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大阪『串かつだるま』、二度漬け禁止方式を変更。コロナ禍で食文化をどう守るか

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『串かつだるま 動物園前店』の店長・吉村英士さん(右)と、新入社員の2人。だるま大臣の人形とともに

新型コロナウイルスの影響で、従来の提供スタイルを変更せざるを得なくなった飲食店も多いだろう。例えば複数人で大皿の料理をシェアするスタイルは、食事中に飛沫が入って感染リスクが高まることが懸念されるため、個別に提供するなどの対策が取られている。

大阪に13店舗を構える『串かつだるま』も、提供スタイルを変更した飲食店の一つ。串かつといえばソースの二度漬け禁止で知られる大阪名物だが、コロナ禍で伝統の食文化に何が起こっているのだろうか。大阪・新世界にある『串かつだるま 動物園前店』で、店長の吉村英士さんに話を伺った。

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大阪・新世界にある『串かつだるま 動物園前店』の様子

通天閣の周辺、観光客でにぎわう新世界が一変

大阪のシンボル・通天閣の周辺に広がる新世界には、レトロな街並みの中に派手な看板やネオンを掲げる飲食店が軒を連ねている。大阪屈指の観光スポットであり、国内外ともに多くの観光客が訪れ、食べ歩きや飲み歩きを楽しむ人でにぎわうのが通常の光景だ。

ところが新型コロナウイルスの影響を受け、今年8月初旬の新世界は閑散としていた。『串かつだるま』は新世界だけで4店舗を構えているが、取材時はどの店舗の前にもいつもならできるはずの行列がなかった。今回伺った『串かつだるま 動物園前店』は大型店舗で、満席率も高い。店長の吉村さんが、状況を語ってくれた(以下、コメントはすべて吉村さん)。

「緊急事態宣言が発出された4月7日から全店休業。動物園前店は5月16日に営業再開して、6月いっぱいは来店客が平常時の5割まで回復していたんです。そのまま夏休みに向けて少し賑わってくればいいなと思っていたのに、7月の4連休前後で再び感染拡大してからは、観光客が激減しましたね」

平常時の『串かつだるま 動物園前店』は2割弱がインバウンド、4割が地元のお客、あとは国内観光客が占めていた。現在は観光客が減った代わりに、地元・大阪や近畿圏のお客が以前より目立つようになったという。

串かつ(1本132円~)は、「二度漬け禁止ソース」をかけて食べるスタイルに変更

「ソースの二度漬け禁止」を変えた、苦渋の決断

『串かつだるま』は1929年の創業以来、客同士が共用で使う銀色のソース缶を設置し、ソースの二度漬けを禁止するスタイルを受け継いできた。ソース缶に串かつを漬けるのは1回だけ。ソースが足りなかったらお通しのキャベツを手で持ち、ソースをすくって串かつへかけるというのがお決まりの食べ方である。たった1回でも、並々に入った特製ソースに“ドボッ”と漬けるその1回は、まぎれもなく特別な体験だった。

だが、共用のソースは飲食中に飛沫が入る恐れがあるため、全店休業中に新型コロナウイルスの感染対策として提供方法の変更が検討された。

「社内で話し合いを重ね、いろんな案が出る中で、『ソースをボトルに入れてかけたらいいのでは』という意見が出たんです。もちろん、『それだと伝統の“二度漬け禁止”にはならない』という意見もありました」

90年以上続いてきた歴史があるからこそ、社内の誰もが葛藤を抱えていたという。そして最終的に、飛沫が入る恐れのないボトルでソースをかけるスタイルに変更することになったのだ。

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松尾友喜

About 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。