住宅立地でも“好き”を突きつめて繁盛店に。『アオジ ソシガヤ』に学ぶ「愛される店づくり」
地元密着型、でも門戸は広く開けておく
カウンタ―、テーブル席が16席の決して広くはない、だからこそ客との距離が近い店内。常連客づくりにつながっているのは、ワインのボトルキープ、そしてお客様のお気に入りの器やコーヒーカップ等を覚えて使うといった心遣い。ただし、そうしたもてなしをする際にも留意していることがある。
「地元密着型なだけに、逆の発想なんですが、あまり常連のお客様にべったりしないように気をつけています。放っておくと常連だけで埋まってしまう感じにはしたくないので、顔を覚えても立って話し込んだりはせず、ある程度は門戸を広げておくというか、そこの線引きはしていますね」
目指すのは、料理・サービス全てにおいて「上質の普通」
そんな常連客づくりの工夫にもつながり、さらには経営方針の核となっているのは、「上質の普通」というキーワード。
「立地や店の特性上、日常使いのやや上という感じかと思っています。あまり張りつめたリストランテのような全力の料理やサービス等は日常使いには疲れますし、普通であることが居心地の良さになる。そして何よりも、“プロフェッショナル=上質であること”が大事です」
自分の価値観の集大成のようなお店なので、スタッフの価値観共有には気をつかっているという後藤さん。スタッフ、そして来店するお客様も含め、自分が大切にしたいものを集めた店づくり。「大切にしたい想いが、大切にされている人やモノに伝わること」、そんな両想いの構図こそが、多くの人達から支持されるこの店の最たる戦略となっているのかもしれない。
『アオジ ソシガヤ』
住所/東京都世田谷区祖師谷2-4-7 ケヤキロード祖師谷1号
電話番号/03-6411-9676
営業時間/12:00~L.O.14:00(木金土日月)、17:30~L.O.23:00
定休日/火曜(ワイナリー研修等で不定休有)
http://aogisosigaya.com/