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スペイン産生ハムも輸入停止へ。飲食店が今検討すべき「ハモン・セラーノ」の代替案

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日本の飲食業界に「生ハムショック」第2波が広がっている。2025年11月28日、イタリア産に続き、主力だったスペイン産生ハム(ハモン・セラーノ、イベリコ豚など)の輸入もついに停止となった(参照1)。飲食店では今、在庫の確保や代替品の検討が急務となっている。

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イタリア産に続く衝撃。「ハモン・セラーノ」の在庫切れリスクと価格への影響

今回の輸入停止は、一時的な措置で終わらない可能性が高い。約4年前にアフリカ豚熱(ASF)が確認されたイタリア産生ハムは、現在も輸入停止が続いている(参照2)。これまで多くの店が、イタリア産の代替としてスペイン産の「ハモン・セラーノ」や「ハモン・イベリコ」に切り替えてきた経緯がある。今回は頼みの綱であったその「代替先」まで供給が止まる形となり、業界への影響は計り知れない。

日本が輸入する生ハムの7割弱をスペイン産が占めており、供給停止のインパクトは甚大だ。他国産への切り替えも進むとみられるが、主要2か国が同時に供給不能となれば需給バランスは崩れ、価格高騰や品薄は避けられないだろう。

現在は国内在庫により提供できている店も多いが、すでに卸への発注は集中している。在庫がなくなり次第、スペイン産生ハムの入手は当面の間、困難になることが予想される。

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輸入リスクからの脱却。「国産生ハム」への切り替えと、知っておくべき3つのタイプ

主要産地からの輸入が相次いでNGとなった今、値上がり必至のフランス産や米国産を追うよりも、供給が安定している国産生ハムへの切り替えを検討するのも一つの手だ。 近年は国内でも本格的な生ハム作りが広がり、品質が急上昇している。 いわゆる「ジャパニーズ・プロシュート(国産生ハム)」にもさまざまな製法がある。ここでは大きく分けて3つのタイプを紹介したい。

■長期熟成タイプ(プロシュート・ハモン・セラーノ風)
塩漬けした豚腿肉を乾燥庫で長期間じっくり熟成させる、本場ヨーロッパと同じ製法の国産生ハム。水分が抜けて凝縮した豊かな旨みが特徴だ。従来のスペイン産生ハムと同様、ワインのつまみや前菜の盛り合わせに最適。「国産の長期熟成生ハム」としてメニューに記せば、高付加価値の商品として訴求しやすい。

■ラックスハム(非加熱食肉製品)タイプ
調味液に漬け込んでから低温で燻製・乾燥させる製法の生ハム。しっとりとやわらかい食感で、塩味もマイルドなため日本人になじみやすい。サラダのトッピングなど、他の食材と組み合わせる料理にも使いやすく、幅広いメニューに応用できる。

■銘柄豚(ブランドポーク)使用タイプ
「〇〇黒豚」「〇〇高原豚」など地域ブランドの銘柄豚を原料にした国産生ハム。豚の品種や飼育地にこだわることで風味や甘みが増すのに加え、メニューにストーリー性が生まれるのが特徴だ。ブランド名を冠すれば、「国産×ブランド」という付加価値によって、輸入品以上の単価設定を狙える可能性もある。地産地消や「日本の食」をテーマにしたフェアでも訴求力を発揮するだろう。

情報は常に更新を。まずは卸業者への確認から

スペイン産生ハムの輸入停止がいつ解除されるか、先行きは不透明なままだ。だからこそ飲食店は、まず卸業者に在庫状況や今後の供給見通しを確認し、早めに次の一手を考えておきたい。

国産や他国産への切り替え、メニュー構成や価格の見直しなど、打てる手立てはいくつかある。輸入リスクを前提に動くことで、繁忙期でも安定した提供体制を維持しやすくなるだろう。

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すずきあゆみ

ライター: すずきあゆみ

フリーライター。飲食業界で約8年にわたり接客・調理に携わった経験をもとに、現場目線を大切にした取材・執筆を行っている。現在は食・暮らし・働き方を中心に、インタビューやコラムなど幅広く執筆中。 https://www.instagram.com/ayumisuzuki__/