目黒のイタリアンビストロ『カメリーチェ』。1年半で坪月商56万円にUPした改善術
2025年1月に目黒でオープンしたイタリアンビストロ『camalice(以下、カメリーチェ)』。店舗面積わずか10坪、28席という限られた空間ながら、月商約560万円を叩き出している。
オーナーの近藤克哉氏は、元グローバルダイニングでマネジメントを学び、『権八 西麻布』などで店長として活躍した実力者だ。オープン当初は「無農薬」や「オーガニック」を前面に打ち出していたが、あえてその看板を下ろし、ワインに特化したことがブレイクの契機になったという。独立の経緯から独自のメニュー戦略、そして2026年4月にオープンした2店舗目『Dao(ダオ)』の展開まで、近藤氏に話を聞いた。
星付きフレンチを目指した料理人がマネジメントに目覚めるまで
近藤氏の飲食業界でのキャリアは、調理師専門学校卒業後、フレンチの料理人からスタートした。当初は星付きレストランのシェフを目指していたというが、ストイックな鍛錬にのめりこめるほどの才能が必要だと感じ、一度は挫折を味わった。
その後、自分がトップシェフになるのではなく、優秀なスタッフを雇い、チームで素晴らしい店を作ればいいのではないかと考えた近藤氏は、本格的にマネジメントを学ぶためにグローバルダイニングへと入社する。同社では料理人であっても、シフト作成やオペレーション構築などのマネジメントスキルが必須だった。ここで基礎から徹底的に経営感覚を磨き上げた近藤氏は、銀座の店舗で料理長とマネージャーを兼任したのち、エリアマネージャーへと順調に昇進していく。
特に大きな経験となったのが、コロナ禍における『権八 西麻布』での立て直しだ。パンデミックの影響で、月商8,000万円を誇っていた巨大店舗の売上が約1,000万円にまで激減した。社内でも「あそこに異動したら1年続かない」と囁かれるほどのプレッシャーの中、近藤氏はこの状況を逆手にとってがむしゃらに行動した。結果的に3年半で売上を月商1億円以上に回復させ、スタッフを10人から約100人規模まで採用・育成するという偉業を成し遂げた。
「グローバルダイニングでの経験で最も活きているのは、PL(損益計算書)や数字管理に対する抵抗感がなくなったことです。むしろ数字を見て分析するのが楽しいと感じるようになりました」と近藤氏は振り返る。
独立を考えるようになったのは30代前半のこと。社長の強力なリーダーシップの下で会社が成長していく中で、自身のキャリアや方向性の違いを冷静に見つめ直した結果、2024年9月末に同社を退職した。







