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今すぐ実践したい! 関西の飲食店における採用活動の3つのポイント

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大阪支社で「求人@飲食店.COM」の法人営業を担当する石田奈津子

当社シンクロ・フードは、飲食店の出店・運営に関わる様々なWEBサービスを提供しています。不動産情報の提供、飲食店と内装デザイン会社のマッチングサービス、厨房機器の販売、さらに求人サイトの運営まで、幅広い分野で飲食店の皆さまをサポートしてきました。そんな当社が培ってきた飲食店の出店・運営ノウハウを、ここでは数回に渡ってお届けしていきます。

第2回目となる今回は、飲食店の採用活動についてのノウハウをご紹介。特に関西地方における傾向、ノウハウをお伝えしていきます。話を聞いたのは、大阪支社で「求人@飲食店.COM」の法人営業を担当する石田奈津子。石田は大阪出身の人物で、東京、大阪、2つの都市で飲食店の採用活動をサポートしてきました。まずは首都圏と関西の飲食店の違いについて聞いたのでご紹介いたします。

飲食店における首都圏と関西の違いって?

━━まずは首都圏と関西の違いについて話を伺いたい。食文化の違いから簡単に説明してほしい。

「たこ焼き、お好み焼きを提供するお店が多いことや、蕎麦よりうどんを好むといった傾向はありますが、食文化の違いを感じるほどではありません。東京でパンケーキが流行れば大阪でも流行りますし、食のトレンドは共通しているように感じます。ただ、お店の造り方は少々違うようで、たとえば東京のカフェやダイニングバーの中には、空間に余白を作ってオシャレな雰囲気を演出する店舗もありますが、関西ではそうした空間の使い方をするお店は少ないようです。席数を目一杯に確保して、少しゴチャゴチャとした雰囲気を作り、『流行っているお店』というイメージを演出しているお店が多い気がします。この辺の考え方は首都圏とは違う部分かもしれません」

━━関西には大阪、京都、神戸と大都市が点在しているが、街ごとに飲食店の違いはあるか?

「特に大きな違いはありませんが、京都には古民家を改装した和食店、創作料理店が多く見られますね」

━━飲食店に限らず、文化の違いなどは感じるか?

「文化の違いというか、それぞれの街が独立している印象を受けます。たとえば首都圏なら、住まいは横浜で、職場は東京…なんてケースもよく聞きますが、関西では、大阪に住む人は大阪で、京都に住む人は京都で働く傾向があります」

━━なるほど。では、関西の飲食店は、働く環境としてはどうか? 首都圏の飲食店と比べて違いはある?

「まず関西人の気質として、人と人との距離が近い…という特徴があります。ですから働くスタッフの仲が良く、誕生日パーティーや社員旅行などのイベントを催している飲食店がとても多いです。採用活動においても、こうしたアットホームな雰囲気を魅力のひとつとして打ち出すお客様が多くいらっしゃいます」

採用活動における大切なポイントとは?

━━採用に関しての傾向は?

「ここ数年続いている傾向ですが、募集に対して求職者の数が少なく、飲食業界の採用活動は売り手市場が続いている状態です。またこれは首都圏と同じ傾向ではありますが、業態によって応募の数が大きく変わってきます。求職者に人気の高い職種の例としてはカフェのアルバイト、逆に応募が集まりにくいのは居酒屋の正社員などが挙げられます」

━━勤務条件や待遇においての特徴はあるか?

「給与に関しては首都圏に比べると低い傾向にあります。ここ1年間で『求人@飲食店.COM』に掲載された飲食店の平均給与を比較してみると、東京都全体が24.14万円であるのに対し、大阪市が22.94万円、京都市が22.23万円、神戸市が21.24万円となっています。また、交通費が支給されない飲食店も多いようで、これは10月7日時点のデータになりますが、アルバイトで交通費が支給される飲食店は、首都圏が85%であるのに対して、関西は72.6%となっています。こうした平均的なデータを知ったうえで、自店舗が用意している待遇が適切なのかどうかを検討するのも採用活動においては大切だと感じています」

━━飲食業界は全国的に人手不足の状況が続いているが、関西の飲食店が行っている雇用対策はどのようなものがあるか?

「以前は、関西の傾向として、採用活動には紙媒体が有効的だという印象がありました。しかし、ここ数年は状況が変わってきており、どの飲食店も、自店舗にあった採用方法、そして募集媒体を模索しているように感じます。そのため、複数の媒体に募集を掲載する飲食店も多く、採用活動に大変な費用が掛かっているようです。宣伝になってしまいますが、そういう意味では当社の媒体は他社様に比べると料金を抑えており、かつ飲食店専門の媒体ですので求職者のマッチング性も高い。当社のサービスを利用しているお客様は、こうした利点を魅力として感じていただいているようです」

━━飲食店で採用を担当している方になにかアドバイスはあるか?

「なかなか難しいことですが、条件面を見直すことも大切だと思います。先ほども申しましたが、交通費支給などの待遇面で差をつけること、それと勤務条件に幅を持たせるのも良いと思います。たとえば休日が月に6日なら給与はこれぐらい、月に8日なら少し下がってこれぐらい…という風に。それと、最近の若い方たちは学ぶ意欲が高いので、働くことでどのような技術が身につくのか、その辺を募集ページでアピールすることが大切です。たとえば日本料理店なら和食の技術がしっかりと学べること、居酒屋なら接客術や店舗運営術が学べること、カフェならコーヒーの淹れ方が学べるとか。募集ページでいかに働くイメージを持たせられるのかが大切な鍵になると思います」

【採用活動で実践したい3つのポイント】
・交通費を支給するなど、待遇面の改善を図る
・働き方を選べるようにする
・働くことで何を学べるのかを明確に打ち出す

今後も売り手市場が続く飲食業界の採用活動。勤務条件や待遇面の見直しは、店舗経営に関わる重要な部分なのでなかなか実行することが難しいですが、そうも言ってられない時代に到来しつつあります。求職者のニーズを捉えて柔軟に対応していくことこそ、今の時代の採用活動において最も大切なことなのかもしれません。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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