス削減に貢献していく。

廃食用油の回収は、電話での商品注文時または店頭での商品購入時に依頼できる。回収容器と本数に応じて、一斗缶は1缶110円、ペットボトルは1本一律3円が、購入金額より差し引かれる。廃食用油を回収してもらえるだけでなく、値引きしてもらえるため、飲食店にとってもメリットは大きいだろう。

今回紹介した取り組み以外にも、多くの自治体が資源循環の実現を目指して動いている。自治体が実施している取り組みを調べ、参加してみてはいかがだろうか。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。