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『シンシア』石井シェフらが医療現場に弁当を無償提供。「これも飲食業界の未来のため」

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『シンシア』の石井真介シェフ

新型コロナウイルスの影響により医療現場は連日24時間、臨戦態勢だ。人手不足でゆっくり休みを取れず、忙しさのあまりまともな食事をとれない医療関係者も多くいる。そんな彼らを食事で支援していく取り組みが「スマイルフードプロジェクト」だ。一般社団法人Chefs for the Blue(シェフス・フォー・ザ・ブルー)と、外食企業のCITABRIA(サイタブリア)、広告企業のNKBを加えた3社が合同でチームを発足した。

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シェフス・フォー・ザ・ブルーのリードシェフであり、レストラン『シンシア』を経営する石井真介シェフに、この活動が始まった経緯をうかがった。

「きっかけはSNSの投稿でした。新型コロナウイルスにより、想像も絶するような状態にあるフランスで、現地の日本人シェフが医療機関に差し入れをしたと知ったのです。それに感動して、Facebookで『僕たちも何かできないか』と呼びかけました。すぐにサイタブリアの石田 聡さんから電話がかかってきて、『僕も前からやりたいと思っていた。ぜひ一緒にやろう』と言ってくれたのです。NKB INC.の寺田裕史さんも協力を強く申し出てくれて、企業からの協賛金を募ったり、すぐに撮影クルーを手配してホームページや動画を作ったりしてくれました。それがすごくありがたかったです。おかげで、僕が想像していたよりもずっと早くプロジェクトが進行しました」

石井シェフのFacebookの投稿

4月6日に行ったFacebookの投稿からわずか1週間で最初の支援を開始。その活動がテレビや新聞などのメディアに取り上げられたことで一気に認知度が広がった。現在ホームページを通して連絡が入る病院側と調整をすすめ、1日2回、計300~400食をめどに各病院に届けているという。

5月1日の時点で、15の病院に約2500食を届け済みで、今後も日曜日を除く毎日の提供を予定している。メニューは石井シェフのほか、『ザ・バーン』の米澤文雄シェフ、『慈華』の田村亮介シェフなどシェフス・フォー・ザ・ブルーからの多くのシェフと、『サイタブリア』ケータリングチームの奥田祐也シェフが中心に組み立て、力を合わせて調理にあたっている。

厨房の様子。さまざまな店舗が力を合わせて調理を行っている

医療関係者を支援する上で最も重要なこと

最前線で働く医療関係者を支援するために、一番大事なことはなんだろうか。石井シェフが活動の中で気づいたことを教えてもらった。

「最初はキッチンカーを病院の前に停めてお弁当を販売するようなイメージでした。しかし、最も重要なのは保健・衛生管理が徹底した環境で調理することだったのです。支援する僕らが感染したり、感染させたりしてはいけません。ですから、衛生的な環境の整ったサイタブリアのフードラボで一括して調理することにしました。キッチンスタッフは帽子とゴム手袋、シューズカバーを使い、朝晩体温をチェックし健康状態をオンライン報告。データはクラウド上で管理し、体調が少しでも悪い人は出勤させないようにしました。キッチンでも密集せず、ソーシャルディスタンスを保っています。暖かくなってくると食中毒の心配もありますから、お弁当は冷蔵トラックで宅配し、僕らは病院に入らず駐車場で受け渡しをすることで、接触リスクも減らしています」

弁当を運ぶ様子

この活動に賛同する生産者の中には、食材や資材を提供してくれる人もいる。シェフたちは、それらを活かすメニューを考案し、一つひとつ丁寧に作っていく。運営スタッフは病院側の要望を受けつけ、丁寧にパッキングしてお弁当を届ける。一つのお弁当に、たくさんの人の思いがこめられているのだ。地方の料理人からも「医療関係者を支援したいが、どうしたらいいか」という相談が寄せられるという。スマイルフードプロジェクトとして全国に広げていくとリスク管理ができないため、石井シェフは「僕たちはこうした」という経験談を話したり、方向性を示したりしてアドバイスしているそうだ。

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三原明日香

About 三原明日香

編集プロダクションに勤務し、フリーライターとして10年以上活動。ふとしたことから労働基準法に興味を持ち、4年間社労士の勉強に打ち込む。2014年に試験に合格し、20年4月に開業社労士として独立した。下町の居酒屋で出されるモツ煮込みが好物。