現役DJが手掛ける居酒屋、恵比寿『センロギワ.』。うまい飯とナチュールワインと90年代音楽
「やきとんとナチュールワイン」をコンセプトに、「DJによる音楽も楽しめる居酒屋」としてオリジナリティの打ち出しに成功しているのが、2022年3月にオープンした東京・恵比寿の『センロギワ.』。立ち上げメンバーは現役のDJで、調理未経験から短時間で経験を積み、開業を実現させたという。ユニークなコンセプト設計の背景と店づくりについて、調理場に立つ副店長の中川大輔氏に伺った。
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音楽×酒に、食事の要素をプラスして再出発
『センロギワ.』の店名の由来となった線路とは、JR恵比寿駅から目黒駅に延びる線路のことで、店は「アメリカ橋」の愛称で親しまれる跨線橋「恵比寿南橋」そばのビル2階に立地。店からJRの線路を見下ろすロケーションにあり、開放感のあるテラス席も魅力だ。20坪・38席で平日、週末ともにコンスタントに集客しており、とりわけ金曜、土曜は予約で満席になるほどの賑わいを見せている。
開業のきっかけは、コロナ禍だった。中川氏は、共同経営者の店長とともに西麻布でDJバーに勤務していたが、新型コロナの感染拡大が及ぼしたエンタメ業界への打撃は大きく、営業継続が困難な状況に。一度は場所を変えて出直すことも考えたが、中川氏が「恩師」と呼ぶ飲食関係の知人から「お酒と音楽だけではお客の来店目的が限られてしまう。調理を学んで、料理の要素も加えてみてはどうか」と助言を受ける。そこで名古屋の串焼き店を紹介してもらい、本来は3か月ほどかかる修業を約3週間に凝縮して習得。銀座の割烹料理店でも経験を積んだ。
「料理は素人だったので、『なぜこうするか』を理論としてきちんと教わることができたのは貴重な経験でした。肉のアク取りやエビの下処理など、素材の扱いや下ごしらえがいかに大事かも学びました」
修業先で学んだ焼きとんに合わせたのは、ナチュールワイン。「焼きとんをカジュアルに楽しめる店というイメージはありつつ、いわゆる赤提灯系居酒屋の雰囲気にはしたくなかったので、女性にも人気のあるナチュールワインを合わせました」と中川氏。ターゲットとしたのは、30~40代の男女。「ネオ居酒屋」を謳い、内装も洋風のバル風に設え、間口の広い店づくりを打ち出している。
